日記2/1 皇帝の日記から考える塞翁が馬
(碌でもない! 人間とは碌でもない!)
罵倒を文学的に抑え込んだ結果のフレーズ。
顔を火照らせ足早に歩く。
酷い仕打ちを受けたのか。
目頭が熱くなるのを感じる。
人間万事塞翁が馬、
というが
今の気分は
人間万事、災難か不満。
天は人の上に人を作らないが
先を行く者の上に後の者が連なるので
スイカゲームが如く、
後者は大きな者の隙間に生きるしかなく
ゆっくり己が大きくなるか
邪魔なスイカが早く破裂しないものか
果実のようには甘くない人生を生きていく。
それはそれとして
今日は他人の日記を読んだ。
100年は昔の有名な方の日記なので
誰だか想像しながら読んでほしい。
この120年前の人物、
日々の長閑な姿を想像させる言葉。
その本、面白いですよねと
当時コメント欄のあるブログ日記があれば
そんな回答が見られたに違いない。
文学好きは本のタイトルだけで
相手に共感性を抱いてしまう。
ホームズ、三銃士、アンナ・カレーニナ。
レ・ミゼラブルの作者ユーゴーの
「93年」も読んだそうだから
感想をきいてみたかった。
しかし前年には
という、
実に書くのを躊躇する
周囲への不満を言葉にしている。
更に遡れば
大津事件の記述がある。
海外で相手国の護衛に襲われる。
そんな急死に一生を得た
サスペンスでフィクションな
けれど実際にあった話。
人生は塞翁が馬というけど
最初の慎ましく幸せな情景の
その前後には闇が挟まっている。
ニコライ2世は
ルパンとホームズの戦いを読んだ
その一年後に一家で処刑された。
最後の日記には
と記されている。
私なんかより余程
日記と向かい合った人だと思った。
私も今日は前半に
個人の日記らしく
愚痴を吐いてみたものの
それは万事塞翁が馬。
この苛立ちもまた
よくなる吉兆か
あるいは凶兆か
先のことは分からないが
それはそれとして
人として最低限、
夜に本を読める生活を
送りたいと思う夜に浸かったせいか
私の怒りは喉元を過ぎ去ったらしい。
折角遠くに行っても、戻ってくるかもしれないが。
そのときは
次は、
ついでに
立派な馬を引き連れてきて欲しいものだ。