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鈴木エイト氏とは何者か②:お人好しの一面も

狭い世界観の中での事実をカルト的思考で膨らませた「思い込み」を論拠として語る傾向のある鈴木エイト氏(ジャーナリスト)ではあるが、そのカルト的思考のせいか、ガセネタに簡単に騙されるお人好しの一面もあるようだ。

その例として、安倍元首相が統一教会の友好団体(UPF)のイベントにビデオ出演した際、5千万を受け取ったと本気で信じ込んでいることがあげられる。

エイト氏は、トランプ前大統領が1億円と推定される講演料を受け取ったという報道があったことから、安倍氏はその半額ぐらい受け取ったのではないかと想像したのだろうか。

また、鳩山由紀夫元首相に2019年、統一教会友好団体のイベント参加の要請があった際、教団側から鳩山氏に「謝礼」を持ち掛けられた、という朝日新聞の報道があったので、安倍氏にも謝礼があったと思い込んでしまったのだろうか。

前章でも触れたが、エイト氏の狭い世界観とカルト的思考は、間違った論拠を提示することがある。

彼の狭い世界観の一つに、アメリカ元大統領及び政界を引退した人物と日本の現職国会議員の違いについての無理解があると思われる。

アメリカ大統領は退任後、高額の講演料で各地で様々なイベントで講演することは、特別なことではない。オバマ元大統領やクリトン元大統領が結構高い講演料で講演を受けてることはよく知られていることだ。

謝礼を持ちかけられたと報道された2019年の鳩山氏は、政界を引退しており、引退後は、銀行顧問や企業の名誉会長などを務めていたようなので、出演料や講演料の話が出ても不思議ではない。

しかし、2021年当時の安倍元首相は現職の国会議員だ。当然、受け取ったお金は政治資金収支報告書に記載しなければならない。ビデオメッセージを送ることで、収支報告書に記載できない大金を受け取る、などという「リスクしかない行動をとるなどあり得ない」と通常の知識があれば判断できる。

しかし、エイト氏の狭い世界観では、この常識的発想が生じなかったのだろうか。あるいは、エイト氏の強い思い込みが、まともな判断をできなくしてしまったのかもしれない。

エイト氏は内部情報として得たとのことだが、それだけをもって真実だと思うとしたら、ジャーナリストとしてかなり危うい。仮に情報が寄せられたとしても、ガセネタの可能性が高いことは容易に分かる。まともなジャーナリストなら、その情報の真偽の裏取りをまずする。得た情報を垂れ流すのは、まともなジャーナリストのすることではない。

統一教会は、エイト氏の発信に対して、「事実に反する名誉毀損」に当たるとして、「誤情報の削除」を要請した。その「通知書」(2023年8月3日付)は、ネット上でも公開されているが、未だに該当するTwitter(現X)上の書き込みをエイト氏は削除していないようだ(2023年9月10日現在)。

たとえ誰かから何らかの情報提供を受けたとしても、ジャーナリストとして、その真偽を確かめる責務があるはずだ。彼にはガセネタの可能性の高い情報かどうかを判断する能力が欠けているのだろうか。彼のカルト的思考ゆえに、情報を自ら確認するという自律性を欠いているのだろうか。エイト氏が真偽を確かめる責務を果たさないとしたら、ジャーナリストとしての基本的な資質を欠いていることになる。

<続く>

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