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愛する人を失うということ〜復縁を望むひとりの女性

世の中には、大きく分けて二つのタイプがあると思います。一つ目のグループは、恋愛を冒険できる人。もう一つは、恋愛に億劫な人。男女を問わず、両方のタイプがいます。


1.出会いと別れ

よく、世俗的な小説なんかでは、「男の恋はコレクション、女の恋は上書き保存」なんて言い方がされます。

果たしてそうでしょうか?

少なくとも、私が出会ってきた人たちには、この法則はまったく適合しませんでした。

出会いがあれば、別れもある。それが恋愛の常というもの。言葉にするのは簡単だけど、別れを体験した人にとって、言葉だけで慰めるにはとてもじゃないけど、限界があります。

中には、元カレとの復縁を強く望んでいる女性もいます。

復縁はかなり難しいよ。新しい出会いを探した方がいいって。

たいていの人は、このような言葉で慰めようとするのです。でもね、一度好きになった人を忘れるのはホントにツライことなんです。

だったら別れなきゃいいじゃない!なんてお声も聞こえそうですが、男女の別れって、ちょっとしたボタンのかけ違いなんですよ。ほとんどの場合。ちょっとした行き違いでプッツリと糸がほどけることだってあるんです。

2.占いの世界

私は10代の頃からカード占いにハマってました。
文学好きな方はご存じかと思いますが、高校生の頃に澁澤龍彦の世界にどっぷり浸かり込んでいました。

澁澤の著書を手がかりに、黒魔術や錬金術、西洋近代魔術あるいはシュタイナーをはじめとする神秘学の世界に足を踏み込みました。

そのせいか、気がつけば、タロットやオラクル、ルノルマンカードなどを日常生活の中に取り込んでいました。

私はプロの占い師さんじゃないので、あまり、ほかの人を占うことはありません。

でも、占いが趣味です、なんて話をすると必ず「今度占って〜」なんて人が現れるんですよね。

ほとんどの人には、話を濁してるんですが、どうしてもって人には占ってあげることもあります。

3.とある女性の苦悩

あれは、もう10年くらい前になるのですが、仮にA子さんとしますが、職場の同僚であるA子さんを占う機会がありました。

A子さんには10年間交際していた男性がいました。

結婚を前提としていたらしいのですが、ある日突然お相手さんから別れを告げられます。

A子さんと二人でお酒の席を楽しんでいた時のこと。

ふとした拍子に「私カレに振られちゃったの」なんて告白が出てきました。いろいろと話を聞いているうちに、彼女の瞳から大粒の涙が。

これはちょっとヤバいことになったな、と思った私は、カードリーディングで彼女の気持ちを楽にすることができるかも、という考えをよぎらせました。

スタンディングバーから、馴染のスナックに場を移した私たちは、早速テーブル席に着座しました。

ちなみにわたしは、お守りがてら常にバックに何らかのカードを携帯しています。

彼女の気持ちを探りながら、1枚1枚カードをテーブルに並べていきます。え〜っと、まず、カレの本心から。法皇の逆位置。私はこれを自信の喪失と読みました。次に彼女の本心と。ワァオ!恋人の正位置。未練タラタラじゃん!それから時系列。過去・現在・未来。その一つ一つを彼女に伝えていきます。

時間にして10分くらいカードを繰ったでしょうか。
彼女の瞳から再び大粒の涙が。ありがとう、ありがとう。両手で顔を覆いながら、私に感謝の意を伝える彼女。

恋愛はホントにツライよね。でも、恋愛こそが私たちを幸せにしてくれるの。ちょっとしたボタンのかけ違いだから。心配しなくていいよ。大丈夫!貴女はきっと幸せになれるよ!

彼女にそう声がけしたことを覚えています。

それからしばらくして退職した彼女。よっぽど愛する人に去られたことがツラかったのかな。

それから1年くらいして彼女から連絡がありました。
元カレと復縁して、今度結婚しますとのこと。

私は思わずゾワッとしました。たしかに復縁する可能性が高いとの答えをカードが出してきたんですが。しかも別れた原因が、彼女と結婚しても幸せにすることができないんじゃないかとカレが自信をなくしていたんだとか。

未来を予知するということの恐ろしさ。私はただ彼女を慰めるのが目的だったんです。まさかこんな結末が来ようとは。

4.タロットカードには悪魔デビルがひそんでいる

それ以来、私はほかの人を占うのをやめました。
なぜかって、タロットカードは、良い結果も悪い結果も両方出してくるからです。

必ずしもタロットカードは私たちに幸運を導くわけではありません。時に不幸を予知することもあります。

タロットカードには悪魔デビルのカードが含まれています。死神デスのカードも含まれています。さらにはタワーのカードもあるのです。

タロットカードは諸刃の剣なのです。タロットを始めたいって人もいますが、この辺の事情は加味したほうがいいでしょう。

ただ最近は、アゲアゲ鑑定といって、出たカードをすべていい方向に解釈する傾向が強くなってきてますので、そこまで気にしなくてもいいとは思います。

5.愛する人を失うということ

話がずれてきましたので、本題に戻します。

お酒とコイバナは非常に相性がいいものです。時にはベッド事情にまで話がヒートアップすることもあります😆

しかし、その逆に失恋の話になることもあります。新しい出会いを求める方がはるかに楽なんですが、A子さんのように復縁を望む方もいます。彼女の場合は復縁に成功しましたが、うまくいかない事例の方が多いことでしょう。

復縁を望む方の多くは、恋愛に奥手な感じを受けます。新しい恋に臆病になるんですね。でも、一度途切れた関係を修復するのはまず難しいと考えるべきです。

それでもなお、その人にこだわり続けることもあるでしょう。その場合は、心の奥底で復縁を強く願い続けることです。奇跡が起きるのが恋愛なのです。

占いの中でも特に人気が強いのが、復縁リーディングです。もし奇跡を望むのならば、自分自身で占いをするのもいいかもしれませんね。


スタンディングバーでカクテルグラスを傾けながら、昔の思い出に浸っちゃいました😄


嘆きつつ ひとり寝る夜の明くるまは
いかに久しきものとかは知る

右大将道綱母『拾遺和歌集恋四』

現代語訳
あなたに会えないことを嘆きつつ、一人で寝る夜の夜明けがどれだけ長いことか。あなたはご存じでしょうか。いやご存じじゃないでしょうね。




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