【1982】水道発電を行う「たかむろ水光園」、地熱発電を行う「杉乃井ホテル」
【1982年の卒論回顧】代替エネルギー開発におけるソフト・エネルギー・パス理論の有効性(19)
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3 ソフト・エネルギー・パスのモデル
ソフト・エネルギー・パスのエネルギー源は、太陽・風力・波力・水力・地熱などであるが、それに対するエネルギー抽出方法は限られていないので、決定的なモデルを決めつけることはできない。
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しかし、事例としていくつかの具体的なプロジェクトをもとにソフト・エネルギー・パスを概観することができる。
岩手県遠野市に、水道発電を行う「たかむろ水光園」がある。水源からの導入管がもつ落差によって150KWの自家発電を行っている。浄水場と農村活力センターを結合させ、施設内の電力と自家発電でまかなう一方、101枚のソーラーパネルを取り付け、冷暖房のほか温泉をつくり、発電後の水の一部を利用してヤマメ、ニジマスなども養殖している。またソーラーの補助熱源として薪炭なども利用される。遠野市は森林と水に恵まれ、木材廃棄物だけでエネルギー需要の47%をまかなえるという試算もあり(注6)、豊富な水、牧畜地などを考えれば自然エネルギーによる自給も不可能ではない。
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一方、別府市の杉乃井ホテルは、地熱発電所をもっている。電力消費量は3400KWhで、杉乃井地熱発電所の発電量は3000KWh(注7)となっており、総電力消費量の約90%を自社発電でまかなっている。また地熱を目的に合わせて利用し、注目されている。〔表Ⅴ-1、図Ⅴ-1参照〕
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これらの例はいずれも企業であるが、これらを共同体に置き換えることが可能なら、ソフト・エネルギー・パスも可能である。
第5章(注)
(1)エイモリー・ロビンズ著室田泰弘・槌屋治紀訳「ソフト・エネルギー・パス」6頁昭和54年時事通信社
(2)エイモリー・ロビンズ著室田泰弘・槌屋治紀訳「前掲書」6頁
(3)エイモリー・ロビンズ著室田泰弘・槌屋治紀訳「前掲書」6頁
(4)アルビン・トフラー著「第三の波」199頁昭和54年日本放送出版協会
(5)アルビン・トフラー著「前掲書」199頁
(6)干場康夫編「ポピュラーサイエンス8月号」21頁昭和57年株式会社ダイヤモンド社
(7)通商産業省編「エネルギー81」155頁昭和56年電力新報社
(8)干場康夫編「ポピュラーサイエンス8月号」17頁昭和57年株式会社ダイヤモンド社
(完)マガジン「ソフト・エネルギー・パス理論の有効性」に編綴