「アバター2」イルカショーと太地追い込み漁について<後編>


私は象にしろ、熊にしろ、動物を使ったサーカスが大嫌いです。
彼らの目や表情を見ると、苦痛に耐え、目は絶望で死んでいます。イルカトレーナーが、イルカを選別しているだけじゃなく、押さえつけるなどの殺しにも加担している。子供たちの夢も壊していますよね。

動物を使ったサーカスを廃止している国を見てください。
こんなに多くの国で、規制されたり、全面禁止されたりしているんです。
日本は本当に、100年くらい遅れてませんか?悲しくなります。

木下大サーカスでも、本当に小さな檻に閉じ込めて興行しています。
シルク・ドゥ・ソレイユのように、人が人を楽しませる前向きなパワーが人々を笑顔にさせ、感動を与えるのに。
動物を虐待している所を見て、誰が嬉しいのでしょうか。帰り道も悲しくてエネルギーが吸い取られてしまいますね。

子供の頃品川水族館や、今の新屋島水族館に連れていかれたのですが、動物達の悲しそうな表情。すさまじいほど小さくて、汚いプールで、発狂しそうなほど狭かったです。


何十年も昔に、科学的・動物学的に証明されているから廃止になっているのに、そんな時だけ彼らは、「イルカも魚だ」と江戸時代のようなことをわめきます。

でも、生体販売はしているわけです。
矛盾していますよね?
しかも、故郷の海で仲間を娘を息子を惨殺しておきながら、そこで、ドルフィンスイムとかやってるんです。どれほど残酷なことをしているか。

目の前は自分が拉致された海なんです。仲間を皆殺しにされた。
匂いも同じです。トレーナーは、イルカを選び、殺す手伝いもしてる。拉致監禁されているイルカ達は、餌をもらうために我慢するしかない。


我が子を惨殺されたイルカや、ハナゴンドウたちは、その血の海のすぐ横の湾で、人間の子供と一緒に泳がされている残酷非道。そして悲しみと孤独の中死んでしまう。お父さん、お母さん、娘、息子に会いたいと願いながら。
3年に1度しか生まれないのに…。その子達も捕獲の時に沢山殺している。

激減してから制限する(カタチだけ)という日本人的な思考停止は、怠惰以外の何物でもないかと思います。せっかくの美しい太地の風景が血に染まっている。もっと厳罰化してほしいと思います。

乱獲で激減したから、捕獲数を守っている、と言われているけど、拉致されないのは、子供や赤ちゃんや年寄りです。若くて強いリーダーは殺されるか、拉致される。そして、死体すらも生きているように漁師が動かして「捕獲数」には入れない様子も見ました。3年に1回しか生まれない赤ちゃん。
その群れからしてみたら、待望の赤ちゃんで、全員で守りながら泳いでいるんです。群れ事追い込んでランダムに殺して捨てる追い込み漁は、絶滅に追い詰めている自分たちの首をしめる漁だと思います。

世界中で、大型動物は飼育しない、という動物園や水族館も増えています。
イルカショーに行かないこと。需要を無くすことが大事です。
野生動物を惨殺していることを沢山の方に知ってほしいです。


韓国も、野生のイルカの状況が分からないからという理由でやめた。高病原性鳥インフルエンザでも大量にイルカが死んでるのですから。絶滅してからでは遅いですよね。


驚いたことに、静岡のイルカ猟師の方は、「数の規制があることを知らなかった。誰も教えてくれなかった」と言ってました。
それで乱獲したのだそうです。来たら取るのが当たり前だったそうです。
魚もそうです。日本中でそんな感じだったのでしょう。
水産庁はズブズブで、規制などあってないようなものだと言っていました。

恵方巻だの、回転すしだの、コンビニだの、乱獲して廃棄することを未だに繰り返していますよね。

畜産動物達はバブル後から、数十倍もの密度で飼育されています。その限界が、さまざまな感染症を引き起こしています。
生活習慣を改めるべきなのに、どんどん施設を作り、未だに薄利多売を促進しています。廃棄するほど作らせて、余ったら殺してお金を渡す。

「牛乳を飲みましょう」ではなく、「代替ミートを食べましょう」「お米を食べましょう」というべきではないでしょうか。


常軌を逸した狂った畜産を奨励し、薄利多売が維持できると思わせ、望み、そのしわ寄せで苦しんでいるのは動物達です。

昔は減反を奨励していました。友人の家も、沢山減反した。
その結果、お米がとれなかった年、タイ米を食べていました。子供ながらに、恐ろしいほど計画性がないと思いました。
牛乳の廃棄もそうですよね。

日本人は、和食中心の文化で、つつましく生きていた。
肉や卵や魚は贅沢品だった。なぜそれを奨励しないのか。
なぜ、自給自足をつぶし、今時サーカスのショーを応援したり、
輸入食品を食べさせたりするのか。。
動物に依存しない暮らしを考えていくときがきたんじゃないでしょうか。

「太地から来たイルカやシャチはすぐに死ぬ」と、外国でも有名なんだそうです。つまり、長生きできないことは皆分かっているのに、拉致して、芸を強制させているのです。もう、廃止の流れになってから50年もたっています。さすがに、「知らなかった」では済まされないですよね。
分かってて「虐待」していることになります。

シャチは、お腹をすかせ沢山の小石を飲み込んで死んだそうです。あんな大きな動物に言うことをきかせようとしたら、飢えさせて餌をやっていうことをきかせるわけですが、とても残酷ですよね。
名古屋港水族館は、事故の多い水族館と言われています。
プールサイドに落ちて死んだ子もいます。
日本では、水族館での虐待飼育でも、厳罰化されていません。

本当にイルカが好きな人は、ドルフィンウォッチングが良いと言います。
のびのびと野生で泳いだり、船についてきたりするイルカを見るほうが嬉しいですよね。

水族館のイルカは傷だらけ、日焼けだらけで、ほとんどが精神的な病気を抱え、苦痛のなか死んでいます。そんな時代と逆行している水族館が まだまだオープンしています。「四国水族館」や、「須磨海浜水族園」や、「犬吠埼マリンパーク(閉館)」でイルカのハニー

をネグレクトで殺しておきながら、また新たに誘致すると言っている。何かあっても助けられもしないくせに。ドルフィンスイムという異常な場所は、感染症の危険性もあり、行くべきではないと思います。そもそもほとんどが、太地から拉致されてきた子なので、噛んでも全くおかしくないと思います。隣にあるわけですし、死んだらまた太地の生け簀から監禁しているイルカを連れてくればいい、そんな感覚ではないかと思ってしまいます。

また、「市原ぞうの国」は、プルフックでの象の虐待などでも問題になっています。

医療をかけられない・保護・解放できない動物は飼育すべきではありません。
少し考えたらわかることですよね。なのに、何も考えず繁殖させる。
シャチの飼育・繁殖は世界的にも禁止されている所が多いのですが、「海遊館のジンベエザメに対抗するため」という、どう考えてもまともとは到底思えない理由で、シャチを水槽に閉じ込める計画が進んでいます。

なんと、シャチが苦しんでいる所を見ながら食事をするレストランが出来るそうです。それ、食事美味しいのでしょうか。
シャチが苦しみ絶望している姿を見ながら楽しめる人間がいる想定ということに、戦慄を覚えます。一体どんな思考回路なのでしょうか。
想像力がまるっきり欠如していると思います。


思いついた人がいることも、この狂気が通ったことも恐ろしすぎます。
シャチやイルカが、一日に100km以上も移動し、飛び跳ね、遊び、何年もかけて家族を作り、群れで狩りをする社会性をもった別の生き物という認識が見事にかけていますよね。シャチは、人間のせいで絶滅に瀕しているレッドリストということも知っているのでしょうか。

シャチには、動物を食べるタイプと、鮭を食べるタイプがいますが、日本人が、鮭を乱獲したことや環境破壊のせいで絶滅に追い詰めたのです。
そんななかで、狭いプールに見世物にするとか、ほんともう、常軌を逸しています。


私も署名しましたが、これは絶対に中止にしてほしいです。
こんなことが実現してしまったら、日本人はまるっきり異常と思われても仕方ありません。国民の税金を使って、子供も入園できないくらいの高い入場料をとって、せっかく親しまれていた地域密着型のスマスイが、残念な成金施設になることは反対です。



シャチは、群れで暮らす生き物です。野生でも人間のせいで絶滅に瀕しています。連れてこようとしているシャチは、家族で暮らしている鴨川シーワールドのシャチのようです。何とか生きているのは、仲良しである家族の支えがあったからこそなのだそうです。

飼育経験のあった和歌山アドベンチャーワールドでも、次々とシャチを殺していました。頑張っても、長生きさせることは無理なのです。

彼らにも生活があるという人がいますが、絶滅寸前の動物を野生から拉致してきてショーをさせようということ自体が、持続可能ではないですよね。
しかも、50年生きる寿命を5年以下で殺してるんですから。
野生動物は人間のせいで絶滅に瀕し、温暖化や海洋汚染で、復活することも到底難しい状況にあるのです。

人間や、海鳥と触れ合いの多い湾で一緒に泳ぐなど、感染症対策の意識があるとは到底思えません。大量に鳥インフルで死んでいることを理解していないとしか思えない。

人間が食べもしない家畜や、娯楽のために虐待して、殺戮している。
なぜ蛇口を締めようともせず、法規制もせず、改善もせず、動物達に全ての責任を取らせるのか。


伝統というのは、皆に優しいものであるべきだと思います。

ちなみにこちらこそが、本当に伝統的な「イルカと協力する」追い込み漁。イルカも魚も大事にする漁で、決して、数を捕ることはありません。
昔はイルカが人に近寄ってきたのに、近づかなくなった。
根こそぎ魚を捕ったり、危険な網が増えたためです。
2005年にはイラワジ川でイルカが生息する約74キロが「保護地域」に決められ、電気を使った漁や刺し網漁を規制し、イルカの数が復活したそうです。

イルカが復活すると魚もとれるようになったとか。
乱獲でイルカも魚もいなくなってしまった日本とは大違いですよね。
伝統文化を守る、生態系を守るってこういうことだと思います。

捕鯨をしていない国の方が、魚も日本よりずっととれている。
子供の魚は捕らないなど、しっかり制限しているからです。日本は、中国のせいにしたり、イルカのせいにしたり、常に何かのせいにして、乱獲を続けている。


この、長年ミャンマーの動物たちにカメラを向け、イラワジイルカもずっと追ってきた写真家の大西信吾さんと、4人しかいないその伝統の漁を続けるマウンレイさんさんは、「観光化があまりにも進むことは、地元にとって良いことばかりではない」「イルカを金もうけに使ってほしくはない。でも、孫やその子どもの時代にも、イルカと協力して魚を捕る方法は残っていてほしい」と言います。


伝統を守るってこういうことじゃないでしょうか。
太地が、捕鯨で生きてきた、クジラは神聖というのであれば、家族を殺した同じ湾で見世物やショーをして、イルカを使ってドルフィンスイムなんて、とてもできないと思うんですね。


イルカショーをしている=民度の低い国 という目で見られるこの時代に、ジェームズキャメロン監督の描いた映画のテーマと相反するプロモーションをするなど、あまりにも浅はかで、残念過ぎたし、恥ずかしいし、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。頭が混乱したと思います。

「なぜイルカショーを開催したのか」
炎上目的でやったのだとしたら、傷つけるためにやったなら、迷惑系ユーチューバーと何も変わらない。嫌がることをあえてやるというのは、大人として終わっていますよね。


どうか、日本を嫌いにならないで欲しいです…。
でもそのためには、日本人の意識を変えないといけないですよね。
オリンピックの時もあれだけ批判されたのに…。
いい加減、変わらなくてはいけないと思います。


#動物はモノじゃない
を掛け声に、声をあげてくださっている串田先生に勇気をいただいています。娯楽のために殺される動物がいなくなるまともな社会になることを願って声を上げていきたいと思います。


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