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安倍元首相銃撃事件の真相①:ビデオメッセージと事件
2022年7月8日11時半ごろ、日本の憲政史上最も長く首相を務めた安倍晋三元首相が銃弾に倒れた。犯人は山上徹也。動機は統一教会(世界平和統一家庭連合)への恨みからだという。
宗教団体への恨みがなぜ安部元首相に
その後、1年以上に渡り、この大事件に関する報道の多くが、なぜか「安部元首相(または自民党)と統一教会の関係」に集中、そこに事件のカギがあるかのような報道が続いた。
そしていつの間にか「安部元首相と統一教会がズブズブだった」という不確かな情報が、事件の要因であるかのように扱われたりした。なぜなのか? そしてズブズブというのは本当なのか。
あらためて事件を振り返りながら、検証してみようと思う。
「ビデオメッセージ」に関心が集中したのは何故か
マスコミは事件後間も無く、警察が発表した山上の供述に基づき、「特定の宗教団体に恨みがあった」「安倍氏と特定の宗教団体に繋がりがあると思い込んで狙った」という報道をしていた。特定の宗教団体の実名報道をしなかったのは、本当に安倍元首相と統一教会が繋がっていたのか不明だったからだ。そして山上が「繋がりがあると思い込んで」という報道形式をとっていた。これも同様で、安部氏と特定の宗教団体が本当に繋がりがあったのかは不確かで、山上の「思い込み」、つまり「勘違い」の可能性もあると見ていたからだ。
大手メディアで、旧統一教会との実名報道が始まったのは、7月11日、統一教会の田中富広会長の記者会見の時からだ。
会見前後のころは、動機について、「安倍氏の祖父岸信介氏が特定の宗教団体(旧統一教会)を招いたから狙った」と主に報道されていた。
山上容疑者は岸信介元首相(故人)の名前を挙げ、「家庭を壊した団体を日本に招いたのが岸氏で、その孫の安倍氏を狙った」と供述していることも判明した。
山上徹也容疑者(41)が、恨みを抱いていたとされる特定の宗教団体について「(海外から日本に)招き入れたのが岸信介元首相。だから安倍氏を殺した」と話していることが、捜査関係者への取材で分かった。奈良県警は容疑者がインターネット上などの不確実な情報を信じ込み、岸元首相への反感を孫の安倍氏に向けたとみて調べる。
上記の記事で分かるように、安部元首相と宗教団体との繋がりは、山上の勘違いの可能性も視野に入れて、捜査、報道されていた。また、7月11日の段階で、ビデオメッセージについて触れる記事もあったが、主に「岸氏が招き入れた」が動機として報道されていた。
「安倍元総理がビデオレターを投稿していることなどを見て、殺すしかないと思った」という趣旨の供述をしていることが新たに分かりました。
「宗教団体の代表らが設立したNGO(=非政府組織)の集会に寄せられた、安倍元首相のメッセージを見たころに殺害を決意した」と供述していることが分かりました。
ビデオメッセージに関心が集中するようになったのは、7月11日の夜辺りからだ。なぜビデオメッセージが動機の主要因として報道されるようになったのか?
それは、安倍元首相のビデオメッセージが統一教会友好団体に送られたのは、統一教会の記者会見でも確認された事実である一方で、「岸氏が統一教会を日本に招き入れた」は、根拠のない陰謀論の可能性が高いからだ。
報道は根拠のない陰謀論を基にはできない。確認された事実を根拠に、その背景をさらに取材し、事実を積み上げて追求していくのが、調査報道の基本だ。
故に、事実が明らかになったビデオメッセージについての追求と確認を基に、安倍元首相と統一教会の関係を調べ、報道しようとしたのだろう。
そして、一年以上にわたった取材や調査の結果はどうだったのだろうか、「ビデオメッセージを見て安倍元首相を狙う決意をした」というのは本当だったのだろうか?
次にその点を見ていこうと思う。
<続く>
続きは、明日投稿予定です。