ハルサメとナッツ8 やっぱり巨大な眼球みたい!
ハルサメとナッツ8 やっぱり巨大な眼球みたい!
毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離している部分が多いですよ。
私たちは急遽、地球に戻る気でいた。しかし抗うことが出来ない衝動を私を襲った。
やっぱり木星の名所である「巨大な眼球」を拝まずに帰ることなんて出来ないのである。
それよりも切迫した問題があって、それが咲ちゃんが時々起こす発作だった。
急に息を荒げて自慰行為を始め、自分の手で自分の脇腹を掴んだり完熟マンゴーの中に数本の指を深く差し込んでそのなかにある穴の内面を自分の伸びた爪で引っ掻いて傷をつけてながらうっとりとしか目でほおを高揚させて叫び散らすのだ。
もっとも私たちの周囲は宇宙線に対するバリアも兼ねて半球500m以上の呼吸が可能な気体で充満させた球体で包まれているのだから酸素とか呼吸の問題はないのだけど。
問題はこの咲ちゃんが数時間単位で繰り返す発作だった
『私を抱きにきて、その立派な松茸で、私を、ワタシの完熟マンゴーを貫いて、胎の中がぐしゃぐしゃになるくらい突きまくって大量の白い液体で満たして、はぁはぁ、もっと、もっと激しく私の股を引き裂いて、はぁ、ああ“ー、そんな程度じゃダメェ、私を殺して、息ができないくらい喘がせて、神経がズタズタになってショック死するほどGスポットを連打しまくって、あ”あっ“あ”ー、はぁはぁはぁはぁ、いやぁ!これ以上私を壊さないで、もっとメチャクチャにお腹の中、引っ掻き回して、はぁはぁ、はぁはぁ、はぁはぁ、あっあっもっとぉ、はぁはぁ、あhjはぁはぁ、ああもっと』
『またいつもの発作が始まっちゃたね』
そう言ってナッツが咲ちゃんの耳元で何かを囁くとやがて彼女は次第に乱れた呼吸だけを残して落ち着いたように深い眠りに入った。
血まみれになった彼女の胎の中に通じる穴の裂け目と傷を修復して多少の記憶操作を施す必要があった。
最初は火星に近づくことによってその記憶が蘇ったせいかと思ったがそうではないようだ。
『小惑星に残っていた妖魔、もしくは火星を包むように存在している妖魔のせいでは?』
とナッツは考えたがそうでもないようだった。
小惑星帯を離れ、火星を避けるルートを選んでも結果は同じだった。
『むしろ地球に近づいたことによって発作の頻度が増した気がする』
私はそう考え始めていた。根拠のないただの憶測に過ぎなかったけど。
そんなわけで彼女を落ち着かせるために時間稼ぎも兼ねてとりあえず地球を離れイスカ、じゃない冥王星でもなく木星に向かうことにした。もちろん木星に直接着地なんて無謀な事はできないから(ほとんどガス状の物質に包まれているからでもあるけど片方は磁気嵐、おまけに超電磁級の雷が飛び交っているという噂なので近くの適当な衛星に着地することにした。
多分地球に戻る頃には4年くらいの年月が流れていて私もナッツも、そして咲ちゃんも高校2年生あたりになっているだろう、下手をすればもっと月日が流れて勝手に行方不明のまま、高校さえ勝手に卒業させられているかも知れない。
『さらばぁ青春、旅立つ高校、宇宙、淫魔春雨』
ヤバい替え歌を口ずさんでしまったところで私の頭に鉄槌が下された。
[貴様はバカか、学校に通ってなくて卒業できるとでも思ったか?進級できると思ったか?留年だよ、留年、そんなこともわからずに良くもまあ淫魔が務まったな]
いや、そんな漢字だらけのイメージを送られてもそれに日本は中学までは義務教育のはず。
[だからと言って出席しなければ留年はあるし下手をすれば行方不明から死亡者扱いだぞそれでもいいのか?]
『いいもん、どうせ私友人はナッツしかいないしこのまま戸籍とかマイナンとかの記録も改竄して中学1年生の波瑠沙芽として人生をやり直すから』
『あたしはそんなのに付き合わされるのは真っ平御免だね、18才を過ぎた特権でAVに出てバリバリ稼ぎまくるんだから、それよりも春雨、お前の家族はどうする気だ?まさか記憶改ざんをする気じゃないだろうな』
ナッツは鋭く指摘をして来た。
『それくらい我慢するよ、貴重な中学時代を失うよりは・・・・・』
その時点で私は負けを認めるべきだったかも知れない、ナッツさえいない5年以上のぼっち生活、私に耐えられるはずがない。
しかも奴はとどめの一言を用意していた。
『確かナッツには一つ違いの義弟、健太くんがいたよね、彼の3才以上は年下の妹になるけどそれは良いのかな?』
それはちょっと、でも一瞬だけ危ない欲望が脳裏をかすめた。
ー18禁ゲームでありがちなシュチュエーション、高三の男子校生、12才になったばかりの妹の青い果実のとりこになるー
そこまで考えた私は絶望の淵の音された。
私は健太が好きな女の好みを知っている、少なくとも私のような貧乳じゃなくてナッツや咲ちゃんのような巨乳で女性フェロモンをぷんぷんに追わせた女性だった。
えっ?話が見えないっていい加減に覚えて欲しいな。
まずは1番最初に出た咲ちゃん、こと岡浜咲ちゃん、彼女のスペックは見た目身長160cmくらい体重不明なものの、やや細めな割に胸の発育は良くGカップ以上、そしてウエストのくびれやマンゴーの完熟度もナッツに引けを取らず男を狂わせるタイプと言えよう。
肩にかかるくらいのきつめにウェイブがかかった茶髪が特徴で大きな目の大部分を占めてる眼球は純白な中に緑色の瞳が美しい。
地球を出発した時は当たり前だけど中学1年生の1学期初め頃で12才だったが既に地球時間で6ヶ月は過ぎているはずなので7月始め頃生まれの彼女はもう13才のはずだ。
はい、次は私の悪友、じゃない親友のナッツこと夏野明美、彼女も咲ちゃんと同じく中学1年生だが誕生日が確か3月だった気がするので既に地球を旅立った時は12才だった気がする。
彼女に関してはスペック詐欺と言っても過言じゃないと思う。
黒髪のロングストレートヘアには違いがないのだがその長さは胸元あたりから腰までその髪の色さえ自由自在に変えられる。
顔はどこかおっとりとした母性を感じさせる某エリカ似だが身長はデフォルトで165cmであるものの実際には145〜175cmまで自在に変えられるらしい。戸籍上は13才の現時点では中学1年生ということになっているが脱ぐとやばいタイプで私はてっきりDカップ程度と予想していたが実際にはHカップ以上はあるらしくて、くびれたウエスト以上に無毛状態でつるつるにもかかわらずピンク色に完熟したとても柔らかいマンゴーと12才とは思えない大人の色香ははそれを見た男どもを性欲のアリ地獄に引きずり込むだろう。
彼女のニックネーム、ナッツは彼女の口がナッツ類しか受け付けられないことにある、ピーナッツ、マカデミアナッツ、ジャイアントコーンなど、とにかくその手の食い物しか受け付けない。
彼女は7大欲求に関する悪魔らしいが私なんかよりもはるかに長いキャリアを持つ高等悪魔であるらしい。少なくとも一つの恒星系文明が生まれてから滅亡するまでを見とってきたらしい。
最後は私、私の属性は人類、いわば人間などではなく淫魔と呼ばれる、まあ最下層のエロスに特化した悪魔である。
世の中の人間たち男女のエッチな行為やすけべな夢想などから快楽や愛液、精液などの甘い果実を横取り、いや、少しずつ分けてもらいながら棲息しているというとても強欲な、じゃないつましい悪魔だ。
ちなみに私の人間形態での見た目は一応戸籍上は中学1年生12才でありながら身長140cm未満Bカップというお子ちゃま体質である。ちなみに誕生日はナッツよりも2ヶ月早い1月の29日ということになっている、私の母親である詩織と幸恵さんふたり共に高校3年生だった頃に期間をずらして付き合っていた男性が唯ひとり、聡さんとゴムなしピルなしエッチをしたのが年末の慌ただしい時と3月半ばごろに母が日本を旅立つ時にラブホで年を誤魔化してオールナイトで5〜6発はやったらしい。それで問題は誕生日から逆算すると実際に着床した可能性が高いのはラブホでのオールナイトであるらしいと言うことだったが、母である詩織がかなり未開の国に帰化していたのとちょっと怖いことに自力分娩をしたので誕生日に関してはかなり怪しい部分がある。
しかも実は私は実父であるはずの聡さんとはDNA検定の結果血縁関係が全くないことが証明されてしまっている。
ちなみに幸恵さんと聡さんの間には1学年年下の義弟である健太くんがいる。
当然、彼と私の間には本来なら年齢差は2ヶ月彼の方が年上なのだがチョチョイと記憶改ざんををさせてもらい私は母、詩織が高2の時に海外で産み落としてあちらの国の面倒見のいい人に育ててもらっていたことになっている。
名前は波瑠沙芽と書いてはるさとみと読む。
肩にかかる程度の春雨のような透き通った白髪が特徴でこれも私のニックネーム春雨の由来になっている。
おっといけない、またしてもスター、じゃなかった、星紫亜さんの存在を忘れていたよ水星生まれの水星育ち、半導体生物が進化し過ぎちゃった末に中二病をこじらせてA級淫魔処刑執行人になったと言う実体を持たない化け物だ。
見た目は15〜16才くらいの発育の良い娘、結構な美少女と言いたいが赤い癖毛のたぬき顔、あう!
[こら、お主あたしをまるで〇〇の魔女のヒロインみたいな容姿みたいな言い方をしたであろう。
そこで貴様がまだ4才だった時に役所が35人の男に襲撃すた時の話をしてやろう。
あの時貴様は母親を犯行グループたちが乱射した自動小銃の弾丸で蜂の巣にされたことにより怒りで我を失い、自分の質量を20トンまで増加させ手弾丸をすべて弾き返しながら、先頭にいた2人にダブルラリアートを仕掛けて首ごと身体から引きちぎるという離れ業をやってのけたがその時の移動速度は音速3を超えていてその場に立っていた犯人たちの大半がソニックブームで吹っ飛び壁や天井に叩きつけられ絶命した。だが頭を両腕で覆い隠してしゃがみ込んでいた一般人と役所の人間の多くは助かったが、それ以前に既に犯人たちの自動小銃の弾丸の餌食になっていた人たちの多くは絶命したか、後遺症が残る重傷を受けたという]
うーん、そんなこと言われても本当に覚えていないんだけどなあ。
大体ポリスメンが駆けつけた時は私自身が9発の弾丸を肩や腕、腹や腰に被弾していて瀕死の状態だったと聞いたし、そんなの嘘に決まっているでしょ、角刈り三白眼の日本人がベレッタARX160とかで犯人たちを一瞬にして瞬殺したんですよ。
私は赤毛パーマの美少女の意識と喋りながら小惑星帯をすごい速さでナッツと共にサクちゃんのか弱い体を宇宙線なだからガードしつつすり抜けていた。
[小惑星帯の中じゃあえて速度を音速の20倍程度に抑えて今、そこを抜け出した途端に光速の1/30程度まで加速して何を急いでいるのかしらね?、夏野明美はそれに気がついていないみたいだけど、あなたは本当にただの淫魔なのかしら?実はここに来るまで数ヶ月どころか数日しかかかっていないって事をあなた自身も夏野明美も気がついているかしら?]
『そんなの気がついているに決まっているじゃない、春雨が木星にこだわるのは木星の衛星、レダが彼女の故郷だからね』
寝言は寝て言えというのが正直な感想だった、とてもじゃないがあそこは生物が発生できるような星なんかじゃない。
名前はなんとなくかっこいいんだけどね。
『いや、本人が忘れていること自体びっくりだわ』
ナッツが驚いた表情で言った。
『詩織さんに関係することだからちゃんと思い出して欲しいんだけどな』
でも私には例の幼少期における銃乱射事件以前の記憶がほとんどない。私は高層高級マンションの最高階で母一つの手で4才になる直前までで育てられていた、はずだ。
『私今少し思い出したことがあるんだけど、タワーマンションってゴツゴツした岩の上だったけ?』
『そんなわけなかろう』
私の意見は速攻でナッツに否定された。ただしひとつっだけこの風景に実は明らかに見覚えがあった。
いや、正しくは少しずつ思い出しつつあった。
頭上の巨大な横縞模様の丸い球体とそのなかですこしずついどうしている他の(木星に比べたらはるかに)小さな衛星たち、私はそれを眺めながら母親である詩織の母乳を飲んでいた。
まだ生後僅か数週間で私は父親と本当の母親に捨てられて両足首に重たいものをはめられて海に沈められていた。
『その事は言語化は可能か?』
ナッツに聞かれたがそんな問いに答えられるはずがない。
だんだん息が苦しくなって私は海、深くに沈みながら意識を失っていた。多分自分がごく普通の人間ならこの時点で溺死、さらに深く沈んだとすれば全身が水圧で圧迫されてどちらにしても生き残れるはずがなかった。
『やればできるじゃない』とナッツに言われたが私はそれらを言語化した意識は全くない。
一度は真っ暗になった世界がまた明るくなり始めていた。
気がつくと私は空と海の間を彷徨(さまよ)い続けてた。
私は誰?
全く思い出せなかった。
海に沈んでは浮き上がり、少し宙を浮き上がって飛んでは水の中に潜り、飛んではにずの中に潜る、それを繰り返しているものを両手でつかむと真ん中からかぶりついた。
味なんてよくわからなかったが少しだけ元気が出たような気がした。
少し深めに水の中に潜ると赤いウロコで身をまとった動く生き物を両手でつかまえると真ん中からかぶりついた。
なんとなく美味しいと感じたがその際にそれは赤い液体を水の中にまき散らしていた。
何か大きな黒い生き物が近づいてくるのがわかった。
それはとても早い動きで近づいて来て私の右腕を食いちぎると一瞬で向きを変えて再び襲いかかってきた。
『なぜ私はこんなことを知っているのだろうか?』
疑問に思う暇もなくそいつは私の左足を根本から食いちぎって離れてゆくとすぐに向きを変えて戻ってきた。まるでもてあそばれているような感じだ。
『サメだ、このままでは食べ尽くされちゃう』
この現状にまったくふさわしくない声が頭の中で響いた。
『行け!奴の腹の中に、奴に噛み砕かれる前に奴の中に飛び込んで奴のはらわたを引き裂いて食い尽くせ』
そんな物騒な考えが私の中に湧き上がった。
私は右足と左腕を全力で水をかき分けて一瞬にして奴の口の中に移動させて腹の中をずたずたに引き裂いていた。味なんて全然わからなかったけど気がついたら私は奴を完全に食べ尽くしていた。
『血の匂いに誘われてきたのかな?』
私はそう考えながら急いでその場を離れようとしていた。片腕と片足では思うほど進まない気がしていたが私は思うより早く砂浜で荒々しく息を乱していた。出血はまだ続いて心臓の鼓動に併せて手足の太い動脈から吹き出していたようだったが右手はひじから先が、左足はほぼ太ももから先がなくなっていた。
食いちぎられた断面は少し肉が盛り上がった皮膚で包み込まれていた。
浜辺に出たものの歩いて移動はできそうもなかった。
でもどうして私はこうなってしまったのだろうか?なぜ、私は突然に海の中に沈められたのだろうか?
そうこう考えている間に世が開けたのか、まず一方の空から、そしてそれはやがて空全体に、さらに周りが明るくなり始めていた。
少し赤みを帯びた強く光る球体が空と水、いや、海の間から浮かび上がるとそれが放つ強い光が私を照らし上げた。
その時になってようやく私が捨てられた理由がおぼろげながら思い出されてきた。
私に名前はない、なぜなら要らない娘だから。
私は岡浜咲の妹として産まれた。正しくは父親が違うので腹違いならぬ種違いの妹ということになるがそれは表向きの誤魔化しであり姉の咲と同様にこの国、日本最大の電気系グループの理事長と愛人関係の上で子作り作業をしちゃって、咲を出産後すぐに出来ちゃった娘だった。
『ちょ、ちょとまって、それじゃ、あんたは咲の実の妹ってことになるよ』
ナッツが突っ込まなくってもいいどうでもいいような事を言い出した。
『それが今思い出したんだけどみんな私の前じゃあの人、要するに咲ちゃんの私の母が人間に対してマインドコントロールがつかえなくなるみたいなんよね』
[そんなことがどうしてわかる?]
星紫亜が疑問を投げかけた。もちろん私はそんな記憶はない。だけど私自身は色々とラッキーな体質を持っているようだ。
まず理事長は母ともうひとりの火星から来た女性クローンを事実上愛人として囲ったが表向きは養子ということになっていたのでふたり共に理事長と同じ姓名で戸籍登録されていると信じていた。
しかし実際には岡浜姓で、もうひとりの男児とその母親である火星から来た女性クローンは理事長と同じ姓を名乗っていた。まあ要するにその男児の父親はその男児が生まれた時点で理事長の婿養子(むこようし)として招き入れられたわけだ。
そこで少し時を置いて、咲ちゃんが産まれてから私が産まれたわけだったが私は何故か認知されなかった。
私自身が異常に早産だったこともあり世間的な目を理事長は気にしたのかもしれない。
ひとりの同じ女性が6ヶ月も置かずに次の子を出産するなんて常識じゃ考えられないことだろう。
ところがそれは現実に起きてしまっていた。
しかも今度はアリバイ工作で咲ちゃんの時と異なりに淫媚薬の効果も借りつつ咲ちゃんの実父に間違った記憶を植え付けた。
彼がレイプしたのは別の女性だと言うことにしたのだった。
『あたし、中学に入る少し前に幸恵さんと何度か喫茶店ではち合わせして、ケーキセットを奢ってもらったことがあるんだけど、あんたの母親である詩織さんが高校年生だった夏、6月から11月にかけて行方不明になっていたことがあるらしいんだ』
突然にナッツにそんな事を言われても私にとっては初耳もいいところだ。
『その年の春、3月くらいから彼女、詩織さんの体型が変わりて妊娠説も出るくらい5月くらいにはお腹が膨らみ始めていたんだそうだよ、それで学校の職員室でも騒ぎになって半強制的に病院で検査を受けさせられたけれどお腹の中には胎児どころか胎芽さえ見つからずにただの食べ過ぎによる肥満だと結論づけられたらしいんだ』
ナッツはそこまで言ってから一息をついて続けた。
『7月、いいえ、正確には6月の20日に、詩織さんは突然に奇妙な事を口走っていて、それから次の日にはみんなの前から姿を消したらしいんよ』
ナッツの言葉をきいたとたんにわたしのなかにひとつのことばが思い浮かんだ。
『代理母をやるバイトをやっているからしばらくはみんなの前からとんずらするね、か』
『それって、校則違反どころか日本の法律的にもアウトなんじゃ』
ナッツも驚くのは無理もない、何故ならそれは私の頭の中に突然浮かび上がった母の記憶だからだ。
わたしの頭の中にひとつの情景が浮かび上がってきた。
私は何故か見知らぬ女性と話をしている。
いや、完全に見知らぬわけではなさそうだった。その女性は何故か面影がどこか咲ちゃんとよく似ていた。
『あなたにはこれから父の身の周りの世話を6月20日から8月いっぱい世話をして欲しいのだけど』
『夜の世話ならお断りですよ』
目の前の女性のお腹は明らかに臨月がすぐそこに迫って来ているなと感じるほど大きく膨らんでいた。
『いやねぇ、女子高生にそんなことさせられないわよ』
その女性は両手をふって全否定していたがウソなのは見え見えだ。
『あなた、理事長の本当の娘じゃないでしょ』
私が指摘すると急に彼女の顔色が青ざめた。
『いいですよ、私はあなたが理事長と愛人関係だなんて他人にバラしたりなんてしませんし、私を薬漬けにして、あなたの呪いのような洗脳能力で理事長と肉体関係を持たせようとしても赤ちゃんなんて出来ないですから』
私がそう言った時明らかに彼女はニヤッと笑ったように感じた。
その途端に目の前が真っ暗になり私は何故か身動きが取れなくなっていた。
『ほほほ、いけない娘ね、そんなことくらい私たちも調査済みよ、あなたは無排卵性生理、しかもかなりレアなケースで中学入学前から1度たりとも排卵がない上に出血もほとんど無い、だから父の、いえマイダーリンの夜の相手にはふさわしいわけよ、どんなに犯されたりしても赤ちゃんはできないからね』
その言い方は気に食わなかったが震える唇で私はひとつ要求をした。
『手当はひと月当たり200万円ね、それは譲れない』
私がその女は高笑いを始めた。
『それは無理な相談ね、あなたにはタダ働きをしてもらうから』
女は高笑いをすると部屋を出ていった。その時に私を見る目が憎悪に満ちていたのは決して気のせいなんかではないだろう。
彼女はドクターストップで理事長との性行為を一切禁止されているようだった。
まあ理事長自身の性欲にブレーキというものが存在しないから仕方がないのだけど。キスをしたら激しいピストン運動から有り余る液体を中に出すまで止まらないタイプだった。
もちろんそれは私に対しても同じだった。
『それは例の生命力を精液に変換する妖魔の手口』とナッツが口をはさんだ。多分それだろうと私も思う。
最初は肩に手を振れる程度だったのがいつのまにかフィニッシュまで敢行しておまけにアンコールの嵐ときた。しかも毎回シーツが出血で真っ赤に染まるという有様だった。
それに対して抵抗できなかったのは毎日のように睡眠中に打たされていたらしい注射された薬物とあの女が私に仕掛けた妙な洗脳と言っても良い程強力な暗示にあった。
それにしても理事長の行為は激しく、おそらくはまともな人間なら妊娠しても初期切迫流産で入院を余儀なくさせられるかそれが放置されればそれ以降は妊娠もできなくなるばかりか感染症で理事長にも伝染する可能性が出て来る、だから。
それから私は毎晩のように最低5〜6時間は理事長の相手をさせられる羽目となっていた。この人は仕事をしている時間があるのか?疑問に思った。
私がここに来てひと月経過した頃、あの女の胎の中にいた赤子が産声をあげたようだったがそれ以降、理事長は私の部屋をたびたびにしか訪れなくなった。
最初は父性に目覚め、毎日のように我が子をあやしに通っているかと思ったら甘かった。毎日のように出産したばかりのその女性に対して性行為を当たり前のように要求するクズ野郎だったらしい。
ある日彼女は私の部屋を訪れた。何をしにきたのかと思えば愚痴をこぼしに来たのだ。
『あんにゃろう、まだ私の産道がヒリヒリして痛いと言うのに毎晩求めて来るのよ、これもそれも全部あなたのせいよ!』
強い口調で言われても何が何だかわからない。
何故なら理事長は再び私の前に現れるようになっていたからだ。
もちろん私を抱きに、いいや、その立派なモノで貫きに来て何度も中に出していた。その頃から自分の体に変化が生じたのか出血でシーツが汚れるようなことは無くなっていた。
『あなたが彼を満足させられないから私を襲いに来るのよ!あいつはワザと主人を長期出張に出して泣き叫ぶ咲の前でなんど逝かされたか』
彼女は身近にあったワイングラスを私に投げつけるとそれは壁に当たり砕け散ってその破片が振り返ってしまっていた私の額とほほに命中し突き刺さった。決して少なくない量の出血が私の右目と首筋を伝う。
私はハンカチでそれをそっと拭きながら言った。
『奥さま、あなたはまた着床、いえ、ご懐妊されていますよ』
私には透視能力と言えるほどじゃないけど人の体内にあるモノを透かして見る能力はあった。
私のセリフを信じた様子はなかったが思い当たる節はあったのだろう。彼女は慌てて私の部屋を飛び出していった。
電気グループ内の専属病院の産婦人科医によると私の言った通りに彼女の胎の中の受精卵は既に着床を済ませて細胞分裂を始めているようだった。
そこで彼女はとんでもない事を言い始めた。
『そうよ、詩織、あんたを借り腹にしちゃえば良いのよ、もうあんな痛い思いをするのはたくさん、あなたが痛い思いをして産めばいいのよ、そうすれば理事長やプロジェクトリーダーのイケメンともやりたい放題、どうしてこんないいアイデアを思いつかなかったのかしら』
彼女はそう言うと私の耳元で魔法の呪文のような言葉を呟いた。
私の目の前が真っ暗になりさらに他人の声や物音さえ聞こえなくなっていた。もちろん体も指いっぽんでさえ動かせなくなっていた。
しばらくして私は白い壁の病室の大きめなベッドに手足をゆるく拘束された状態で寝かされていた。
そんな状態でも看護師らしき女性が代わる代わる私の身体を拭きにきたり着替えをさせて食事をさせに来た。
パンツは呆れた事に介護用の紙おむつだった。はたしてこれが高校3年生の女子に行って良い行動だろうか?
私は毎日ウコンで汚れた紙おむつを交換してくれる女性看護師を睨みつけていたが彼女たちに罪はない、なぜなら彼女たちもまた、あの女、咲ちゃんの母親に洗脳されていたからだ。
もうあの理事長や子供を産んでから着床しかけていた受精卵を私に押し付けてスッキリとしたあの女は2度と顔を見せなくなっていた。
きっと泣いている我が子を放置して毎日せっせと生殖行為に勤しんでいるのだろう。
ただしあの理事長だけは毎日のように私のベッドを訪れた。
お腹の中の子など御構い無しに何度も突きまくって中に出しまくっていた。いていることと(男児が欲しいと言っていた)やっていることが矛盾だらけな男だ。
もう部屋の電子時計に組み込まれたカレンダーが9月に入った頃だった。
『君の希望はなんだい』
私は自分自身に問いかけた。
次々と自分の両目から涙が溢れ出して止めることができなかった。騙された自分が甘かったといえばそれまでだったがもう私の人生はあのクソ理事長と外道女にめちゃくちゃにされたのも同然だ。
『私は会いたい友人がいるの、そのためにはもっと早く産まれなくちゃ』
そうお腹の中の胎芽が言ったような気がした。
私はその後、怪しげな能力をもった女と憎たらしい理事長と出会う事はなかった。
しかしある朝気がつくと私は自分の家の自分の部屋の布団で寝ていた。
『おはよう、ママ』
どこからともなくそんな声が聞こえた気がした。
『ちょっともっと早く起きてよ、新学期早々学校に遅れるよ!』
姉にきつく叱られた。
『無駄無駄、この子は幼稚園時代からずっと寝坊助だったんだから』と母。
よっぽど言い返そうかと思ったが事実なので何も言い返せない。
『それよりも詩織、最近お腹出てきていやしないか?クラスの男子とかパパ活でやっちゃって出来ちゃったのとちゃうか?俺はやだぞ、ちゃんと・・・』
父のセリフはそこで止められた。私が投げた学生鞄が彼の顔面にヒットしたからだ。それにしても親娘とはいえ言っていい冗談と悪い冗談がある。今回はもちろん後者だ。
しかし自分でも確かにお腹が膨らんできた気がする。
食べ過ぎでお腹に脂肪がついてしまったのかもしれない。
軽く、じゃない真剣で深くつまんでみた。
『痛い!痛いよママ』そんな声が聞こえた気がしたが多分気のせいだろう。
『行ってきます』
そう言って私はその日は普通に登校した。
しかし6月に入ったある日、私が登校すると学校中が大騒ぎになっていた。
『なんかあったの?』と私がクラスメイトに聞くとトンデモないデマが拡散されていた。
『やばいよな、詩織って上級生を誘惑して妊娠しちゃたってさ』なんてのは軽い方で。
『エンコーだって聞いたぜ、相手は早稻田大学の教授だって、この学校って毎年、十何人は受験しているよな、もう誰も入学出来ないかもな』
いや、そんなことしていないし、だけどそう否定しようにも私のお腹が見事に証明しちゃっている。
誰がどうみても食べ過ぎによる肥満が原因のお腹の出っ張りではないからだ。
『芸能人スカウトのおっさんを誘惑して逃げられたらしいな、まくら営業失敗だな』
流石に私もブチギレてそいつの顔面に学生鞄を投げつけていた。対痴漢防止用の5kgの鉄板が入った学生鞄を。
あ、ちなみに先日、父に投げた学生鞄にはそんなものは入っていなかったからね、たった2kgの軽い鉄板なのさ。
『朝から大変だね詩織』
背後から声をかけられて振り返ればそこには悪友、じゃない親友の幸恵が立っていた。
『結構大きくなったよね、今何ヶ月?』
そう聞かれて思わず『多分5ヶ月』と迂闊に答えてしまった私。
『で、相手は誰なの?』
いつもは控えめな幸恵らしくなく容赦無く切り込んできた。
『えーと、あの〇〇電気グループの理事長さん』
思わず言ってしまった私自身が驚いたが切り込んできた幸恵はもっと驚いているようだった。
いくら苦しみ紛れの出鱈目とはいえさすがにこれは信じないだろうなと思っていたら案外真剣な表情で警告しにきた。
『あそこ、後継者争いで結構ヤバいって聞いたよ?命狙われているかもね』
もちろんこの噂はあっという間に職員室や教育委員会にも伝わり大問題に発展した。
と言うのもここ最近私の周囲を〇〇電気グループの諜報部員が調べ回っているらしいとのことだ。
おまけに国家権力をバックに私の保険身体検査の内容が押収されたらしい。
そしてまさか6月に入って本当に〇〇電気グループの諜報部院が接触して来るとは思ってもいなかった。
しかしそこでは私の存在は空気だった。
お腹の大きな私はかられには見えず、スリムな体型の私が彼と彼女には見えていた様子だった。
そして話は冒頭の妊婦さんと話をしている場面に戻っていた。
彼女に着床していたもうすでに分裂を始めていた受精卵を私の腹に植え付けられて私は強制的に妊婦にさせられていた。
まさか高3で自分の意に反して妊娠させられるとは思ってもみなかった。
『君の希望はなんだい』
私は9月に入ったある日、自分自身に問いかけた。
次々と自分の両目から涙が溢れ出してとめることができなかった。
私はあの女の操り人形だった。現にこうして私はお腹の中で動き回り時々お腹をける、臨月が近づいているその子を感じることしかできなかった。
『私は会いたい友人がいるの、そのためにはもっと早く産まれなくちゃ』
そうお腹の中の胎芽が言ったような気がした。
でも今度は何も起こらなかった。
いや、正しくは二重に存在していた私のうちのスリムな体型の方はいつのまにか姿を消して、お腹がはち切れんばかりに膨らんでいる自分だけがこの部屋に残されていた。
再び奴、理事長は私のベッドを訪れようになっていた。
そして無言で私を何度も貫いて、何度も中に出しまくって満足したように去っていった。
どうやら奴には私の大きく膨らんだお腹が見えていない様子に感じられた。
私は毎日を泣いて暮らしていた。
『死にたい、こんな苦しい、辛い思いは嫌だ』
そう思う毎日だった。でも私の体は自分の意志ではほとんど動かすことが出来なかった。指先ひとつでさえ自分の意思では動かせなかった。おそらくあの女が仕掛けた呪いの呪文のせいだろう。そう思うとさらに悲しくなり涙がとまらなくなった。
9月半ばに入った頃、定期検査をしにきた医師たちが一様に驚きの表情を隠せないでいた。そりゃそうだ、なんせ私のお腹は受精卵を植え付けてからひとつきも過ぎていないにもかかわらずもう臨月に近いお腹になっていたからだ。
つまりこう言うことだろう、彼らが9月に入るまで接していた私は1周目の時間の流れの私でお腹は妊娠初期でほとんど膨らんでいなかった。でも9月を過ぎた時点で1周目の私の身体はこの世界から消えて別世界での時間線を過ごしてきた私の身体がこつぜんと姿をあらわしたのかもしれない。
そして今彼らの前にいるのは5ヶ月という私のお腹の中の赤ちゃんが育つには決して短くはない時間を余分に過ごしてきた私だった。
私の中の赤ちゃんはすでに7ヶ月目を過ぎてあと少しで8ヶ月目に入ろうとしていた。
しかもこの時のエコー検査で私のお腹の中の子は女の子であることが確定していた。
それを知った理事長は激怒して私の左頬を叩いた。
『ふん、おなごなどふたりも要らんわ、その母親ごと両足に鉄輪を巻き付けて千葉の海に沈めてしまえ、身体中のそこら中に傷をつけて出血させればサメの餌くらいにはなるだろう』
そういうと理事長はあの女に伝言のメモを渡した。
その女、咲ちゃんの母親だがそこにいた男たちひとりひとりに理事長が命じた事を即刻実行するように暗示をかける呪文を唱えた。
しかし誰もそれを実行しようとはしなかった。それどころかそれを阻止しようとするものまで現れた。
咲ちゃんの母親は『チッ!』と舌打ちをすると男のひとりに近寄りチャックを下ろして中のモノを引き出すとそれは大きく膨らみ固くなり始めていた。
『さあ、この女の股を開いてその立派なもので何度も突いて突きまくって破水させてやんな』
そう言ってベッドの上で仰向けになって寝かされている私の足元に彼を突き飛ばして私の上に四つん這いになるようにベッドの上にのぼらせた。
『それでは赤ちゃんが』
抵抗する男に咲ちゃん母親は言い放った。
『ガキの一匹や二匹死のうが関係ないんだよ、さっさと突きまくって精液を大量にぶち込んで破水させちまいな』
私は無理矢理生まされるのは嫌だったがこの子がみすみす殺されるのを痛みを堪えながら見るのはもっと嫌だった。
『チッ、腰抜けめ、じゃあお前がやれ』q
その男が使い物にならないと見るやいなや今度は別の男のズボンのベルトをにナイフを潜らせて一気に切断をするとトランクスパンツと一緒に引き摺り下ろし顕になったモノをしゃぶるとそれは異常なはど大きくなってそそり勃った。
『邪魔者は退きなさい』というとその女、認めたくはないけど咲ちゃんの母親は怯んでいる男を右から両手で左側に突き落とすとその下半身をイキリ勃たせた男をよつんばいにしてわたしのうえにねころがせた。
熱く硬いものが私のマンゴーに押し付けられてお腹が男の体重に押し潰させると思った瞬間にその男も『俺にはできねえ』と言い出した。その瞬間に私の左腕の肘裏にちくっと痛みが走り何か液体のようなモノを注入された気がした。おそらくは静脈注射だろうけど私は意識が遠のいていきながら微笑みかけるその顔は忘れないと心にちかっていた。
それは私の記憶とは少し異なっていた。
私の記憶ではなく、母親である詩織の記憶だった。私、詩織は薬物で意識を失っている間に全裸にされて両足首に重い鉄球を鎖のついたリングで繋がれていた。
身体中にナイフのようなもので切り刻まれた私の皮膚からは小量ではあったが血が滲み出していた。私はその状態で海に投げ込まれたのだろう。
何か大きな黒い生き物が近づいてくるのがわかった。
それはとても早い動きで近づいて来て私の右腕を食いちぎると一瞬で向きを変えて再び襲いかかってきた。
『なぜ私はこんな深海で息が出来るのだろうか?』
疑問に思う暇もなくそいつは私の左足を根本から食いちぎって離れてゆくとすぐに向きを変えて戻ってきた。まるでもてあそばれているような感じだ。
『サメだ、このままでは食べ尽くされちゃう』
この現状にまったくふさわしくない声が胎の中から響いた。
『行け!奴の腹の中に、奴に噛み砕かれる前に奴の中に飛び込んで奴のはらわたを引き裂いて食い尽くせ』
そんな物騒な考えが私の中に湧き上がった。
私は右足と左腕を全力で水をかき分けて一瞬にして奴の口の中に移動させて腹の中をずたずたに引き裂いていた。味なんて全然わからなかったけど気がついたら私は奴を完全に食べ尽くしていた。
『血の匂いに誘われてきたのかな?』
私はそう考えながら急いでその場を離れようとしていた。片腕と片足では思うほど進まない気がしていたが私は思うより早く砂浜で横たわり荒々しく息を乱していた。出血はまだ続いて心臓の鼓動に併せて手足の太い動脈から吹き出していたようだったが右手はひじから先が、左足はほぼ太ももから先がなくなっていた。
とてもじゃないけど立ち上がれる状態じゃない。
ほふく前進さえ無理な気がした。
でもどうして私はこうなってしまったのだろうか?なぜ、私は突然に海の中に沈められたのだろうか?
そうこう考えている間に世が開けたのか、まず一方の空から、そしてそれはやがて空全体に、さらに周りが明るくなり始めていた。
少し赤みを帯びた強く光る球体が空と水、いや、海の間から浮かび上がるとそれが放つ強い光が私を照らし上げた。
その時になってようやく私が捨てられた理由がおぼろげながら思い出されてきた。
私は大手電気系列のオーナー兼理事長の秘書助手としてアルバイトの受付に行ったはずだ。
それが薬物を飲まされた上に騙されて愛人契約を結ばれさせられてあの女、咲ちゃんの母親の卵子にエロ理事長の精子を受精させた受精卵を植え付けられて、その子が女の子だとわかった途端に海の中にポイされてサメの餌なんて笑うに笑えない。
どの道この出血量だとよく持って後数分だろう。
そう考えた時お腹の中から声が聞こえた。
『ママ、私を友達に合わせてくれる約束を忘れたの?」
まだ生まれてさえいないくせに生意気なガキだと正直思った。
『でも私これまでみたいだし』
私が弱々しくそう呟いた時に空の色が一瞬にして虹色に染まり私はすごい速さで月の裏側をすり抜けると小惑星帯を突き抜けてあの巨大な目ん玉を持った惑星に近づいていた。
『とりあえず手頃な星に降りるよ』
彼女はそういうと月よりもはるかに小さな衛星にゆっくりと降りた。
『私、こんな大きくて怖い柄の星観ながら死ぬのは嫌よ』
そう言った私の両腕には生まれてまもない赤ちゃんがわらっていた。
それを観ているだけで涙が次から次へと横に流れ出すのはなぜだろうか?
私の右腕だけでなく左足も完全とは言い切れないが完治していた。
『あなたは本当は誰?』
詩織は私に問いかけてきたがただ彼女の乳首まわりをを唇で強くはさんだり解放しながらながらから吹き出して来る母乳を飲むことに専念していた。
『私は誰?』
もう答えは出ている
自分が母だと信じていた詩織は本当の意味では母親ではなかった
でも何も知らなかった私に色々なことを教えてくれた。
目の前の巨大な惑星の正体や時々道案内をしてもらい土星なる輪っかをつけた星も行った。
そして私が生まれてから3ヶ月過ぎた頃私たちふたりは地球に戻る決心を固めていた。
行きよりは多少時間をかけたが私達が地球に帰ってきた時はすでにジングルベルの曲やサンタクロースの曲が流れていた気がする。
私、詩織はすぐに私に願いを心の中で呟いていた。ひとつはせっかく生まれていてくれて申し訳ないけど卒業して国外に逃亡するまでは姿を隠してくれないかということ。
そしてもうひとつは見た目を少しくらい不細工にしてでも顔を変えてほしいとの願いだった。
何故かと云うと一応私はその時に胎の中にいた沙芽と一緒に処分された事になってはいるがまだ私たちが生き残っている事を知られた場合再び命を狙われる危険性を考慮してのことだ。
私は聡さんとすぐに連絡を取って喫茶店で待ち合わせをする事にしていた。
目立たない服装で来て欲しいと言ったはずの私の話を全く聞いていなかったのか?聡はサンタクロースのコスプレをして来やがった。
「待たせたな、幸恵には一応、説明してて来たからラブホに行っても大丈夫だぞ」
どこが大丈夫なんじゃい『幸恵はアンタに身体をまかせても構わないってくらい深い恋愛感情を抱いているだよ』、と私は思ったがまあその誘いはせっかくなので乗らせてもらう事にした。巻き込まれたとはいえ自分としてはもう清らかな体とはいえないし、アリバイというか、実は幸恵のためにも既成事実を作っておく必要があった。
まずなるべくならあの巨大電気関連グループの理事長の中では私は千葉の海の底でサメの餌になっている事になっているし、私は自分が通っている高校ではどのような扱いになっているのか知りたかった。
私たちはお互いに偽装してラブホに入った。
そのラブホの中の様子とかやった行為に関する描写は今回はあんまり関係のない事なので省略をしておく。
ただ彼の身体の中に普通の人間じゃない何かを感じていた。
ただ、私と智のどちらかがこの世から消えたとしても後でこのラブホで密会していた事がわかるようなアクセサリーを身につけてエッチな行為にを励んでいる自撮り動画を撮影してそれをふたりのスマホで共有した。
「詩織」
年が明けて、その年の最初の月、1月が終わりに近づいたある日、普段通り生出しでの行為が終わってから声をかけられた。
「2月に入ったらこの国を立つんだよな、どうやってパスポートもなしで出国する気なんだ?」
きょうは両親も姉も家にはいないようだ車が2台共にないのが証拠とはいうには弱いかな?
私はいつものつもりで玄関の壁抜けをしてしまい、外で後を追いかけようとして玄関の開き戸に激突して顔面を赤くしている聡に気がつき中から玄関の鍵を開けて彼を玄関から招き入れた。
とはいえ私もこの地球に戻って来てからはこの家に入るのは初めてだ。もちろん家族も私の諸々の能力に関しては全く知らない、実は本当の家族ではないからだ。
この家の次女である詩織はあの大事件により命を落としている。それ以降私が彼女になりすまして家族として生きているというだけの事だ。
「まったく、普通の人間はそんなことなんて出来ないってことくらい自覚して欲しいものだな」
ぶつくさ言っている彼の視線を感じながら私は仏間を覗き込んだ。遺影はないようだ。
「な、いつもラブホで会っている時に言っているように詩織は6月の半ばごろから行方不明者扱いになっているんだ、死んだ事にはなっていない」
そう、本当の私はあの忌まわしい巨大地震によって発生した大津波により海に飲み込まれて行方不明になっていた。
なんとか岸に引き戻そうと努力はしたが彼女はもう息をしていなかった。
しかも胸に壊れてできた大きな裂けた柱をつきさしていた。
助かるはずがない。美人薄命とはよく言ったものだと思いながら夜の浜辺を歩いていたら大勢の人たちの取り囲まれていた。
どうやら私は彼女と間違えられたらしい。
『詩織』と泣き叫んで抱きついて来た中年の男女2人と若くて綺麗な女性に対して『人違い』とは言えず今日に至る。
それが本来の彼女が中学2年生だった頃の出来事だった。
階段を登り私の部屋のドアを開けると中は私が失踪する前、つまり例の理事長とあの女に拉致されるまでのそのままだった。
カーテンは閉まっていて、私と聡はいつも彼が一人暮らしをしているアパートで毎日のように行っている行為を始めていた。
カーテンを閉めて裸になったふたりは布団を敷いてその上でワザと生で激しく何度もやってもらった。彼も溜まっていたのかもしれないが私のおりものと混ざった彼の精液はシーツどころか敷布団奥深くまで染み込んでいた。それどころか私は感じ過ぎて大量に失禁してしまっていた。
念のためにその尿が染み込んだ紙に一筆書き込めた。
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私は親友の幸恵を裏切って聡さんを毎日のように誘惑してしまいました。でも今日で終わりにします、彼とは別れますさようなら
それから私はあなた達を本物の詩織さんになりすまして騙していました、彼女は既にあの津波で命を落としています。ごめんなさい。布団に染み込んだ聡さんと私の体液を調べれば私が本物の詩織さんでないことは証明できます。探さないでください。
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そしてそれに加えて私が高校に入ってからの私と彼ら家族しか知り得ない事実をいくつか書き込んでおいた。
本来なら聡は優しいし私に痛い思いをさせた事がない、聡ならきっと幸恵を幸せにしてくれるだろう。
「これで出来ちゃわないなんて本当におかしな奴だな詩織は、幸恵に対して背徳感はないのか?」
そうきかれたが私は自信を持って言える、そんなものは1ミリも感じていないと。もちろん幸恵が聡に強い恋愛感情を持っているのは知っている。でもこの世の中にたったのふたりだけなんだ、私が本当の詩織じゃないことを知ったのは幸恵ひとりだけだった。聡は彼女の伝聞で知っただけだ。能力に関しても同じだ。
「そうだね、でももしそれを感じているとしたらこの娘に関して聡に対する背徳感だけなんだ」
私はそう言うと今までの出来事を洗いざらい白状した。もちろん理事長の性奴隷にされて仮胎から時間を遡って4月から人生をやり直した結果の妊娠騒動。
そして千葉の海に沈められて、手足をもがれて死にかけたがお腹の中の子供に助けられて木星の衛星まですごい速さで跳び、そこでお腹の中の子供を産んで手や足が治り、そこで何も考えず赤子に母乳を与えているところまで。
私は彼が出したものが外に垂れ流れるのを拭き取りながら生理用パッドを仕込んだパンツを履いて服を着ると自分の机に向かって言った。
「もう出て来ていいよ、波瑠沙芽(はるさとみ)」
すると私たちの目の前に素っ裸の3歳くらいの女の子が現れた。もちろん役場には登録していないし私が勝手につけた名前だ。
「ちょっと待て、理解が追いつかん、いったいなんで生後2ヶ月の赤ちゃんがこんなにもでかいんだ」
「それで、さとみちゃんはさっきの私達のエッチは美味しくいただいてくれたかなぁ?」
私がいうとその娘は首を縦に振っていった。
「うん、とても甘くてほんのり苦い初恋の味がしたよ」
『て、何それ?スイーツを食べた感想みたいじゃない?』
だって実際そうだった。
『で話を続けるね』
「ちょ、待て、その娘は何者なんだ?」
私の布団の上で尻餅をついている彼に向かって私はこう言った。
「うん、彼女は淫魔、サッキュバス、私、淫魔を産んじゃた」
「そんな軽く言えるような事かよ、てか今までの俺たちがやっているところ覗き見していたのか?」
聡は怒ったように言ったがそれをなだめるのは私の仕事だ。
「でもすごく気持ちがよかったでしょ?私たちのエッチを円滑で気持ちがいい行為に導くのが彼女達、淫魔サッキュバス本来の役目なんだよ?」
私がそういうとサッキュバス、いや波瑠沙芽は憂えた表情になった。
「あの理事長、と言っても私もあいつの遺伝子を一部引き継いでいてもうひとりの火星人の女性クローンの娘もかなりヤバいやつだよ、あいつらを放っておくと世界中の原子炉が再稼働を始めて発電や兵器などで使われるようになる、そして事故が起きても大惨事、戦争になっても悲劇、何も起きなくても・・・・・」
彼女は、いや私、春雨は確かにそう言った記憶がある。
でも今までなぜ忘れていたんだろうか?
私の全身が突然に激しい痙攣を始めて周囲に凄まじいまでの放電現象を起こしていた。
そう、あの日、母がいた役場を自動小銃を持ち込んで襲撃して母親の詩織を惨殺したテロリスト武装集団、総人数で35人いたけど私がたったひとり取り逃した犯人がいた。それはあの女、遺伝子上は私の母親であり咲ちゃんの母親でもあるあの火星からやって来た女性クローンだった。彼女が真っ先に私の母、詩織に数えきれないほどの弾丸を撃ち込んだ張本人だった。
そしてその射線上に確実に私はいた。私自身も血まみれになって一度はその場に倒れ、死んでいたのだ。
それを生き返らせやがったお節介が目の前にいやがる。
『ナッツ!なぜ私を母と一緒に死なせてくれなかった⁈私はこの世界がどうなろうが知った事じゃない、詩織のいない世界なんて無意味なんだよ!』
私が放った電撃がはるか遠くにある頭上の木星を貫くと一瞬だけそこが核融合を起こしたがやがてすぐに収まっていった。
ハルサメとナッツ8 やっぱり巨大な眼球みたい!
9に続く
今回はあえて誤字脱字、矛盾点などを無視して投稿します。ご容赦ください。(キャラ達の声を重要視しました)