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【1982】世界の天然ガスの「確認埋蔵量」は、約73兆立方メートルであり、「可採年数」は45年となっており、利用年数が極めて短い。(2027年に枯渇する?)
【1982年の卒論回顧】代替エネルギー開発におけるソフト・エネルギー・パス理論の有効性(11)
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第3章 石油代替エネルギーとしてのハード・エネルギー・パス
1 化石燃料資源・核燃料資源の埋蔵量及び生産年数
ハード・エネルギー・パスをとる場合に、現在、石炭・LNG・原子力などが有力視されている。
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石炭が石油代替エネルギーとして有力視されている大きな理由のひとつに埋蔵量の大きさが挙げられる。
石炭の世界における「確認可採埋蔵量」は、約6400億トン(注1)で、これは石油換算で石油の3倍(注2)以上、天然ガスの約5倍(注3)に当たる。
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加えて、石炭は石油に比して世界的に広く賦存しており、将来の石炭の安定供給の確保という点から、好条件のひとつとなっているといわれている。〔図Ⅲ-1、2参照〕
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しかし、「可採年数」を見れば、188年となっており、世界各地で、もし一斉に、代替エネルギーを石炭に求めれば、当然、この年数は減少する。〔表Ⅲ-1参照〕
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LNGは、従来からクリーンな燃料として高く評価されているばかりでなく、天然ガスの埋蔵量が石油のそれに匹敵するほど有すること、また、その賦存地域が石油ほど偏在していないことなどの点から改めて着目され、その開発・導入の促進が可能と評価されている。
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しかし、世界の天然ガスの「確認埋蔵量」は、約73兆立方メートルであり、「可採年数」は45年(注6)となっており、利用年数が極めて短い。〔表Ⅲ-1参照〕
原子力発電の燃料となるのはウランである。ウランは石油と同様、わが国の場合、国内資源に乏しく、海外からの輸入に依存しなければならないが、ウランは石油に比べごく少ない量で同量の発電を行うことができるために、輸送や貯蔵が容易であるとされている。
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また、原子力発電では、一度燃料を原子炉の中へ入れると、少なくとも1年間(注7)は燃料を取り替えずに発電ができるため、その期間は燃料を備蓄しているのと同様の効果があるとされている。
しかし、やはり「可採年数」を見ると76年(注8)しかない。石炭と同様に世界で一斉に原子力を導入すれば、この年数は短縮される。〔表Ⅲ-1参照〕
(つづく)マガジン「ソフト・エネルギー・パス理論の有効性」に編綴