映画「こんにちは、母さん」


directed by 山田洋次
starring : 吉永小百合、大泉洋、永野芽郁、YOU、神戸浩、田口浩正、宮藤官九郎、田中泯、寺尾聰

大会社の人事部長として日々、神経をすり減らす神崎昭夫(大泉洋)。会社の早期退職者リストに同期で親友の木部(宮藤官九郎)が上がっており、納得しない木部からキツい言葉を浴びせられ、神経をすり減らす毎日。家庭では妻が家を出ていき、離婚の危機、大学生の娘(永野芽郁)との関係もうまくいかず、娘がたびたび行っているという母・福江(吉永小百合)が暮らす、下町の実家を訪ねる。
  足袋屋を営む実家では、父が亡くなった後、母が一人で暮らしていた。が、久しぶりに訪ねた昭夫の目から見ると、母は以前より若返ったかのようにおしゃれをして生き生きとして、ボランティア活動や教会へと忙しくしていた。どうやら、母は恋をしているらしい?
  お節介がすぎるほど実家に入り浸る、下町の近所の人たち、そして自分の知っていた母とは違う、新たな母を見ているうちに、次第に見失っていたことに気づく昭夫・・・

大泉洋と吉永小百合というコンビネーションがおもしろい味わいだった。
いい意味ですよ、ほんまに吉永小百合さんって、バケモンじゃないか〜って思います。こんなふうに歳を重ねていきたいなって・・・若い頃から、年齢を重ねられた現在まで、男女を問わず憧れの対象にいらっしゃるって凄いことですよ・・・
東京の下町情緒にしっかり溶け込んでいて、で、四十過ぎの息子の母親としても違和感がなく、しかも、「恋をしている!」ってのも全然違和感ない「可愛らしさ・可憐さ」をちゃんと見せてくれている。
山田洋次監督の描く、人の心根の温かさ、人と人とが直に触れ合って言葉を交わすことの愛おしさ、コロナ禍を過ぎて改めてその大切さを強く訴えてくる・・・しかもそれを「さりげなく、自然に」というところ、ああ、小津さんの流れだよなぁって・・・ぬるくてゆるいんだけど、心地よいっていう「たゆたう」感がすごく伝わってきました。

この山田洋次さんのテイストに、宮藤官九郎さんが「役者」として加わっていることのおもしろさ・・・どうしても異質感があるんだけど、それが良いアクセントになっていたなぁと。

この映画、たぶん、私の世代で見るのと、30代ぐらいの人が見るのと、全然違うのかも〜って思ったり。

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