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霞ヶ関ワークライフ12
皆さん、お久しぶりです。
この間、自民党総裁の交代、選挙、総理大臣の交代、政治はバタバタしていましたね。
さて、僕が官僚でいるのも後4ヶ月。2年間を長く感じてきたはずが、このnoteの霞ヶ関ワークライフシリーズを読み返していると、あっという間な気がしてくるから不思議です。
次回13で終わるのは、なんか数字が不吉ですし、キリが良くないかなぁと、思ったりしています。
続・割モメという争い
前回、割モメという悲痛な業務について語りました。(とある商店街の果物屋と八百屋との争いの例え話で解説したあれ※前回の記事参照)
割モメの発生原因は、
①議員からの質問がアバウト(抽象的)
②どの部門でも拾いにくいデットスポット的なテーマ
のどちらかになると思うのですが、僕が対応しているケースは、後者の②。
さらに、厄介なことに、議員からの質問が頻出するテーマなのでした。この陳情は、4月〜10月にかけて計40回を超えています(多くないですか!?😅)
他局と何度も、鍔迫り合いをしてきて、回を重ねるごとに、相手の出方と返しが、ほぼ予測できるようになります。
そして、相手の主張の根幹、拠り所にしている部分について、過去対応や資料から矛盾を指摘できることに気づき、まるでボードゲームの勝ち筋が見えた瞬間のような感触です。
(オラァ!これでもくらえぇ!バチィィ←✉️メール送信ボタンを押す音)
当初は、100%オチ主張だった他局も、いまでは共同対応するまでになりました。
(他局から「ぐぬぬぬ・・・」という心の声が聞こえてきそうですが)
いっそのこと、書記室や大臣官房に裁定してもらおうかと何度も思いましたが、ほんとうに終わって良かった。このことは、しっかりと後任に引き継がせてもらう( *`ω´)キリッ
それにしても、何が悲しくてここまで内部で揉めなくてはならないのか。。
きっと今日もどこかで官僚同士が、割モメしてるんだろう。。
(局内)全員定時退勤という奇跡✨
官僚の長時間労働の実態は、誰もが知るところです。
庁舎では20時ジャストに放送(いい加減はやく帰りましょう〜)が流れるが、誰も聞いていません。
しかし、新しい局では、月一回の全員定時退勤日が導入されることになったのです。
すでに官僚の働き方にどっぷり浸り感覚が麻痺していたので、「どうせ残る人は残るんでしょ〜」となめていました。しかし、時間が近づくにつれ、おやおや・・どんどん人が減っていく!?
なんと結果は、局内全員19時退勤!
わざわざ総務課長が見回り👮にくるという事前情報(圧力)が、功をそうしたのかもしれません。
局というと結構な人数がいるので、実現できたことは、ワークライフバランスの観点でとても前進したのではないでしょうか。
厳密にルール化されるときちんと守ろうとする官僚の気質がいい形で現れたのかもしれない。
働き方には関心があまりない官僚の皆さんですが、やればできるじゃん!と内心ツッコミをいれていました🙌
パブリックコメントからみる霞ヶ関
パブリックコメントというものをご存知だろうか?
要は、国が新ルールを作るときや、ルール変更するとき等に、事前に広く国民に意見募集し、その寄せられた意見に対して回答したうえで、手続きを進めるというもの。
※行政手続法では、政令、省令、告示、基準などを指すが、これらに該当しなくても省庁判断で任意に意見募集することもできる。
すなわち、パブリックコメントの募集期間中であれば、興味のある事柄について、誰でも自由に意見を出せるわけですね。(興味があればやってみてください。そして、意見が採用されなくても怒らないでくださいね)
さて、このパブリックコメントの実施数をランキング形式でみてみたい。
(R6.11時点で、募集終了のもの。システム上の都合で過去2018年からの数)
1、厚生労働省 3284件
2、国土交通省 1596件
3、農林水産省 1451件
4、総務省 1215件
5、経済産業省 1153件
6、環境省 725件
7、財務省 604件
8、金融庁 539件
9、国税庁 469件
10、文部科学省 425件
(以降は割愛)
ぶっちぎり厚労省が1位(2位に倍の大差)✨内訳の分類までは見てないけれど、やはり医薬業界の所管が数に影響しているのかもしれない。(ちなみに、厚労省は、全省庁内で労働時間も一位です)
続いて、国交省、農水省、総務省、経産省となりますが、やはり国民生活に身近な行政行為を所管するところが、数が多くなりがちな印象です。
例えば、割愛した、防衛省(75)や外務省(57)などは、機密情報のため公開できることが少ないのかもしれない。
ちなみに、法律上は、パブリックコメントをしなくてもいい任意募集に限定して集計してみても面白いかもしれないと思いました。
官僚の上司は、政治家or国民?
法律の話ではなく、働くうえでのマインドについて、最近思ったことがあります。
官僚たちには、様々な研修講座が日々案内されてきます。最近はオンラインもあるので、手軽に聴くことができます。(忙しいので、どれだけ聴いてる人がいるのかは疑問ですが、、)
稀に、レジェンド級の元官僚の講義を聴く機会があり、時間が許す限り、聴くようにしてきました。
ちなみに、レジェンド級というのは、日本全体に影響する大改革をした官僚たちのことで、役職についても、局長級、次官級とか、政治家と一緒にひざをつけ合わせて仕事をしてきた人たちになります。
僕個人の私見ですが、レジェンド級元官僚の話を聞いていると、
1、上司は国民
2、上司は政治家
どっちに重きをおいている人なのか、その人それぞれだと感じるのです。(両方大事であるけれど、比重が異なるという趣旨です)
1に比重がある人は、
例えば、政治家が間違った方向にいっていると思えば、それは国民のためにならないと反論します。指導者(政治家)を目の前にしても、もし歴史に禍根を残す危険性があれば、恐れずに反対したほうがよいと考えるタイプ。
ある種、官僚としても主体性があるように思えます。
(週刊誌ネタ的には、政治家を裏で操る悪い官僚とかいわれそうですが💦)
一方の2に比重がある人は、
仮に自分が反対意見を持っていても、アドバイスはするが、強い反対はせず、政治家の意見=国民の意見、として政治家のフォロー、サポートする側に徹するタイプ。
ある意味、官僚に主体性はないように思えます。
(週刊誌ネタ的には、いかにも官僚的と揶揄されそうですが💦)
どちらが正しいとか正しくないという議論には、意味がありません。あくまでも、マインドの話です。
民間人についても、組織や上司に意見する人や従順な人、さまざまだと思いますが、あらためて官僚だって働いている生身の人で、同じなんだと感じるところです。