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ときどき日記(374)保険料を納めて相互扶助に参加してもマイナンバーカードじゃないと健康保険が使えない
あんなに厳格だったマイナンバーがズブズブになった。
地方公務員だった頃、マイナンバーが始まった。
しかし、扱いは厳格なもので、交付を受けたマイナンバーカードも、マイナンバーがかくれるビニールケースに入れて、手交されるとき、「絶対に誰にも(家族にも)見られないようにしてください」「滅多なことでは持ち歩かず、大切に保管してください」と説明を受けたような気がする。
老母のマイナンバーカードの手続きでさえ、確か、封筒に入れないで持参したら、「封筒に入っているはずのものなので、書類の中身を見なかったことにしてください」的なことを言われた。
実際、勤めていた役所でも、その職制上、マイナンバーと無関係ではいられない職場もあり、マイナンバー施行後に所属した税や国民健康保険の職場では、マイナンバー情報を扱うエリアが厳格に定められ、そこからマイナンバーが書かれた書類が出ることは禁止され、更に、マイナンバー情報にシステムや書類で触れることができる者を総務に届け出て、何枚もIDカードを持たされた。そして、閲覧のログをとられた。
もちろん、市役所ばかりではなく、税務署も同様だったと思われる。税務調査で確定申告書のコピーをもらいに行っても、昔は好きにコピーさせてくれたが、マイナンバーになってからは、マイナンバー部分は全てマスキングしなければならなくなり、すべて署職員の点検を得てからでないと署外へ持ち出せなくなったのだ。
公務員は国であれ地方であれ、守秘義務が課せられているのに、公務員間でさえ厳格にマイナンバーを取り扱った。
所属に提出する年末調整や扶養控除等の書類でさえマイナンバーが書いてあるからと言うことで封筒に入れて提出するという念の入れようであった。
このようにマイナンバーを扱う者はもちろん、提出者側にも厳格な管理を求められた。
ところがどうだろう。そのマイナンバーカードを保険証代わりにするから持ち歩けという。そして、マイナンバーカードに保険証をひも付けなければ給付しないという。
私は定期的に通っている医療機関が2か所あり、片方は薬も処方してもらっている。医療機関と薬局、月に最低3回はマイナンバーカードを表で出さなければならないことになる。落としたり、忘れたりすることもあるだろう。簡単に発行してくれる診察券やお薬手帳とは訳が違うのだ。
あんなに大変な思いをしたマイナンバー。私は絶対にマイナンバーと保険証、ましてや銀行口座、その他資産をひも付けないと決めている。矜持にも近い。
健康保険は相互扶助制度だ。保険料を納め相互扶助に参加しているのに、マイナンバーカードじゃないと保険を使わせない、あるいは、割高にしてやるとは、どういう了見なのか。保険料を滞納して相互扶助に参加していない奴でも保険を使わせてもらえるのに。
これもショック・ドクトリンらしい。