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国総教養区分一次試験の対策について
はじめに
教養区分の受験を決めた7月頃、私はある壁にぶつかった。それは…
情報が少ない!!
専門の参考書はないし、学部が学部なので教養区分を受験した先輩もいなかった。しかし、このnoteには受験した人たちの体験談が載っており、非常に助かった。noteのおかげで合格したと言っても過言ではない(かもしれない)。その恩返し(?)として、ここに私の勉強方法や実態を記していきたい。来年度以降の受験者にとって少しでも参考になれば幸いである。
開示結果
私は2024年度に受験した。結果は以下の通り。
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一次試験の基礎能力Ⅰ部は非常に苦戦したが、Ⅱ部で巻き返すことができた。また、総合論文試験が割とよかった。二次試験の企画提案試験・政策課題討議試験・人物試験は人並みである。というか二次試験はそこまで差がつかないと思う。基本的には一次試験の対策さえすればよく、二次試験の対策は一次試験の合格後に行えばよいと思われる。
受験の利点
官僚を少しでも視野に入れている場合、秋試験(教養区分)を受けるべきだと思っています。利点としては主に3つ、
①19歳から受験可能、合格すれば6年半有効
②秋に実施されるため民間就活と重なりにくい
③専門科目がない→対策する科目が減る
があげられると思います。
以前までメジャーであった春試験では、教養科目に加えて法律や経済、政治国際などの専門科目を勉強する必要がありますが、秋試験は教養科目のみで済みます。このため、最近では教養区分からの採用者が多数を占めるようになってきました。
とはいえ、東大生や京大生でもない限り相当な時間勉強する必要があります。筆者は本番直前の9月に120時間ほと勉強していました。
仮に秋で落ちても春で合格すればよいのです。公務員試験は無料ですし。
下準備
受験対策をはじめる前にした方がいいことを記します。
外部の英語試験を受験する
総合職試験では外部の英語試験のスコアに応じて二次試験受験後に一定の点数が加算されるという制度があります。例えばTOEICだと、600点以上で15点加算、730点以上で25点加算されます。ほかにもTOEFLや英検、IELTESが対象になっているようです(詳しくは人事院ホームページを参照)。対象になっている試験であればどれでもよいですが、二技能のみで毎月開催されているTOEICがベターだと思います。
受験者の層からして、かなりの人が25点加算されていると思われます。実際に二次試験の際にスコアの証明書を提出する機会があるのですが、ほとんどの人が提出していました。
人事院に過去問を請求する
ここで注意していただきたいのですが、
秋試験の過去問は市販では販売されていません!!
書店で販売されている、あの赤くて分厚い過去問集は春試験のものです。秋試験と春試験とでは傾向や問題の難易度が異なります(秋の方が難しい…?)。そのため人事院に試験問題を請求する必要があります。
請求してから問題が届くまで3週間程度かかるので、本番ギリギリに請求しないようにしましょう。
行政文書を開示請求したのはこれが初めてです。字面がかっこいいのでちょっと興奮しました。
情報入手の手段
先ほど秋試験は情報が手に入りにくいという話をしました。予備校に通っている方ならともかく、非法学部・独学で勉強していた私には情報がほとんど入ってきませんでした。
とはいえ、全くなかったわけではありません。このnoteに加え、×KASUMIというサイトでは、有志が対策法や体験談について述べられています。また。省庁主催のインターンや対策会などで勉強方法を入手できる場合があります。こうした道具を使って、具体的なスケジュールを立てていきましょう。
独学でしたが、結果として一次・二次ともに合格できました。よほど勉強の習慣が抜けているのでない限り、50万円課金してまで予備校に通う必要はないと思います。
一次試験の試験種目
以下、一次試験の内容と対策について記していきます。なお、筆者の受験会場は明治大学和泉キャンパスでした。
総合論文試験
試験時間は驚異の240分、1400~1500字程度の論文を2題作成します。朝9時から解くことになるので要注意です。
2024年度はⅠ部で「AIの発展が著しい昨今、行政官はどのような点に注意して政策を進めていくべきか」、Ⅱ部で「我が国においてインターネット投票を実施する場合のメリット及びデメリット、その実現に向けての課題」が出されました。過年度のテーマは以下の通りです。
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この表を見てもらえれば分かるかと思いますが、総合論文試験のテーマは広範囲に及びます。ヤマをはるのは困難でしょう。
とはいえ、他の受験生もほとんど学部生です。ここまで難しいとあまり差はつきづらいでしょう。したがって対策としては、過年度の問題を使用して論文の構成を考えるだけで十分だと思います。あるいは日頃から新聞等で時事テーマの知識を蓄えておくことでしょうか。1500字も書くため話を膨らませる必要があるからです。
ただし、Ⅰ部・Ⅱ部ともに4点の基準点が設定されており、これを下回ると足切りを食らいます。後述の基礎能力Ⅰ、基礎能力Ⅱでも設定されています。
筆者は以下の参考書で勉強しました。公務員としての考え方が理解できた気がします。
公務員試験 論文・面接で問われる行政課題・政策論のポイント 2025年度版 (公務員試験参考書) | 高瀬 淳一 |本 | 通販 | Amazon
再現答案が気になる場合、以下の記事をご覧ください。
基礎能力Ⅰ
試験時間は120分。文章理解・判断推理・数的推理・資料解釈の計24題を解きます。
これが一次試験最大のヤマ場だと思います。
現代文と英文からなる文章理解は別として、残る3科目の難易度がとても高いです。すべて解くのは難易度的にも時間的にも不可能なので、できる問題をいかに落とさないかが求められます。5分考えて糸口がつかめないのであれば次の問題に進むというやり方が良いと思います。
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