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#短編小説
[ことわざ新解釈/ショートショート]後日談
隣町の女が玉の輿に乗ったらしい。
たまたまガラスの靴のサイズが合ったくらいで、男前の王子様から求婚され、あれよあれよと王子妃になったそうだ。
どうも出自不明の女らしく、それまで屋根裏部屋に住まわされ、家の手伝いなどを押し付けられても反抗もせずに従っていたともっぱらの噂だ。
どうせその薄幸な部分をアピールして結婚にまで持ち込んだ、あざとい女なのだろう。
それにしても、ガラスの靴か。
確かに、薄幸
[ことわざ新解釈/ショートショート]強盗
なんでこんな日に限って。いや、これが今日起きたのは必然だったのかもしれない。私は今、警察に囲まれている。
月末の会社の支払いで銀行に来たまでは良かった。毎月の事ながら混雑している銀行のベンチで順番を待っていた時に、突然銀行強盗が押し入ってきた。拳銃を持った強盗が私のこめかみに拳銃を突きつけ、駆けつけた警察たちが銀行を囲んだのは、つい5分前だ。威嚇の発砲でガラスが割れたから拳銃は本物だ。これまでの