フールオンザヒル
今大切なのは、考えないことだ。
理屈を捨てる。
やり方を捨てる。
こだわりを捨てる。
演劇でも同じことだ。
自分の愛着のあるルーティーン。
声の出し方。表情の作り方。
バックボーンの組み立て方。
でもいつか、それを捨てなくてはならない日が来る。
それはもはや、捨てても体から離れることはない。
匂いのように、皮膚のように
体と魂に定着しているからだ。
それでも「捨てる」という意識だけが必要だ。
そうすることで無敵になれる。
今わたしがこだわっているもの。
今までのやり方。
守りたいもの。
記憶。
愛。
そして、人。
それらを一度裏切るのだ。
ずっと繋いできた手を、一秒離すのだ。
そうすることで生まれ変わる。
そうすることで強化される。
たったの一秒さえ、そうすることが出来なかった。
この3ヶ月間。
赤ちゃんを育てる時間のように
もう二度とない時間だ。
苦しかったけど、愛した。
それでいい。
丘の上の愚者よ。
やり方を変え、服装を変え
社会の望む態度に改めよう。
そして、いつまでも永遠に
果てしなく、愚かであれ。
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