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天の才

ねえ。
あなたにあってわたしにないものって
何だと思う?
その逆もやっぱり。
ねえ。
わたしには才能って
いつかひとつでも見つかるのかなあ。

ミュージカル曲を
披露する機会があるので
今練習中だ。
その中で
どうしたらもっと本物になるかを
模索する。

神田沙也加さんの歌う姿を観て
ミュージカルそのもののような人だなと
思う。
上のつぶやきは
彼女を観ている時
わたしの胸に湧き上がってくる感覚たちだ。

舞台俳優も
ミュージカル俳優も
通常のメンタルではやっていけない。
TVや映画もそうだけれど
舞台、ミュージカルの特殊さは
「止められない」という点にある。

そこには特殊な負荷がかかる。
はじまったら
天国だろうと地獄だろうと
終わるまで決して
舞台袖には帰れない。
その恐怖。

神田沙也加さんの歌を聴いていて
「恐怖」を知っている人の声だ。
そんな風に感じて
涙が出てくる。
わたしもあなたより
もっともっと弱くて
恐いのよ。
だから大丈夫。
そんな風に伝えようとする
優しい声だ。

それこそが「才能」というものなのだと
最近思う。
そんな風に
汚れや暴力や、外の嵐に
耐えて咲いていられない花だから
美しいのだと。

その花は
守られなければならない。
その花は
この世界に咲いていなければならない。

他とは違う。
その純粋さによって
世界を変革する存在だから。

わたしの中にも
小さな優しさの灯り
小さな花の蕾がある。

皆と同じ、は嘘だ。
それは嘘をつくことだ。
皆を愛しているのなら
違うやり方をしないといけない。

花を
そこに痛みがあっても
あなたに見せること。
ほんとうはいつも死にたい。
そんな特殊過ぎる
異常な弱さと恐怖と
優しさを
ここに曝すこと。

沙也加さんの歌は
わたしに
自分のすべきことを
与えてくれる。

天の歌声だ。

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