【ブラームスはお好き】パリのアラフォー美魔女の決断とは?
あなたがアラフォー美魔女ならどっちを選びますか?
メインの登場人物3人のスペック
(パリ在住)
これ確かに困りますよね。普通ならイケメン一択かなと思うけれど、39-25=14才も年下かい…!!
シモンがイケメンすぎることも、かえって引け目に感じてしまう中年女ポール。わかるわ…。
どんなに美しい女性でも歳を取る。シモンと接する時には鏡を見たり化粧を直したりするポール。事後にも明るいところで体を見られたくないポール。うんわかるなぁー…。
彼女はロジェに対しては非常に物分かりよく、自立した女性らしく振るまうのだが、本当は「浮気などせず一緒に夜を過ごしてほしい」と口に出せずにとことん我慢する。我慢しすぎじゃないのかなぁ。本当にこんな浮気男がどうして好きなの?ロジェの良さがわからなすぎてしんどい。
対して25才イケメンのシモンはピュアで押せ押せ。その情熱的なアタックはまさに「若者のやり方」なわけで、ポールも戸惑うというかドン引くというか嬉しいというか…寂しさも相まって「必要とされるのってうれしいことね」って受け入れてしまう。そりゃ受け入れるでしょ。ありがたいことだし。
私が結局「自分なら」と仮定して選んだ答えは「どっちも選ばない」「他にいい人探す」です。
ポールは大切なぬいぐるみや思い出の詰まったアクセサリーは大切にしたいタイプの人間なんだと思った。
たとえボロボロになっていても、今や価値がないものでも、自分に馴染んだものやフィット感に価値を置く人。
高価なシャネルのネックレスは素敵だけれど、果たして自分に似合うのか?似合い続けるのか。私でもそれは考えちゃうと思う。
結末を読んで、ポールが幸せになれるのかやっぱり心配だった。幸せになってほしい。だからこそ新しくてももっとフィットする誰かが代わりに見つかるといいなと思った。
最後にフランソワーズ・サガンの文章力には舌を巻いた。パリの秋冬のグレーに寂れた雰囲気が、人生の中盤以降に差しかかった中年の恋人たちの心情とリンクして、気怠く物憂く諦念のような悲しさを覚える。
またそこにシモンの闊達でカラフルな差し色が入って本当に美しい文章です。