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無とゼロと友情

すべては無だ、そして無限。
溢れる青、そして透明。あるいは血の赤。
世界には存在しない。
カテゴライズも規律も優劣も。
罪も罰も、存在しない。

自身のことはどうだ。
ゼロに帰る。
薄皮を剥いていき、最後に剥き出しになる自我。
ただのゼロ。
何者でもないわたし。
それもまた無限だ。

友情。
その話をしよう。
恋愛には友情が必要だ。
欲望や愛には、時間感覚がある。
友情にはそれがない。
そんな気がするのだ。
友情。それもまた無限。

恋愛が枯渇したなら
友だちに戻ろう。
何度でも何度でも
あなたを新しい目で捉え直そう。

そうしていつか
不朽の恋をするのだ。

友情とは
あなたの命とわたしの命が
同一であると気づくこと。
あなたが自由に生きることが
嬉しくてたまらないと
笑うこと。

わたしには守りたい約束があり
あなたには帰るべき故郷がある。

一緒にいられるのは今だけだ。
昼間のこの大きな木の下で
果物のジュースを飲み
歌ったり踊ったりして
世界のことを話したりして
やがてその瞬間がやってくる。

夕日が沈む。
だから、さようならだ。
さようなら、また明日。
でもまた明日会える。
明日会える約束がある。
それを人は友だちと言う。

夕日の前で誓おう。
わたしたちは永遠に友だちだと。
それは愛よりも恋よりも
結婚よりも契約よりも
お金よりも将来よりも
ずっとずっと価値のあることだ。

友だちはひとりではない。
人間には友だちはひとりでは足りない。
そしてそれは素晴らしいことだ。

俺たち、友だち。
そう、そうだ。
すべてはそれだけのこと。

馬鹿げていても、苦しくても
辛くても、泣いても
わたしは友だちの手を握っている。
永遠にずっと。

それは愛とは違う。
少しだけ違う。
もっと幼くて
すぐに消えてしまう感情。

あなたのことを
会う前から
知っていたような気がする。
駄目なところも、可愛いところも。
ずっと昔に
いつか知っていたような気がする。

あなたがわたしを求めることも
わたしがあなたを見つめることも
必然だった。

それを人は
友情と呼ぶのだ。

俺たち、友だち。
そうやってわたしはこれから
無限の世界を歩いて行く。

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