【散文詩】半自動筆記に因る夜想曲(7)-3<終>:『最愛のひとへ』-3<終>
『今踵を掴まれて地獄の悪魔の所迄逝くよ。幾ら人を叱り付けたくたって、舌が蛇に為って居るんじゃ、鼻を咬まれて痛い思いをするだけだから』
貴方をして、学園の教師連は評されました。世間の五月蠅さを学んで、今では貴方の言葉が、全て真実で有ると感じられます。
ああ、今貴方は、何処に居らっしゃるのでしょう?もしも居らっしゃるのなら、私はこの手紙を、彼のソドムに比される主府の方隅の、愛するが故に多くの人々に追われ、
真実の愛を求めて夜毎彷徨う人々の集うあの町に向けて、送ります。
そしてどうか、御身の無事を一刻も一時でも早く、私の元へ還して欲しいと、謹んで申し上げたく存じます。私の片身である貴方、迷える姫君に。
<了>