障害者雇用で働く知的障害のある人の「心のキャパ」と「見通し」を考えてみる
青田さんの記事を読みながら、企業就労した軽度知的障害のある人たちの就労キャパが浮かびました。
せっかく就労出来ても離職してしまう、支援校の卒業生たちをたくさん見てきました。高等支援学校って、軽度の知的障害のある生徒たちが就労を目指す高等部単独の特別支援校です。
3年間、企業就労を目指して規則正しい生活を訓練してきた生徒たち。在学中、熱心な訓練を受けた卒業生たちが、どうしてこうもアッサリと離職してしまうのか…
ずっと不思議でした。
企業就労で疲弊する知的障害のある人たち
でも、段々見えてきました。どうしてだったのか…
そして青田さんの「自分のキャパはなんで決まるか」を読むと、ハッキリと理解できます。
離職した卒業生たちは、「心」を大事にされていません。ここをないがしろにされた卒業生ほど、早く離職しています。
朝、起き上がれなくなる、熱を出す、腹痛、頭痛等々の体の不調ばかりなのです。
完全なキャパオーバーですよね。
就労の現場では「見通し」支援がされていない
実際に現場を目撃したわけじゃないので、あくまで仮説ですが。
仕事の手順が、口頭のみの指示になっているのではないか?そんな疑問をもっています。勤務時間に見通しが立っていない。曜日ごとの手順もない。
そんな環境の中、健常者と同じように口頭指示になっているのなら、ものすごく緊張を強いられているはずです。
一体、何枚のお皿を洗えば良いのか…
どれくらい待てば休憩できるのか…
仕事をしているフリの出来ない知的障害のある人は、神経がすり減っているのではないでしょうか?
健常者は上手く息抜きできますもんね。
仕事場の環境は、健常者の視点で動いているはずです。そこを就労支援員も企業側も見落としている。
過保護な支援をお願いしているわけじゃなく、適切に知的障害を理解してほしいのです。同じ働く仲間として。
疲弊して、精神が持たなくなる。
すごく多いと思います。
3年間、あの厳しい訓練は、果たして必要だったのだろうか?とさえ思い、考えさせられます。