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懐かしパーフェクトガイド VOL.5に寄稿したの巻

10月11日に発売された、ダイアプレス発行のムック、『懐かしパーフェクトガイドVOL.5 熱き記憶がよみがえる! 伝説のシューティングゲーム 』。なつパの名称でレトロゲームクラスタにはちょっぴりおなじみのムックに、縁があり寄稿した。

この手のムックは、ただのゲームレビューから、ソフトのコンプリートを謳ったカタログ系や、ファミコンミニなどの復刻ネタにあわせたものまで、近年ちょっとしたブームになっている。

そういった供給過剰な部分もあり、誌面内容は玉石混交なところがあったりする。新情報も少なく懐古になりがちな性質もあり個人的にはあまり手が伸びないムックだったが、このなつパはVOL.3の格闘ゲーム特集あたりから、テーマをよくあるゲームハード縛りではなく、ジャンルに絞り、エッジの効いたメイン特集記事を軸にただの懐古特集本じゃないぞ! という誌面を展開していくことに。

懐古系のゲーム雑誌と言えば、1996年に創刊された『ユーズド・ゲームズ』がその祖となるのだが、その後誌名変更を経て『ゲームサイド』(2010年休刊)となり、ジャンル別の『◯◯ゲームサイド』、版元を変更して『GAMEgene』と続いたがこちらも2017年7月のvol3から続刊は出ていなかった。

そこでの『なつパ』である。奥付の編集・ライター陣を見ると見慣れたメンツのこの安定感。さらに近年WEB上で活躍するレトロゲーム関連在野の将たちの新顔もプラスされた布陣に。この手の本はまず奥付から見てしまうスレた私のようなめんどくさいオッサンにも安心感と期待感を与えてくれる。

と、前置きがかなり長くなったが、本の内容について語っていこう。今回のVOL.5は、80年代後半から90年代のアーケードシューティングを特集した誌面だ。タイトルのチョイスや記事の内容は、マニア向けというよりは、ライトなレトロゲームファンや年齢層的にもちょっと若手向けの誌面構成となっている。王道のレトロシューティングゲームは知っているけど…という若いレトロゲームファンにはうってつけの1冊ではないだろうか。

巻頭特集の「今、遊びたいアーケードシューティングゲーム!」で紹介されているタイトルはどのタイトルもライターの思い入れを感じる至極のタイトルというのが誌面を通じて感じられる。無理やりページを埋めるために見つけてきたわけではなく、そのタイトルの面白さを理解した上で紹介している良心を感じる構成だ。

『グラディウス』『ダライアス』の攻略は、初心者にクリアをしてもらう喜びに焦点を当てた丁寧な記事で、今から始める人やアーケードアーカイブスなどで、なつかし〜と購入したものの、クリアできずに積んでいる人にはよいガイドとなるのではないだろうか。

その他にも『スターアタック』なるアーケードなのに出元不明のレアゲームの開発元を探る記事や、当時のゲーマー少年に"縛り凌辱属性の性癖"を植え付けた『フェリオス』の"アルテミス"が大写真で使われているレイアウトでニヤリとする「このラスボスなら倒されてもいい!」、モノクロページでは、タイムリーな時事ネタ、ちびまるこちゃんのゲーム特集(作者のさくらももこ氏にふれているのだが、実姉が企画した『さくらももこのウキウキカーニバル』やレアソフトの『ちびまる子ちゃん まる子デラックスクイズ』、キャラデザ担当の『エブリパーティ』などに触れていないのは残念だったが…)、テレ東系の子供向けゲーム番組を語る「スーパーマリオクラブシリーズの軌跡」などのコラムも充実。

元ゲーメストの名物編集長、石井ぜんじ氏や、元ゲームサイド編集長、山本悠作氏のインタビュー、『メルヘンメイズ』BGM作曲者の川瀬知香氏とめがてん細江氏の対談などのレトロゲームと関わりの深い方への取材記事もありバラエティ豊かな誌面となっている。

WEBでの情報発信が盛んになり出版不況が叫ばれ、事実紙媒体の影響力が下がってきている時代だからこそ、紙媒体の限られたページ数、誌面で濃密な専門性のある記事をまとめた本というのはまた脚光を浴びると思うだけに、そのノウハウを持つ編集者や執筆陣がこういう媒体で生き残り、次の世代につないでいけることを切に願うのであった。

とまぁ、いろいろ書いたけど、自分の記事以外もすごくよかったのでレトロゲーム気になる人や好きな人は読んでみてね! という宣伝乙記事でした。


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