卒業しました。
ククが最後の登園を終え、卒業しました。
保活を始めたころ、保育園の定義が「家庭において十分に子どもを保育できない場合に、家庭に代わって乳幼児を保育する施設」だと知って、ひっかかりを覚えたこと。
入園させるまえ、毎日腕のなかで昼寝をさせていた日々が終わってしまうのがさびしかったこと。
いざ入園したと思ったらコロナ禍が拡大し、園からの要請もあって数週間自宅待機したこと。
入園して間もないころ、担任の先生の目を見て「この先生なら大丈夫だ」と思えたこと。
早生まれなので、4月5月生まれの子どもたちがまるで1学年上のように見えたこと。
「おかあさんのところにかえる」と泣いて言い張って、水筒をしっかりかかえてリュックも背負い、帰る準備万端の格好で何時間もねばっているのが毎日の写真から伝わってきたこと。
園から持ち帰った定期購読の絵本を「この本はいや」と投げ捨てたので中を見てみると、家族が保育園になかなか迎えに来なくて不安になる女の子の話だったこと。
トイレの失敗をして、先生が気づかないうちに自分で汚れものをそのままリュックに突っ込み、着替えまでひとりで済ませて帰ってきたこと。
自分で靴を履くのがいやで大泣きするのをどうにもできず、30分間膠着状態に陥っていたら、「そうやって子どもを待てるのもすごいことです」と先生が言ってくれたこと。
帰るときに園の花壇を一緒に愛でたこと。
コロナ後、初めて園全体で開催された運動会当日、風邪で休んでしまったこと。
大好きな女の子と両思いになったこと。
毎日の水遊びで腕も脚もまっくろに日焼けしたこと。
逆立ちの練習で泣きすぎて目の周りに内出血ができたこと。
当初は練習がつらくて泣いていたのが、上達するにつれて「できなくてくやしい」涙に変わっていったこと。
自作のすごろくがクラスのみんなに人気を博したこと。
家では食べられないものが、給食なら食べられたこと。
「男の子がかわいいものを好きなのはおかしい」とクラスの子に言われたとき、先生に相談したら「自分の好きなものに性別は関係ない」とクラス全員に話してくれたこと。
科学の本が大好きになったこと。
自由画帳を1カ月で使いきったこと。
先生と連絡帳でいろいろな話をしたこと。
よく熱を出したけれど、不思議と私の仕事のすきまを縫うようにして休むときが多かったこと。
ずっとマスクで送り迎えをしていたのに、園の先生たち全員が子どもの名前と保護者の顔もすべて認識してくれていたこと。
卒業式でいただいた保育証書に「この園で4年間保育を受けたことを証します」と書かれているのを見て、保活のときに感じたひっかかりがほどけていくのを感じたこと。
まだおむつでしゃべり方もあどけなかった2歳児が、歯の生え替わりつつあるたくましい6歳児になりました。
卒業式のまえの日、せつない思いでいっぱいになりながら、「この感情はこの子が生まれてきてくれたから感じることができたんだな」と思いました。頼もしい先生たちに恵まれて、ククを安心して預けながら仕事ができたこの4年間は幸せでした。ありがとうございました。
小学生の親になるなんて、まだ実感がありません……!