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無意識、雨、動物たち
雨が降る。
わたしの中に。
あなたの中にも。
わたしたちは出会わなければならなかった。
どうしてもどうやっても。
あの瞬間自転車が倒れたのも。
長い手紙を破いたのも。
すべては必然だった。
ひとは自分の脳に触れることは出来ない。
その代わりに
口づけをするのだ。
その代わりに歌い、描き、愛する。
生まれたての猫のように。
あるいは泉から溢れるミルクのように。
性的だ、と誰かは言うかもしれない。
汚らわしい、批判されるべきものだと。
愛、とはいつも
そうだった。
風のように気まぐれで
境界線がない。
それは生ぬるく
生き物の匂いのする
何かだ。
わたしはもう
自分が
その世界の住人であることを
認めようと思うのだ。
その結果
失うものがあるなら失おう。
命以外は
はじめから
わたしには分不相応な
宝物ばかりだから。
愛、が間違っているなら
神様が
わたしから奪うはずだから
神様に任せればいいだけなのだ。
わたしに
判断できる次元の
それは、ことではない。
無意識を
目に見えるようにする。
動物たちは人の心を治せる。
雨に濡れつづけることは
セックスとそっくりだ。
だから、わたしは。
もう愛を恐れない。
芸術が日常を
凌駕していくことを恐れない。
夢が
わたしの人生をなぎ倒していったとしても
それを許可する。
ティーンエイジャーだったとき
散々我慢したのだ。
もう中年なのだから
夢を信じていい。
愛を信じていい。
芸術の骨の髄まで愛して
共倒れしてもいい。
残り時間はきっと
ロマンチックだ。