みのがし様(5) あとがき
この最後の話は加筆修正により加えられたもの
であります。
金五郎に脅され泣く泣く二人の居場所を教えた三平、吉太だが、二人はあの一件があった後、店を辞め、吉太は薬売りとして諸国を渡り歩き、越中で所帯を持ち、明治の中頃に中風を患い亡くなった。子孫は今も富山県にて製薬業を営むという。
三平は算術と文字が得意で、貯めた金で寺子屋を開き、近在の子供たちに勉強を教えるようになり、その後で所帯を持った。三平は大正末期まで存命しており、またある時期から日記を書いていたためか、お千代、才蔵、吉太の没年や思い出が書き留められていたのだという。子孫は現在、経営コンサルタントを営む。