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毒親育ちのいらない秀でた能力それは「身近な人の機嫌が瞬時に判断出来ること」に尽きる話

タイトルの通りです。

私の父は外に女がいて好き放題やってるくせに、
とにかく機嫌によって怒鳴り散らしたり、
叩いたり、物を投げつけたりするし、
機嫌がいい時はつまらないギャグを言ったりしていた。
合わせて笑わなかったりするとまた
機嫌が悪くなるので、自分のコンディションは置いておいて帰ってくる
父のご機嫌取りに
神経を集中させなければならなかった。
団欒なんてほど遠い、ピリピリ張り詰めていて
ただただ苦痛の憂鬱タイムだ。

スマホなんてないから、何時に帰ってくるか
なんてわからないのに、
「なんで飯が出来てねーんだ、オレが帰る時には
温かい状態にしておけ」と
怒鳴っていた。

母はエホバの証人なので、集会がある日に
父が先に帰って来たらもう地獄だ。
家に電気が点いていたら、戦いの合図で
家に入る前に死んでしまいたかった。

それに、母の作る料理にはイチイチ文句を
言っていた。
「おまえ、これはどうやって味付けした?
なんで、お前はオレの言った通りの味付けにしないんだ。いつまで経っても人が食える味にならねーな」のように一歩も動かないくせに、
稼ぎも悪いくせに不機嫌を撒き散らしていた。

そんな父を軽蔑しながらも、子供だったので
怒鳴られないように平和に過ごせるように、
動くのだ。

私はとりあえず、おどけてみたり
(おどけたら、おどけたでうるせーとキレられたこともあり)父の必要な物は言わなくても渡して、
イライラさせないようにしたり、
欲しい言葉を言えるように父の動きを観察していた。

その特殊訓練のおかげか、身につけた技
それが「人の機嫌を瞬時に察知出来ること」
である。

父が車で帰って来て駐車場に停めて歩いて玄関まで歩いてくるその音で、その日の機嫌がわかるようになった。

すれ違う人の機嫌はわからないけど、
夫や子供、職場の人の機嫌は顔を見てわかる。
夫は仕事から帰って来た顔でわかる。

『わっ  だるっ 
めっちゃ機嫌悪いじゃん』と声には出さないけど、
すぐにわかる。

夫も機嫌を出していた。
そりゃ、一日外で闘っているんだから、
家に帰って家族の前でニコニコする必要もないと
思う。でもそれでも一時期猛烈に機嫌が悪く、
口はへの字になり、不平不満ばかり口にしていた時期があった。私はその負のオーラをもらってしまうし、子供の時を思い出して気持ちが重くなり、
夫が帰ってくる時間が苦痛になってしまった。

私にだっていろいろある。それでも
機嫌良く過ごせるように、自分の波を穏やかにする
努力をしながら生活しているのに、
全てをぶち壊す夫が嫌だった。

「ただいまー」の声でわかってしまうのが辛かった。夫だけじゃなく、人間関係が上手じゃない
息子も娘も家に入った瞬間『オフ』になり
不機嫌をさらけ出す。
それを吸収してしまいそうで、
帰って来て欲しくなかった。

ある時、
私は不機嫌を察知してしまうこと。
負のエネルギーをもらってしまうこと。
私は自分の気持ちに波を立てないように
努力していること。
自分達は人の機嫌なんて気にしないのかもしれないけど、そういう人もいること。
家は安らげる場所にしたいから、我慢して来たけど
ここは私の家でもあること。
を、家族に話してみた。

その日から夫は機嫌をむき出しにはせず、
笑いに変えながら愚痴るようになったし、
子供達も自分の部屋で少し気持ちを落ち着かせられるようになった。
早く話せば良かった。

職場でも、小さな会社なので経営者と一緒に仕事をする。同じことを聞いても日替わりで答えが違うので、面倒臭い。あんまり毎日違うと、
機嫌だけでなく頭も悪いのかな?と疑ってしまう。
機嫌が悪い日は帰って欲しいくらい、
負のオーラとタバコの残り香を撒き散らしている。

『自分の気持ちもコントロール出来ない、
嫌な歳の取り方をしてますね』とも言えず、
「今日機嫌悪いよね?」とパート仲間に話すと
たいてい「そう?」と気づいてもない答えが帰って来てビックリする。
その直後に他のパートさんに怒鳴っている姿を見て
やっぱり機嫌悪かったんだなと、
誰にも気づかれないし、全く役に立っていない
秀でた能力を発揮したことに
ニンマリしてしまうのでした。

今日も最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

















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