Vol.7-「令和2年7月豪雨での球磨川氾濫の水害被害」インタビュー “球磨川氾濫が残したもの”
前回はくるまとEVについてお話ししました。今回は球磨川氾濫が残したものについてです
球磨川氾濫が残したもの
「いろんな方の支援を受ける一方で、例えば災害があった大分県の日田市とか福岡の浅倉、あるいは佐賀の武雄・大町町、あるいは遠くは岡山の真備町とかあちこち行ってきていろんな方の話を聞きました。被災者同士の心のケアという目的もありましたけれども、自分たちは先に被災しているので、被災後どういう復旧をされているのかとか、どういう行政の支援制度があるかとか、そういったことを情報交換をしたくて、オンラインではなくてコロナ禍で会ってきたんです。」
「いろんな話を聞いた中で、球磨川流域と大きく違うと現地に行って思ったのは、新築の家が建っていたことです。もう住民が戻ってきて生活を再建している、というのはびっくりしました。ここは災害から2年10-11ヵ月経つんですが、依然住民が戻ってきていないんです。建ってた家は公費解体されてるんですが、誰も戻ってきていないというのがこの球磨川流域の特徴です。理由の一つはこれからダムを作ったり、輪中堤(※)という堤防を作ったり、土地のかさ上げをしたり、これからその工事が始まるんです。だからまだ安全じゃないとも言えますし、残された多くの高齢者はそのお子さんたちがまた家を建ててほしくない、あと何年そこに暮らす家かわからないという理由もあって住民が戻ってこれていないというのは本当に大きな違いかなと思います。」
「この道の駅坂本でいうと、目の前の国道が一般車両通行止めで観光客が来ないという状況が続いている中で、地元生産者の生産意欲が続くように、地元の生産物を町外へ持っていっています。道の駅は本来お客さんをお迎えするとこなんですが、今わたしは毎週のように町外へ行って販売しながら球磨川の状況を伝えるという役割を果たしています。」
※輪中堤(わじゅうてい)ある特定の区域を洪水の氾濫から守るために、その周囲を囲むようにつくられた堤防。 輪中堤(堤防)を整備することで、 外水による浸水被害が軽減する。かさ上げ高さを超える洪水に対して現状に比べ家屋への浸水深を低減することができる。宅地をかさ上げすることで外水・内水による浸水被害が軽減されるというメリットがあります
インタビュー#8に続く
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