納めた税金でコメ不足にされた【気になった記事のメモ】(133)

♯20240911日経夕刊十字路

コメ価格の高騰が続いている。
 農水省は民間在庫はあると言いコメ不足を認めない。
 しかし、7月末の在庫は前年比40万トン減の82万トンと記録的な低さだ。
 今は不足分を新米から先食いしているので、来年7~8月の端境期になればまた不足する。
○農水省やJAは「減反(生産調整)」の強化で3年前に比べ米価を5割も上昇させた。
 政府は毎年20万トンずつ主食用米を市場から隔離し、備蓄として買い上げている。
 財政負担は毎年500億円。
 減反補助金3000億円と合わせて3500億円を国民は納税者として負担して、消費者として高い米価を払っている。

○他の作物に転作して自給率を上げるという名目で減反補助金を払ってきた。
 しかし、零細なコメ兼業農家は麦や大豆を作る技術が無いケースもあり、タネだけまいて収穫しないという対応すらあった。
 このためエサや輸出などの用途のコメを転作作物として、主食用との価格差を補助金として払っている。
 一物多価というゆがみが生じ、国民は高いコメを買う一方、豚や鶏、外国の人は安い値段で日本のコメを食べている。

○減反をやめ全体の米価を下げて輸出すれば不足になっても輸出量で調整すればよい。
 米価が下がった影響を受ける主業農家には所得補償すればよい。
 兼業農家も農地を貸し出せば地代収入を得る。
 消費者、納税者、コメの扱い量が減った販売業者、すべてが減反の被害者といえる状況は変えられるか。
 これだけ騒がれてもコメ問題が自民党総裁選の争点にならないのが残念だ。


いいなと思ったら応援しよう!