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ときどき日記(636)市民に違法行為や脱法行為でハラスメントする公務員

私が地方公務員であった頃、国民健康保険料の滞納整理を担当したことがある。

極めて偏見であるが、国保は会社などの背景がないため健康保険組合に加入できない者が加入するため、収入が不安定な傾向にあり、どうしても保険料を滞納しやすい。イコール、税金よりも徴収が難しい。

小さい市ではなかったから、市内に出先があり、そこに滞納整理の部隊がそれぞれ配置され、上局がそれらを管理監督する形態になっていた。
上局の指導官は手柄が欲しかったのか、出先の職員にできもしないことを滞納者に言うよう指導していた。

私が務めていた出先は外国人が多く、それにつれて外国人滞納者も少なくなかった。外国人の財産を発見することは難しく、徴収は困難を極めた。

業を煮やしたのか、上局の指導官は、外国人滞納者に対して「入管に通報する。そうすれば貴方は日本にいられなくなる」と脅迫するよう我々に迫った。
また、自営で店をやっている人に対しては、「営業時間中にトラ(柄の)ロープを張ってやる」つまり、捜索に入ると言ってやれということだ。

入管に通報するにしても、捜索をするにしても、そう容易くできるものではない。
入管に通報したとて、どの程度国外退去へ導けるのかまったく分からないし、本当に店に捜索に入れば、その後のダメージは計り知れない。

言わされる側は空手形を切るようなものだし、いじめを強要されたようなものでもある。

人を痛めつけることは、言うもやるも心的ダメージがでかい。

それに、市税の滞納整理では禁じられていた差し押さえが、国保では上局の判断で解禁されていたのには驚かされた。これも執行には心的ダメージがあった。

給料を差し押さえる場合、一定額は生きていくための分として滞納者に残してやることになっている。一方、銀行預金は全額差し押さえることができる。これを悪用して、給料が振り込まれる日に預金を全額差し押さえることをやっていた。
市税ではたとえ預金に化けたとしても振り込み日当日は一部残してやっていたが、国保は全額差し押さえて取り上げていた。

1ヶ月どうやって暮らしていくのだろうと考えると、いたたまれない気持ちになり、これも心的負担が大きかった。

冷血になれなかった私が悪いのかもしれないが、いじめやハラスメントは自分に返ってくる。これに上からのパワハラが加われば、上から下からハラスメントに襲われるに等しい。
 

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