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証・明・写・真
以前証明写真が必要になり、当時住んでいた家の近所に撮りに行った。
「アゴ引いてください。」
「もうちょっと右へ。」
「あぁ、もうちょっと左へ首を少し傾けてください。」
と色々指示があった。
自分ではどういう風に写っているのか分からず、ただただ言われたとおりにするしかなかった。
当時はデジタル写真ではなかったような気がするが、何枚か撮った後、
「あのねぇ、こんな撮れば撮るほど酷くなっていく人は初めてですよ。」
な~にぃ~?!?!
お笑い芸人のクールポコ状態である。
元々顔にも写真にも自信はなかったが、そんなハッキリ言われたことはないし、第一こちらは一応客である。
帰り道、「なんちゅうやっちゃ!!」と呟きながら帰った記憶がある。
色々気に入らなかったが、時間がなかったので、結局その写真は目的のことに使うことになったが…。
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「やっぱり写真を撮るのは好きだけど、撮られるのはあんまり好きじゃないな。」
そう思って過ごしていた、数年後。また証明写真が必要になった。
今度は住所も変わったし、もしあのままあそこに住んでいたとしても、二度と行くまいと心に誓っていたので、親も必要時お世話になってる、実家近くの写真屋さんに依頼することにした。
今度は大変親切丁寧で、デジタルカメラ時代になったのもあり、何度か撮った写真を見せてくださり、納得のいく写真が出来上がった。
「あぁ、これで証明写真を撮る時はこちらにお願いすればいいし、イヤな思いをしなくて済む。」
と思いながら、お会計をしていたら、
「今日の写真はすぐに使われるということで、このままの状態でお渡しいたしますが、次回以降このネガで再度写真がご入用の場合に備えて、修正しときますね。」
えっ?!修正?????
「顔ごと修正?!」と思い込み、前回の写真屋とは違うショックを受けていた。いわゆる顔にタテ線状態である。
「それってどういうことなのでしょうか?顔ごと修正するということなのでしょうか?」(←それでは証明写真の意味がないのだが)
と聞くと、
「いえいえ、肌の色や血色加減、シミ等消して、少しでもキレイに見えるように修正するという意味ですよ。」と笑って店主の方は仰った。
良かった…全否定されることのない写真を撮ることが私にもできるのね…と安心して店を出たのだった。
しかし、修正しないとキレイにならないのかと、若干疑問が残るが…。
その後も何度かその写真を焼き増ししたものを依頼したが、なるほど、若干肌の感じがキレイに見えるような気がした。
多分お店が続いてる限り、これからもそこでお世話になるだろう。