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権力闘争の裏に垣間見える純愛物語

今回は大河ドラマ「光る君へ」についてです。

歴史好きを自称する人たちは、SNS上にもたくさんおられますが、そのほとんどが戦国と幕末に集中しておりまして、残念ながら藤原道長に代表される王朝時代(平安時代)はとても不人気なんです。

ですが、わたしは、この時代が大好きなんです♥

中学高校の頃にどハマリしまして、図書館で関連書籍に読みふけった記憶があります。

「栄花物語」「御堂関白記」「蜻蛉日記」「土左(佐)日記」「紫式部日記」「和泉式部日記」「讃岐典侍さぬきのすけ日記」「とりかへばや物語」「狭衣物語」「大和物語」「よわの目覚」「更級日記」「浜松中納言日記」などなど。

少しばかり難しくはなりますが、「和漢朗詠集」「本朝文粋」「俊頼髄脳」などなど。

もちろん「源氏物語」や「枕草子」も大好きです💕

SNSでよく、スイーツの画像をUPしている人がいて、「美味しそう」「食べたい」などといった感想を送る人たちがいらっしゃいますが、私からすれば、そんな感じです。

作品名を列挙しただけでも、思わずツバが出そうになります。

あ〜時間を忘れて、読みふけりたい。王朝時代の文体に触れたい。

誰かこの気持ちを共有してもらえないかなぁ。


ちょっと前置きが長くなりましたが、7/21放送の回でついに高畑充希さん演じる藤原定子がお亡くなりになります。ドラマでは描かれませんでしたが、3番目のお子さんを出産した直後にわずか25歳の若さだったとされます。

詳しくは「栄花物語 巻七」に描かれています。

ちなみに藤原道長の長女・藤原彰子が87歳で亡くなったのとは対処的ですね。

吉高由里子さん演じる紫式部は、藤原彰子に仕えることによって世に出ることになりますので、今後の放送以降活躍することになります。

一方、ファーストサマーウイカさん演じる清少納言は、郊外のあばら家で余生を過ごしたらしいです。

二大女流作家ではありますが、あまりにも対処的な人生です。


仕切り直し。中々本題に進ません。

私が今回書きたいのは、塩野瑛久さん演じる一条天皇と中宮定子のラブストーリーなんです。

もともとは、定子の父親である藤原道隆の全盛期に輿入れするのですが、道隆の死後、長徳の変と呼ばれる事件が勃発し、道隆の子で定子の兄弟に当たる伊周これちか・隆家が流罪処分になります。

当然バックボーンを失った定子も失脚する流れにならないとおかしいですよね。

髪を切って、出家したというていを取って内裏から出ていくわけですが、なんと、一条天皇は、彼女のあとを追い、強引に宮中に呼び戻します。

権力闘争の場でもある内裏において、ここまで個人的な感情をむき出しにしたみかどは、他には存在しません。政治上の野心で行動した帝《みかど》は何人かいますが。

藤原道長が、長女彰子をはじめとして、何人も入内させながらも、ただ1人の女性を愛し抜いた物語がそこにあります。

夜もすがら契りしことを忘れずは恋ひむ涙の色ぞゆかしき

後撰和歌集 一条院皇后(藤原定子) 
 

彼女の辞世の句として後世に伝わっている和歌です。

ふたりが結ばれていた時間に、お約束したことをお忘れになってはないでしょうね。

そんな貴方は、私がこの世の人でなくなっても、きっと泣いてくれるでしょう。

悲しい時に流すといわれる血色の涙を見たいものです。

といった感じで現代語訳してみました。


二人の物語は、「栄花物語」に詳しいです。
ご興味のある方はぜひご一読ください😀

王朝文学には、ロマンがあります。日本人がまだ、生き生きとしていた頃です。

その後数百年にわたり内乱が勃発し、徳川の世に泰平の世を迎えるも、儒教道徳でがんじがらめにされて、およそ人間らしい感情は長らく否定されてきました。

そういった意味でも、王朝文学を再評価する意義があるというものです。

それではまた次回お会いしましょう😄

なお、娯楽ないみさんの画像をお借りしました。
ありがとうございます✨

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