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ときどき日記(219)票が盗まれた? 日本の投開票システムを見習え

「昨年10月のブラジル大統領選の結果に異議を唱えるジャイル・ボロボロナ(もとい、ボルソナロだった。海堂尊先生の小説にこの名前の大統領がいたから、ついペンがすべった。)前大統領の支持者らが8日、暴徒化し、首都ブラジリア(リオやサンパウロじぁねえんだ?)中枢の連邦議会(トランプの時も連邦議会が襲われたよな)、大統領府、最高裁判所を襲った。」(2023/1/10読売新聞朝刊13版7面)という。

襲った奴らの言い様が、またぞろ「票が盗まれた」やらだ。アメリカのときもそうだったが、このSNSなど情報が氾濫している時代に証拠が無い。少なくとも私は未だ見ていない。日本の報道が隠しているとも思えない。

アメリカやブラジルの選挙には投票用紙を盗める余地があるのだろうか? 投票用紙の枚数が合わないまま開票を進めてしまったのだろうか? ???・・・

日本の場合、投票用紙を持ち込んだり盗んだりして、票の枚数を操作することは、ほぼ不可能だ。

投票日に投票所で手交された1枚の投票用紙を持ち帰ったところで、投票されたものを減じた訳ではないので結果には影響しない。そもそも、投票管理者や立会人が見ているので投票せずに投票箱の前をスルーできないから、票の持ち帰りはほぼ不可能だ。

そして投票日は、朝、選挙管理委員会から各投票所スタッフへ投票用紙が手交され、ここから深夜、開票結果が確定されるまで
「選挙管理委員会から手交された投票用紙=投票者数+残票」の確認を、ほぼ常時、続けることになる。

投票所では、事務方が投票用紙交付係へ10票(枚)ずつ手交し、常時、1票単位で計算が合うか確認しているので、二重交付も起こりえない。ただ、近年だと、投票用紙を機械で1枚1枚、投票者に手交している自治体もあるが、機械の中の残票が見えないので交付ミスの瞬間を見落とす恐れがある。

投票が締めきられると大至急、開票所へ赴くわけだが、投票箱だけ持っていけば良いという訳ではない。
「選挙管理委員会から手交された投票用紙=投票者数+残票」を証する書面を作成し、これを投票録と言うが、投票録と投票箱と残票を開票所へ搬送する。もちろん投票箱は金属でできており施錠もしている。

開票所へ着くと異状の無い投票箱と投票録と残票を提出して審査を受ける。つじつまが合ってはじめて開票会場へ投票箱が運ばれる。

全投票所の審査が終わらないと開票を始めることができない。全て出揃ってから開票が始まる。

開票が終わった後もトータル開票数と投票者数が合うかどうかの確認もせねばならず、数が合わなければ「確定」を打つことができないのだ。

こうして日本の選挙は厳格に行われ、「票が盗まれる」余地などみじんも存在しない。
だから海堂尊先生にトランペット大統領やらボロボロナ大統領と揶揄されるのだ。
日本から選挙監視団送ろうか?

ちなみに日本の選挙は、全て開票まで、住民から選ばれた者が監視している。報道も入場できる。開票に至っては報道席もある。こういった形でオープンなところが味噌だ。そのほか搬送の時など見えないところは、施錠・封印するなど、あとで誰でも分る方法で公正を保っている。ブラックボックスになっているところが一切無いのだ。

インターネットや電子による投票だと、一旦、いわばブラックボックスに入ってしまうので、疑いをもたれやすくなる。そして疑いが暴徒と化しやすいのはアメリカやブラジルが既に証明している。

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