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haniwa753
【エッセイ】いつか忘れてしまうこと
【700字】
私にとって時間の流れる音は「さらさら」だ。
砂時計の砂とか、川のせせらぎとか、そんなイメージなのかも知れない。
元気な時ってさらさら流れていく日々の中で周りの人の言葉とか感性を「いいなあ」って思えることが多い。
こういう何でもないことが幸せなのかも。
私は幸せって条件の中にはないと思う。
幸せはその人の心の内側にしかないから、1日の中でも幸せだったり不幸だったりアップダウンがある日もあるし、お金を持っているとか子どもがいるとかそういう表面だけを見て「あの人は幸せそうだ」みたいな言い方はあんまりしたくない……。
せっかくだから最近いいなあと思った小さなことを書き留めておきたい。
・友達が恋人? のことをSNSで「いつもいっしょにいる人」って表現していたこと。
誰かとの関係性はその人と私だけのもので、そこに名前を付けたくないこともあるから、なんかいいなあ……と思った。
・別の友達がSNSで「クッキーを食べている時にいつもラングドシャなのかランドグシャなのか分かんなくなる……土砂なのか? 愚者なのか?」って悩んでいたこと。リズムがいい。
・職場の男の人が朝部屋の窓を開けて「ここからはあんまり秋が見えないね……秋、感じたいねえ」と呟いていたこと。普段はそんなこと言いそうにない人なのが良かった。
こういう小さなことって明日か、1週間後かは分からないけどきっといつかは忘れてしまう。それがもったいないし寂しくもある。
だからたまにこっそり小説のセリフに使わせてもらったりしている。
ぜんぶぜんぶ、覚えていられたらいいのに。
それは無理でも、いつかふとした時に記憶の底の方から浮かび上がってくるといいなあと思う。