ハルサメとナッツ11 反地はで出いけ?

ハルサメとナッツ11 反地はで出いけ?

毎回とは限りませんが今作はエログロ描写や官能描写を多大に含みますので20才未満の閲覧はご遠慮してくださいね♪
なお現実と烈しく乖離している部分が多いですよ。

『春雨もだんだん宇宙航行に慣れてきたよな』
突然ナッツに言われててれている私こと、波瑠沙芽(はるさとみ)
私の属性は人類、いわば人間などではなく淫魔と呼ばれる、まあ最下層のエロスに特化した悪魔である。
世の中の人間たち男女のエッチな行為やすけべな夢想などから快楽や愛液、精液などの甘い果実を横取り、いや、少しずつ分けてもらいながら棲息しているというとても強欲な、じゃないつましい悪魔だ。
ちなみに私の人間形態での見た目は一応戸籍上は中学1年生12才でありながら身長140cm未満Bカップというお子ちゃま体質である。
肩にかかる程度の春雨のような透き通った白髪が特徴でこれも私のニックネーム『春雨』の由来になっている。

そんなこと言われても私には宇宙航空学の知識なんて皆無だし、推進力で言ったら咲の方が遥かに上だと思う。

彼女のフルネームは岡浜咲、私たちは咲と呼んでいる。
彼女のスペックは見た目身長160cmくらい体重不明なものの、やや細めな割に胸の発育は良くGカップ以上ウエストのくびれやマンゴーの完熟度もナッツに引けを取らず男を狂わせるタイプと言えよう。
肩にかかるくらいのきつめにウェイブがかかった茶髪が特徴で大きな目の大部分を占めてる眼球は純白な中に緑色の瞳が美しい。
地球を出発した時は当たり前だけど中学1年生の1学期初め頃で12才だったが既に地球時間で6ヶ月は過ぎているがので7月始め頃生まれの彼女はもう13才のはずだ。

『おいおい、春雨よバカ言っちゃいけない、まだ地球を出てからひと月くらいしか経っていないよ?誰かさんがガンガン光に近い速度で飛ばすからシールドがいつ破れるかどうかわからなくてヒヤヒヤものだったよ』
そう言って私と咲を強く抱きしめたのは私の悪友、じゃない親友のナッツこと夏野明美、彼女も咲ちゃんと同じく中学1年生だが誕生日が確か3月だった気がするので地球を旅立った時は12才だった気がする。
彼女に関してはスペック詐欺と言っても過言じゃないと思う。
黒髪のロングストレートヘアには違いがないのだが髪の色を変えられてその長さも胸元あたりから腰まで自由自在に変えられる。
顔はどこかおっとりとした母性を感じさせる某エリカ似だが身長はデフォルトで165cmであるものの実際には145175cmまで自在に変えられるらしい。戸籍上は12才の現時点では中学1年生ということになっているが脱ぐとやばいタイプで私はてっきりDカップ程度と予想していたが実際にはHカップ以上はあるらしくて、くびれたウエスト以上にピンク色に完熟したとても柔らかいマンゴーと12才とは思えない大人の色香ははそれを見た男どもを性欲のアリ地獄に引きずり込むだろう。
彼女のニックネーム、ナッツは彼女の口がナッツ類しか受け付けられないことにある、ピーナッツ、マカデミアナッツ、ジャイアントコーンなど、とにかくその手の食い物しか受け付けない。
彼女は7大欲求に関する悪魔らしいが私なんかよりもはるかに長いキャリアを持つ高等悪魔であるらしい。少なくとも一つの恒星系文明が生まれてから滅亡するまでを見とってきたらしい。

おっといけない、またしてもスター、じゃなかった、星紫亜さんの存在を忘れていたよ水星生まれの水星育ち、半導体生物が進化し過ぎちゃった末に中二病をこじらせてA級淫魔処刑執行人になったと言う実体を持たない化け物だ。
見た目は1516才くらいの発育の良い娘、結構な美少女と言いたいが赤い癖毛のたぬき顔、あう!

[こら、お主あたしをまるで〇〇の魔女のヒロインみたいな容姿みたいな言い方をしたであろう。]

木星の衛星レダを出発してから3日くらいしか経っていないと聞いた。

『あー、もう大気圏突入角度とか調整するのめんどいから90度で突っ込んでいい?』
ナッツは無責任に言うが大体、無責任過ぎやしないか?
『それにスピードを殺さないと途中で燃え尽きて死んじゃいます』
と咲、ほら見ろSFの『え』の字も知らなくてもそれくらいの知識は持ってはいるんだよ』
と私。
『君は何処に堕ちたい?』
とどっかで聞いたようなセリフを聞かされてついうっかり私も『新宿』と答えてしまってから後悔しても、もう遅い。
『じゃあノーブレーキのアクセル全開で行くねえ』
新宿周辺どころか関東地方全体が巨大な火球に飲み込まれてしまう様子を想像しながら私は意識を失っていた。

ここは何処だろう、もしかしたら病院のベッドかなあ。
白い部屋、心電図、とか血圧、心拍計なんかを兼ねたモニター、他には何もないや。
いや、テレビはあるぞ、リモコンもあるみたいだし、スイッチでも入れてみっか。
おー、映った映った。
なんか巨大なクレーターが映っているなぁ、しかもまだ中が燃えているところがあるっぽい。
「キャスター、上田さん、ヘリコプターで見た限りどんな状況ですか?」
「はい、あまりの熱量とそれによる乱気流のためにこれ以上近づけませんがまさに見ての通り巨大な穴がぽっかり穴が空いて、まさにまさに、蟻地獄がぽっかりあいて関東地方はどこにいってしまったんだろうって感じですね」
テレビに全裸の若い男女のキャスターが大きなガラスのテーブルの上で合体しながら腰を振って息を荒げながら突然にこっちを見て「現場からの中出しでした、もう一度言います昨夜東京都に隕石らしきものが落下、巨大な火球に包まれて天に昇ったと思われて火災は一晩中全てのものを燃やし尽くしたと思われます」
「いやぁん、石畑さん途中でやめちゃダメェ」
「さらに不可解な現象ですが東京都周辺の関東地方では突然ムラムラが止まらなくなった老若男女たちが突然、ところ構わず全裸になってセックスを始め出すと言う」
私はテレビを切って天井を見上げた。あーこれは私への罰なんだ。
東京都23区はほとんどクレーターに飲み込まれて拡散した妖魔と淫魔のエネルギーが周辺の人たちにムラムラエネルギーを拡散させて、でもえへ、えへ、美味しいなあ、もっともっとやちゃテェ。

「もう、こう言う人、迷惑なんですよね?わかります?突然にハチ公前に奇妙な直径3メートルほどのクレーターができたと思ったらその中心にセーラー服姿で出現して何故か突然に自分のスカート捲り上げて、なんでかは知りませんけどパンツ履いてなくってたぬき娘のぬいぐるみ抱きしめながらオナニー始めちゃって、新手のロリ酔っ払いですか?」
若い警察官のいかにも困惑した声が聞こえてきた。
「すみませーん、連れのものが迷惑をかけちゃったみたいで」
何故か同じセーラー服の学生さんが心配そうに駆け寄って来た。なんか見覚えがあるぞ。
確か夏野明美とか言う名前のストレートの髪の毛を胸まで伸ばした女の子、おや?彼女の影にもうひとり、全裸の女の子がいる、きつめにカールのかかった肩までの茶髪の緑がかった瞳の可愛い美少女。
「ぐへへ、ぐへへ」私は思わず変な笑いが止まらなくなっていた、こう言う現象をランナーズハイって言うのかなぁ。
私はそんなことを考えながら自分の完熟マンゴーに入れた指をさする行為を止めることができなくなっていた。
「おい、マジでやばい人だよこの人まだ小学生のくせして酒飲んで自慰行為に耽って、セーラー服のコスプレして、警察病院放り込んだ方が良くないですか?」
さっきのさっきの若い警官が困惑した声で言っているような気がした。大事なことだから2回言いました、ってか?
でもいいもん、私今とっても気持ちがいいし、ぐへへ。
「それに君たち、もう君たちのような若い学生さんたちが出歩いていい時間じゃないよ」
真面目に年配の警察官が心配を始めていた。
「しかし黒髪の女の子の影に隠れている茶髪の君、なんで全裸なの?説明して欲しいんだけど」
年配の警察官に言われた裸の娘は急に泣き出していた。
「ご、ごめんなさい、私、そのたぬきのぬいぐるみ抱いている女の子に・・・」
路面に突然、いや彼女たちの足元にだけ大量の雨が繰り出したぞ。
「私突然その人に服を脱がされて、ヒック、ヒック、強姦されちゃったんですぅ」
そう確かに言われた気がした、ちょっと待て、なんで私がか弱い女の子をレイプしなくちゃいけないんだ。
「わ、私はそんなことは決して、でも確かに彼女の豊満な胸をはぐはぐしてチュパチュパしたけど強姦なんて・・・したかも?」
どっかの国会議員みたいな言い訳を始めた私はすっかり錯乱状態に陥っていた。そして私の両手首には冷たい手錠がかけられていた。

「うわー」
私が跳ね起き上がったそこはどうやら病院のベッドの上だった。
で、なんでか知らないけど同じベッドの上、私の足元にはデザインは少し違うがセーラー服を着たポニテの女の子があぐらをかいて座っていた。
背は私よりも若干低めで小学生が無理してセーラー服を着ている感じだったが。妙に彼女の股の間にチラ見えするスカートの中が気になっていた。
「気になるか?」
彼女は笑いながら言うので私も思わず首を縦に振ってしまった。
「ジャーン」
彼女は自分のスカートの股間部分を持ち上げた。私と同じでパンツ履いていない、しかしその股間にあったのは完熟マンゴーではなく110万円以上はしそうな立派な松茸、じゃなかった〇〇ポが生えていた。
私が目をぱちくちしていると彼女はもうスカートを開いた股の間に落として、それは見えなくなっていた。
「お、もう一回見たいか?」
彼女は言うので思わず首を縦に振ってしまった。
「ジャーン」
彼女は再びスカートを持ち上げた。
しかしそこにあったのは先ほどの立派な松茸ではなくて私と同じ完熟マンゴーだった。
私は安心して思わず彼女の股間に自分の頭を押し付けてすりすりしてしまった。と同時に全身に激痛が走った。
「おいおい、無茶すんなや、そんなん性転換くらいあたいとおなじ淫魔なら朝メシ前だろうに」
彼女の言葉に私は『へ?』と答えてしまった。彼女も私と同じ淫魔なのか?
「あーそれにしてもあのクレーターどう責任取ろうか?東京都民1000万人の命を奪っておいて、淫魔の資格剥奪ものだよな、いやいや、それよりも12才の少女を強姦した罪の方が大罪か?」
私はすっかりパニックに陥っていた。
「何言ってるのあんた?」
呆れたって顔して突然にきかれたので私は今までの咲に出会ってから地球への無謀な垂直ノーブレーキ大気圏突入までの話をした。
「あはは、何なんだよそのパニック映画とAVみたいな設定はよ」
そのポニテ女は私を指差して大声で笑い出した。
「現実はあんたの今の姿だよ」
彼女にそう言われて改めて自分の姿を見て思わず叫んでしまった。
「何じゃこりゃぁ、包帯じゃないか!」
私の身体はほぼ全身包帯でぐるぐる巻きにされていた。
「突入時のあんたの体重はどれくらいあったかは知らないけど無意識にかけたブレーキで体重の大半をエネルギーに変換しちゃって、まあ現実の被害はあの格闘アニメの〇〇チャくらいだよ」
私はよくネットのSNSなどで自虐ネタで挙げられるあのアニメのイキった後の自爆画像を思い出していた。
「それに咲だっけ?その娘の服もあんたが電撃で燃やしちゃったんだろー、仕方がないよぉ〜」彼女はそう言ってからしばらく考え込んで私に言った。
「あ、心配するなあとのふたりはオメーが堕ちた後こっそり出て来て素っ裸の奴がとんでもないこと言い出したがな、でもなんでオメーはたぬき娘のぬいぐるみを抱きしめて大声で喘ぎながらながらオナニーしていたんだ?あの赤い癖毛の裸の娘っ子はオメーに強姦されたって言っていたし、もうひとりの黒髪ストレートはなんかふらふらして真っ青な顔していたし、もしかしてオメー、ふたりとも大気圏再突入の時にやっちまったか?」
ポニテの女は笑いながら言った。
「駐在所から『小学生の女児が女子高生をふたりレイプしたから身柄確保に来てくれ』って電話して来たときは『マジか?』って思ったよ」
「確か赤髪のフルネームは岡浜咲だったよね、だったらあたいとは無関係じゃないな」
そう言うと彼女は他人のベッドのナースコールボタンを勝手に押していた。
でも咲の髪の色が赤髪に見えるなんてこのポニテも色彩感覚がおかしくないか?と一瞬だけど思った。
「ナンスカー、野暮用なら切りますよー」
いかにも無愛想極まりない看護師の返事が来た。
「おっかぁがいたら例のふたりと一緒ににちょっとたぬき娘のぬいぐるみ抱いていた女の子の部屋に来てもらえるように伝えて」
「あー、万年中二病の亜希かぁ、また入院患者の病室でイケメン誘惑して精液を吸い取っていらっしゃるのですね、あいにくと院長は今留守なんで私が今すぐに連れて行きますよ」
待つこと30分くらい経っていた。この病院はよほど時間にルーズベルトなようだ。私はその間に目の前であぐらをかいて私の身体を覗き込んでいるポニテ痴女、じゃない淫魔に包帯越しに謎の見えない手で完熟マンゴーをイジられていた。
「アンタさぁ、自分がいくら淫魔だからって身体に負担かけすぎだよ」
そう言うと途端に私の完熟マンゴーからアナを通って胎から卵のできる部屋までのあたりまでがが急激に熱くなって私はももわず喘ぎ声を出してしまっていた。自分の息が荒々しくなって目が虚になってゆく。
「おまえ、春雨に何をした!」
怒鳴るナッツの姿がぼんやりと視界に入った。しかし心配してくれるのはありがたいがそんなに両腕で強く私を抱きしめないでくれ、全身の骨がまたボキボキ逝って折れまくってしまったよ。
「心外だねぇ、波瑠くんが複数の妖魔に火星の衛星軌道上で犯されまくった時の傷を修復をしただけだよ?」
そんな自覚は自分にはなかった。確かに2匹は口とそこで相手をした気ではいたけど。
「よかった」と咲、何故、君がそんなに涙ぐんでいるの?
「アンタさぁ、自分が栄養不足で自分の友人がどんな状態になっていたか気が付かなかったわけ?」
ポニテ淫魔はそう言いながらナッツを睨みつけていた。
「はい、夏野明美さん、まずはあなたはこれを摂取するべきです」
目の前に突然に現れたナース服を着た小学生生にもなっていないと思われる幼女がナッツに手渡したものは500gは入っていそうなミックスナッツの入った缶だった。
「実際に君が2匹の妖魔に手こずっている間にこの無鉄砲なクソガキ淫魔は無意識のうちに500匹の妖魔を相手にして戦っていたんだからね、しかも1匹ずつ」
しかし彼女はどうやってそれを知ったのだろうか?
「あれ?咲から聞いていないの?あたいそんときに咲の中にいて彼女と契約をしていた妖魔に宣戦布告したの、彼女も聞いていたはずなんだけど」
「あ、そうでした、実は妖魔が淫魔と違うところは男女の性行為によるさまざまな感情エネルギーだけでなくどんなエネルギーでも貪欲に吸収できると私を支配していた妖魔が自慢していました」
と今更思い出したかのように咲は言った。

「まあ自己紹介しとくとあたいの名は風間亜希、一応色々な事情があって淫魔はある年齢から成長できないことになっている、まああたいの場合は毎年容姿とか顔を変えて別人になりすましているから問題ないけど、春雨は淫魔ではあるけどその肉体が地球人じゃないからこれからどうなるのかわからないね、木星の衛星レダでの暴走があの程度で済んだのもあんたが仮胎として育った詩織の胎内環境があまりにも特殊だったといういのもあるんだけど、アンタは毎日のように少しずつ詩織の胎内で遺伝子情報が書き換えられていたんだけど特に決定的だったのがあんたの本当の父親である〇〇電気グループの理事長の精子があんたの母親を犯して受精させた時の受精卵に色々と問題があったんだ」
いや、突然にそんなことを言われても、と言うのが正直な感想だった。
「あんたらの頭ん中にあるように火星から宇宙船に乗って女性クローンに契約を結んだまま憑依してやって来た妖魔は65体、しかし事故などで本体である女性クローンを失い消失した妖魔が10体、だけど先々月に不幸な直下型の大地震による巨大な活断層のずれで起きた原子力発電所の事故によって、大量に発生した強力な放射線エネルギーで復活して防護服を着て救助に当たっていた男2人女3人の作業員に憑依して契約を結んだと思われるのがいるみたいなんだけど55体の内の約30体が既に国家権力者や電力会社、原子力規制委員会の男性と関係を持って67人の子供を産んでいる」
私は一見このあばずれ風の女でもまともに喋る時があるんだなと思いながら聞いていたので肝心な部分を聞き逃していた。
「そんなかにあんたら咲と今通っている中学の1年生にして生徒会長の座に着いた生徒会長真田虫くんだっけ?そしてあんた、春雨がいるわけだけど3人と超弩級と言っていいくらいの妖魔が取り憑いていた。いや正確には咲の中にいた奴はあんたらナッツと春雨、そして星紫亜が何とか消滅させたわけなんだけどそのとんでもないレベルの化け物になった奴があと2体、一つは真田忠広と春雨の中にいるけど何故か春雨の中のそいつは絶賛休眠中という」
そう言いながら亜希は髪の毛を引っかいたがそんなに乱暴にするとせっかくキレイにまとめたポニテが崩れるからと言おうとした私の頭がフリーズしていた。

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(妖魔)女性クローンーーーーーーーー地球人男性又は火星人男性
      l                                                         l
      l                                                         l   
    (咲、春雨)女子      男子(真田空間、今は生徒会長 
     (超妖魔)                                        (超妖魔)
(子宮が発達妊娠出産が可能)                 (精液と溶剤射出の分別が可能)
   l                                l                          l                          l
   l                                l                          l                          l
  相手は      超弩級妖魔爆誕      相手は
  関係なく     (肉体なしで        関係なく
 生まれた子は     存在しうる)      生まれた子は
(全て肉体なしで       +       (全て肉体なしで
  存在しうる)                 超妖魔憑きの                         存在しうる)
 超弩級妖魔爆誕     超人類       超弩級妖魔爆誕
    +                                                                                    +
  超妖魔憑の                 超妖魔憑の
   超人類                   超人類
 

※ただし、超弩級妖魔がフルスペックで生きていくためにはある程度の放射線量が必要、不足すれば少しずつではあるがやがては消滅、しかし放射性物質の多くが半減期が非常に長期にわたるためチェルノブイリ級の事故でも数千年はほぼフルスペックで生存活動可能、彼らは善とは限らずむしろ悪であることが多い。

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「多分こんな感じじゃねーのかって思っていたところに咲と初対面となったけど正直ビビったぜ、よくもまあ、あんたらあんな化け物を倒せたな」
ポニテの女はそう言って一瞬だけど微笑んでくれたと思ったら急にしかめっつらになった。
「おい、あたいには亜希って名前があんだよ、いつまでも『ポニテの女』呼ばわりするんじゃねぇ」
もしかして人が考えていることが読めるのだろうか?
「あんときはしばらく睨み合いが続いたんだけど急にあいつが折れやがってなんでだ?って思っていたらアレと、まあその家庭教師をしていた女と契約していた妖魔が意外と強かったと言うだけのことだったんだけどな」

「まず、その元家庭教師を呼ぼうか」
亜希はそう言ってまた他人のベッドのナースコールボタンを勝手に押した。
「また亜希さんですね、院長はまだ帰って来ていませんが」
そう返事が来たときは既にさっきの幼女ナースが入り口で睨みを効かせていた。さっきは気が付かなかったが少し内巻きの濃い栗色の髪を肩まで伸ばし、黒い大きな瞳の、意外と美少女じゃない、美幼女だった。
言われなくても連れて来ましたよ」
彼女の後ろにはふたりの少女が立っていた。ひとりは咲にとって懐かしい人物であったはずなのだが顔と名札の名前が一致しなかった。中身は咲にとっては、あの時には忌々しく思っていた家庭教師だった。
咲にとって彼女は自分と母の人生を狂わせたひとりだと自分に取り憑いていた妖魔に思わせられていた節があった。
彼女を家庭教師に選んだのは復讐心があったからかもしれない。
でも当時咲の中に棲みつき自在に操っていた妖魔はもういない。

「警戒しなくていいよ、もう咲の中にはあの恐ろしい妖魔は棲んでいない」
亜希のその一言に安心したのかその少女は前に出て来た。
「よろしく、波瑠真希です」
続いてもうひとり、銀髪の娘は「娘の波瑠花和です」とだけ言って引っ込んでしまった。
2人とも同じくらいの歳にしか見えないが「波瑠真希?」
彼女は確かにそう言った。しかし咲の記憶の中に残っていた父の浮気相手は確か「風間亜希だったはず」と思わず咲は口にしてしまっていた。
しかしその名前のままでは咲の母親の警戒心を掻き立てる不安があった。そして何よりも。
「あたいと同姓同名だったんだよね、だから名前を変更してもらう必要があったんだけど、咲が彼女をドラッグレイプに誘い込んだのも、〇〇電気グループの理事長に目をつけられてしまっていたのも私と同姓同名だったと言う不幸が重なってしまったことも関わっていたんだ」
亜希はそう言うと家庭教師を手招きすると幼女ナースの後ろからふたりの美少女が前に出て来てはっきりと姿を見せてくれた。
向かって左が金髪のポニーテール、かなり高い位置でしばっているにもかかわらず、しっぽのボリュームはいちばん太いところで肩幅くらいあって、長さは肩どころか胸よりも下まであった。多分解けば腰まで達する長さがあるかもしれない。
目も波の地球人よりは少し大きめで青い瞳が特徴的だ。もう1人は髪の毛が銀髪で緑がかった瞳の美少女だった。
「えーと、勘違いしてもらっちゃ困るんだけどさ、これが本来の彼女の姿なんだよ、彼女に取り憑いて契約を結んでいた妖魔が記憶していた、彼女の先祖、3000火星年ほど前に、つまり、火星の大気が荒廃を始めて、地上に原子力発電所が次々と建てられて放射能汚染が進み、地下深くにシェルターが次々と建設された頃、火星全体を巻き込む何度目かの世界大戦が勃発して核爆弾や粒子砲衛星からの攻撃によって火星の大地は荒れて、大気のほとんどは重力圏からも吹っ飛ばされて今の殆ど希薄な大気しか残っていない惑星になってしまったんだよ」
亜希はそう言いながら左手のひらを頭上にかざすと1枚の空中立体映像が浮かび上がった。広がる青い海それの上をすごい早さで飛び抜けると広大な未来都市、ではなく古風な街、さらに進んでゆくとしては近代的な街並みになり、やがては高度な立体感のある未来都市へと移って行った。
それは途中から工場が立ち並ぶプラントに変化して、荒れた大地を開拓する作業工事機器がでこぼこな大地を平らにならしていた。
さらに奥に進むと地球でいうシャベルやブルドーザー、のような機械が青々とした山の森を切り崩して、山を崩していたその先には我々のよく知る深緑の山々やその谷間を流れる川、その川が広くなるにつれて山もなだらかになりふたたび深い青い海に出た。
空をさまざまな鳥が飛び、それを眺めながら私たちはその青い海の中に飛び込んでいた。
キラキラと輝きながら泳ぐ魚たちの魚群、そして海底には珊瑚礁によく似たものやカニやタコ、いかによく似た生き物が見えたと思ったら風景は殺風景な今の火星探査船から送られてくる荒廃した地表によく似たそれに変わっていた。
しかしそれはよく見るとそれら探査船の映像とは決定的に異なりドロドロに溶けた金属や岩石に包まれた地表がかつての文明が核戦争でたどった末路を示していた。
妖魔が自分達の能力で探索船を操りそれらの映像やデーターを改ざんしていた。

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「彼ら一部の火星人は地下深くに建造していた8箇所ほどあった300火星年、酸素や水、食料などが確保できていたシェルターにいたため生き延びることができた、しかも幸運なことにある程度は自活できるように太陽光がなくても育つ食用の植物や地中深くでも生きられる食用出来る動物のDNAを持った単細胞をいくつか確保していた」
亜希が左手を下ろすとその立体映像は消えて、次に彼女は右手のひらを上に掲げた。
地下の施設の中の様子が映し出されている、SF映画などでよく見る宇宙船の中やシェルターの中のような風景だ。
長い通路、その中をふたりの男性が歩いてゆき行き止まりの壁に突き当たる。私たちはそんな彼らを後ろから見ていた。
右側の男が左手を前に差し出してその壁に触れるとその壁は消えた。その先は左右に巨大な透明ガラス状の筒が無数に並ぶ先が見えない程広くて長く天井も高い円筒状の部屋だった。
そのガラス状の筒の太さは両手を左右に伸ばした以上、高さは彼らの身長の2倍以上はあっただろうか?
その中は少し青みがかった液体で満たされていてその中をさまざまな生き物が浮いていた。
さっき海の中で見た生き物によく似たそれらや、私たちがよく知っている豚や子牛、山羊によく似た生き物などが数匹ずつ並んでいた。そしてしばらくさまざまな動物や植物を眺めている最中に女性の声がした。おそらくはこの視線の主の声だろう。
「ねえ、こんなにたくさんの食糧にできそうなクローン作成用の単細胞が取り出せそうな単体があるのにどれひとつとして使い物にならないの?」
彼女は前にふたりに問いかけた。
左の年老いた男が振り返って言った。
「ああ、どれもどこの単細胞を切り出して培養したとしてもまともに育たないんだ、戦争で起きた強力な放射線の影響かもしれないしそれ以外の別の理由かもしれない、ただこれらの単細胞は分裂を繰り返していく段階でその速度の暴走が止まらなくなってやがては自己崩壊をしてドロドロとした液体に変わってしまう、それだけの話だ」
そういうとその男は再び前を向いて歩き始めていた。やがて部屋の奥に近づくと左に人間の少年が、右に少女が裸で300対のチューブの中で浮いていた。
「まさか、これも食用なんて言う気じゃないでしょうね」
さげずみが感じられる女性の苦しげな声がした、
右側の男性が振り返って慌てて訂正をした。それほどは若くは見えなかったが肌裏の男性よりは若そうに見えた。
「いや、これはあくまでも種の保存用としてだから、食糧にする気なんてさらさらないよ」
「不愉快ですよ」
女背が言うと右側の男性はさらに続けた。
「もちろん生きているわけじゃない、死んでもいないが脳死しているか、もしくはどこかに障害を持っているかわからない状態さ、ただ、ここには男女300対、ここから行く聖地を中心として他の方角10方向合わせて3000対、他の8カ所あるシェルターを合わせると24000対の男女が培養液漬けになっている、いつでも単細胞クローンを造れるようにね」
「狂っている」
女性が苦々しく吐き捨てるように言うと左の年老いた男は無感情に返した。
「まあそう言われるのは想定内だったけどね、次に君に見せるものはそんな生やさしいものじゃない」
彼はそう言うと突き当たりの壁の左側の壁にはには横長の表示板が上についたテンキーのプッシュキーボードがつけられていた。
「ここ方は正直、僕たちは、特に君のような若くて綺麗な女性には見られたくない光景なんだけど気を悪くしないでくれ」
左側の年老いた男が喋りながらそのプッシュキーボードをゆっくりと確実に13桁の数字を入力すると改めて表示版に映された数字を再確認してEnterきーをおしこんだ。
「いつの時代もえげつない事を考える男がいてね」
若い男は左右にに開くシャッターというには重厚な分厚い壁を見ながら言った。
「君は30年前頃から若くて美しい美少女たちが忽然と拐(さら)われていた事件の話を知っているかい?」
その分厚い壁のさらに奥にはもっと重厚そうな壁が上下に開き始めていた。
145年にわたって何者かに攫(さら)われた少女たちの話ですか?でもあれは都市伝説で本当な話ではないと聞かされましたが」
女性が喋っている間にさらに奥の壁が左右に、今度の壁は最初の壁よりも少し右にずれていたが開き始めていた。
「あの事件は実際に起きていたんだよ、その頃政権を握っていた大物政治家と大富豪層によってね、それらは報道されることもなく親族ごと揉み消されることになったがね」と年老いた男は言った。
完全に分厚い壁三重によって構成された密室の向こうには数えきれないほどのコールドスリープマシンが寝かされていた。
その部屋は高さこそ彼らの身長の5倍程度だった。幅も奥行きもさっきとは比較にならない広さだった。
彼らの身長の2倍はゆうに超える長さと肩幅の4倍を超える幅を持ち、男たちの胸あたりまである大きさだった。一応中は見えるようにはなっていたが女性視線で最初に見たスリープマシンには若くてハンサムな男が入ってお腹の辺りで両手を組み合わせて眠っていた。横のパネルには何やら大量な文字が書き込まれていたようだけど、おそらくは中で眠っている人の個人情報だと思われる。
「いくつくらいスリープマシンが並べられているんですか?」
女性が聞くと左側の年老いた男はしばらく考え込んでから言った。
「こちらから前方向に300列、左右横方向に150列はあるかな?所々一定間隔を置いて透明な柱があるがそこからはしたから電力と冷媒気体上からは万が一の酸素が入り口シャッターが腹かれて閉じてから一定時間のみ供給されるようになっている、まあ一つのテロ対策だな」
そう言いながら前に進むとわずか10列目で中に入っている人間は若い男から二次性徴を迎えたばかりの頃と思われる少女ばかりとなった。
「昔から怪しげな宗教はいっぱいあった、その中には真剣に数十年後の世界大戦を予言した者もいた、しかし大半は欲にまみれた、いい加減な予言をした、それらの経典に従って造られたのがこの広大な高深度地下シェルターであり35000人を超える美少女コレクションというわけだ」
若い男が言うと怪訝そうに女性は吐き捨てるように言った。
「戻りましょう、ここにいるだけで生理的に気分が悪くなるから」
そういうと彼らは元来た経路を逆戻り始めていた。

その時彼らはそのコールドスリープさせた少女の身体から採取した単細胞をクローン作成に使うハメになるとは思ってもいなかった。
外の他の培養液に浸かっていたサンプルは全て使い物にならなかった。人類のものも含めた単細胞クローンは全て作成早々みんな途中でゲシュタルト崩壊を起こして培養液の中に溶け込んでしまっていた。もしかしたらDNAか転写するさいのRNAmRNAに問題が生じていたのかもしれない。
それとも中性子が人体や染色体に与える影響を過小評価していたのかもしれない。
それはかつての原子力発電所事故でその被害を過小評価してしまった名残りで今回の南九州での巨大地震による大事故で取り返しのつかない数千人を超える尊い命が奪われたのと良く似ていた。(春雨とナッツ23を参照してください)
エロ親父やお坊ちゃんたちが自分達のわがままで大金を叩いてシェルター内にさらに強い放射線を防ぐさらに頑強なシェルターで自分達好みの人権を無視したエロコレクションを守ろうとした。
それが皮肉にも吉と出ただけのことだ。

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そこで場面は変わり目の前にはベッドの上で女性が裸で横たわっていた。

「本当にいいのか?」と確認するかのような若い男性の声。
「それはこっちのセリフよ、私なんてしょっちゅう保湿クリームを塗っていないとすぐに皮膚が乾涸びてひび割れを起こしちゃう」
女性は深くため息をつくと目を閉じ覚悟を決めたかのように大きく息を吸い込んだ。
地上にいた友人はもちろん、それどころか各国の逝かれた軍拡主義政策によって大都市や核兵器基地を襲った粒子法衛星からの攻撃がそれらを灼き尽くした。
メガトンどころかギガトンクラスの核融合爆弾を弾頭につけたミサイルが大地を飛び交い元海だった窪地に作られていた核融合発電所が次々と攻撃の対象となって核融合炉を破壊して近海の海の海水を蒸発させていた。

元々が核融合炉を造り運用するにあたって大量の水か化石燃料などを必要とすることは分かりきっていた。
大体水素は純粋な形でこの星には存在し得なかった。木星などとは造り自体が違っている。化石燃料などから炭素と分離させて使うか水から酸素と電解させて取り出すか?
どちらにしても環境に良くないのは分かりきっていた。
後者は酸素を発生させて貴重な資源だった筈の海水中の水や真水を減らせて行き、前者は二酸化炭素ガスや硫化硫黄ガスを発生させて植物などを枯らせて動物にも影響を与えた。
酸性雨も半ば常識となり核融合はクリーンなエネルギーという嘘も放射線は別としても通じなくなった。
結局は水から水素を取り出す方法しか思いつかずにされらの星の水量は長期に渡り減って行き、海の含有塩濃度も濃くなって行き海中の生き物もほぼ死滅した。
しかしにも関わらずこの星の支配層や科学者、富裕層はその自滅に向かっている自分たちの方針を改めようとはしなかった。
そんな中ついに人々同士の責任のなすりつけあい、恨み合いが激化して、とうとう国家同士の争いも激化した。
そしてとうとう全面戦争に突入してしまった、というただそれだけのことだった。

「痛い!」
彼女は小さく叫んだそうならないように気をつけてゆっくりと挿れたつもりだったが彼女はまだ濡れていなかったことに気がついていなかった自分のミスだと男は考えたがそれは大きな過ちだった。
彼はまず部屋の湿度計を確認するべきだったかもしれない。
部屋の空気はかなり乾いていた。それによって彼女と彼の性器は強く削りあって、特に女性には耐えられない激痛に感じられていた。
この星の権力者はいまだに核融合エネルギーに対する執着を捨てきれずにいたシェルター内の植物はクローンさえ育たずに枯れる一方だった、もしも各国、いや星の住民全体が植物を最初からもっと大事にしていれば事態は変わっていたかもしれない。
しかしこの星の住人は山を切り開き樹木を伐採して貴重な資源、酸素と水の発生源、そして二酸化炭素を削減する植物を蔑(ないがし)ろにしてきた。
色々試行錯誤の結果、ふたりは通常のセックスによる子作りをあきらめざるを得なくなっていた。人工受精と人工培養器それらが彼らが行き着いた最終的な結論だったのかもしれない。

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「ちょっと待て、それでは歴史が変わってしまう、水不足で人間自体が干からびてしまうのではないのか?」
ナッツが口をさんだ。

「まあ落ち着けや、あっちの人間だってそんなにも馬鹿じゃないだろうよ」
亜希はニヤリと笑ってから続けた。

「水の代替え品を作ったのよ、核融合で生じたヘリウムにちょいと加工をしてね」
亜希が言うとその後を波瑠真希が続けた。
「加工というと語弊があるのですが要するに人工的に水素に戻してしまうわけなんですが副産物も色々ありまして」
そこまでいうと黙り込んでしまっていた。
「要するに妖魔と契約をしてあり得ない核融合に近い状態を特殊な炉の中で起こして得たエネルギーを妖魔が吸い取って水素に戻してもらうわけなんだけどさ、単純にヘリウムから電子をいっこ奪うと水素になるって言われているけど人間如きには不可能なことでも妖魔が絡むと難なくやってのけちゃうって事なんだよ」
亜希はわかったように言っているが本当にわかっていっているのか?、わけないよな。
「ただそれでも核融合炉は事故を起こさないとか核融合炉から発生する放射線は安全であるとする向きはまだ根強く残っていましたがそれはすぐに嘘だとバレました」
真希はそう言うと亜希に耳打ちをした。
亜希は今度は左手を上げるとスクリーンを出現させて水星を映し出した。
「第二惑星はもう人の住める状態でなかったのはわかっていたので第一惑星に目をつけました、恒星というものがどんなものか知るきっかけにもなるだろうとのことで何回か無人機を飛ばしてみましたが、恒星の重力場が意外と強すぎて何度か水星に近づくこともままならず、何機か犠牲にした挙句ここでいうスイングバイという航法を見つけて着陸までこぎつけましたが、いざ友人機を飛ばしてみたら大事故になりました」
「速い話が蒸し焼き状態になったということでしょ?あたしが看取った星系でもそんなこともわからないやつが核融合炉を推進して結局暴走が止まらなくなって、大惨事を招いたよ、恒星みたいに上手く安定して炉が破裂させないとでも思っていたんだろうね、実際には恒星は凄まじく巨大な重力場が力づくで抑え込んでいるのがあいつらには理解できなかったんだよ、巨大な重力場で作った炉じゃないととてもじゃないけど維持出来ないし、それが壊れたらもう水爆と変わらんって、それさえもわからなかったんだ、あたしは何度も警告したけどまったく理解してもらえなかったよ、自分達が神に等しい知能と技術を持ったと錯覚した知性体ほど厄介なものはないよ、ミカエルのやつがいった通りあたしの無能さを痛感したね」
ナッツが自嘲気味に言った。

「その重力場の代わりをしていたのが妖魔だったということですか?」
突然、咲が口を挟んだ、もしかしたら咲の中の詩織だったかもしれないが
「私も中性子は炉で吸収されて安心だという説には反対です、百歩譲って中性子は炉を加熱させないとしても核融合自体は巨大な熱量を発生させます、その熱は確実に炉を加熱させて熱膨張で破裂する可能性は恒星と同列に語れるレベルじゃないはずです」
それを聞いて真希はちょっとだけ残念な表情をした。
「みなさん結構鋭い事を言っていますが少し残念です」
そう言って続けた。
「炉自体の大きさを可変できるようにしたんです、炉の内部構造自体を二重三重にすることによりあえて内部で逃げ道を作って暴走状態になりそうな時にそちらに逃すことでなんとかコントロールすることに成功したんです」
亜希はそれに納得した顔をした。
「なるほど地下にある女性シェルターを襲いパニック状態にすることによってあえてその機能を破壊させることによって暴走しやすくした、そして自分達の妖魔エネルギーを炉内に大量に注入して炉を破壊したと」

「でもよーよく考えたら今のこの地球に核融合炉なんて呼べるレベルのものはほとんどないじゃん」
亜希は背伸びをしてそう言った。でも果たしてそうだろうか?ふと疑問が頭を横切った。
「確かに核融合炉はまだ実験段階とさえ言えないものしかないよ?でもぶっ壊してしまう前提の核融合炉ならこの星にはうんざりするほどあるんじゃないかな?」と私。
その場にいた全員が顔を見合わせた。
そしてナッツが呟いた。
「水素爆弾か」
確かにそれを全部爆破させればこの地球も火星のような環境にして超弩級妖魔が住みやすい環境に変えることも可能かもしれない。
しかしまだ私の中には釈然としない思いが残っていた。
まだ『水爆より原子力発電所事故の方が効率良くないか?』という疑問だ。

ハルサメとナッツ11 反地はで出いけ?

12に続く

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