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【シュリンプ飼育】迷ったら薄敷き水草水槽が鉄板という話【初心者向け】

初めましての方は初めまして。そうでない方はいつもお世話になっております。朝霧くもりと申します。

筆者は30 cm水槽でシュリンプを飼育しているのですが、色々と試した結果「ソイルを薄敷きにした水草水槽」が初心者には最もオススメできるという結論になりましたので、その理由や厚敷き水槽、水草無し水槽との違いを説明していきたいと思います。

この記事がどなたかのお役に立てれば幸いです。
それでは行ってみましょー!


主に二つの派閥がある

水槽のソイル・フィルターには大きく分けて二つの派閥があります。
一つは底床フィルター×厚敷きソイル(栄養系×吸着系)、もう一つがスポンジフィルター×薄敷きソイル(栄養系)です。

これらは科学的根拠に基づいており、それぞれにメリット・デメリットがあります。


底床フィルター×厚敷きソイル(栄養系×吸着系)

底床フィルターを使用し、ソイルを栄養系と吸着系をそれぞれ3.0 cm位敷く方法です。

メリット

底床フィルター、シュリンプが活動する床を清掃することができるため、ろ過機能に優れています。また、栄養系と吸着系を両方使用することで水草に栄養を与えながら有害物質をソイルに吸着させることができます。

これは一度水槽内でサイクルが回り始めるととても上手く行く方法になります。どういうことかというと、有機物質(エビの糞や水草の枯れ枝)を好気性バクテリアが食べて硝酸塩に分解(硝化)し、水草がそれを栄養として成長し水槽内に酸素を提供します。
それと同時に、嫌気性バクテリアが硝酸塩を完全に分解(脱窒)して水槽内の有毒な成分を改善に排除し、さらにpH安定化を図ります。
これを繰り返すことで、人間が一切手入れしなくても良い最強水槽が完成します。


デメリット

一方で、底床フィルター×厚敷きソイルはソイル掃除が非常に難しくなるため、メンテナンス性がかなり悪いです。また、栄養系ソイルは最初にエビにとって有害なアンモニアを放出するため、入れれば入れるほど立ち上げ期の水質が悪くなります

メンテナンス性が悪いからメンテナンスをしなくても良いように水槽内で完結にさせる、というサイクルを目指すわけですが、ソイルにも寿命があり砕けて詰まったりするとバクテリアのバランス崩壊につながりかねません。
水草の手入れや知識、二酸化炭素供給装置も必要になるため、正直言って上級者向けだと思います。

というかシュリンプ水槽以外ではタブーともいわれる方法のため、個人的には誰に対してもあんまりオススメできない方法です。


スポンジフィルター×薄敷きソイル(栄養系)

スポンジフィルター(無ければ外付けフィルターも可)を使用し、栄養系ソイルを0.5~1.5 cmほどの薄敷きにする方法です。

メリット

ソイルのメンテナンス性とろ過性能が高く、特に環境が悪くなりがちな立ち上げ期の水質が安定します。
また、特に重要なのが1.5 cm以下だと嫌気性バクテリアが生じない(生じにくい)という点です。嫌気性バクテリアは脱窒(水槽内の窒素循環)には非常に有効なのですが、条件が悪くなるとエビに有害な硫化水素などを放出する危険性があります。嫌気性バクテリア由来の有毒物質は底床フィルターであればリスクを減らすことが出来ますが、水流が底床まで届かない他フィルターではポツポツ死のメインの原因になると言っても過言ではありません。よって、嫌気性バクテリア自体を排除することでソイル周りの環境が悪くなりにくいというのがメリットになります。

では嫌気性バクテリアが完全に居ないのかというと、そうでもありません。底の方にフン等が貯まっていくと、そこで空気がシャットアウトされて嫌気性バクテリアが生じ始めます。バクテリアバランスが悪いことが問題なのであって、少しくらいはいないとむしろ硝酸塩が水槽内に残り続けてしまいます。硝酸塩は植物にとっての栄養になりますが、大量に存在するとエビに害を与えるようになりますので、自分は嫌気性バクテリアが少しだけ発生する1.0~1.5 cm位が好みの厚さです。

また、ソイルクラッシュ(ソイルが砕けて本来の性能を発揮できなくなること)が起きても足しソイルを行うこともできるため、中長期的に見ても安定して運用できる方法だと個人的には思っています。


デメリット

水草を生やしにくいというのが一番のデメリットになります。
ウィローモスやポットのまま使う水草なら問題ないですが、底床に根を生やすタイプの水草にとってはかなり致命的になります。技術力と運が必要になるので、水草も含めたレイアウトを考えたい人には向いていません。

それ以外にも、ソイル・フィルターのメンテナンスをある程度の周期で行わなければいけないという点がありますが、そもそも生体を入れる水槽は基本的に掃除するのが当たり前なので、1~2週間に1回の掃除をデメリットだと思う人はシュリンプ飼育自体に向いてないと思います。


結論

そもそも薄敷きでも底床フィルターを使うことも出来るため、水草レイアウトにこだわりがない人はソイルを薄敷きで使う方が良いです。

水草に関しては45cm以下の水槽はほぼ必須だと思っています。 酸素供給や栄養吸収などメリットがありすぎるので、初心者であればあるほどとりあえず水草は導入して損はありません
唯一農薬だけには細心の注意を払いましょう。

個体数の管理などで視認性が下がるのを嫌い、ブリーダー仕様のソイル厚さ表層のみ~0.5 cm程度の水草なし水槽を選ぶ場合は、水量が多く既にある程度の環境が整っている水槽でやりましょう。


〆の挨拶

ここまでお読み頂きありがとうございました!
今回は入れませんでしたが、好気性バクテリアと嫌気性バクテリアの働きについてもいずれ解説しようと思います。
解説記事を書きました!科学的な観点でしっかりとバクテリアの働きを説明しており、非常に参考になると思います。専門知識が無くても理解できるので是非お読みください!

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また次回の記事でお会いしましょう!
サラダバー!


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