「豪雨の予感」第25話(水害被害ストーリー)
「そっか、よかった。雨止んで電車動くまでは学校おりや、そこの学校が一番安全やから」
「うん、毎朝前髪乱して通うだけのことはあった」
「災害はいつ起きるかわからんからな。うん、大阪の町が海の下やった何千年も前から上町台地は陸地やったんやから、豪雨くらいでは冠水しないはずやで、そこいたら大丈夫」
「うん、それよりもお母さんと健斗が心配やわ」
「うん、これからどれくらいの降るかわからんけど、在宅避難することに決めたとこ。避難所は鴫野小学校になってるんやけど、さっき健斗が言ってたとおり学校までの道は脛あたりまで冠水してるみたいやし、このまま雨が降り続いたとしたら体育館や校舎の一階にも水がくるかもしれへんしな。それにこの豪雨の中避難するって危なすぎる」
「ほんまやな!!お母さんかしこ!!」
「愛子のところは安心やな、ここは2階に避難してるし心配いらんよ」
「あ、心配といえばトイレやけど、さっきから流れへんくて、ゴボゴボいって…水嚢作って便器の中を蓋して、携帯トイレあるからそれつかってる。学校はトイレ使えてる?」
「え、そんなん考えてなかった、だれもそのことは話ししてないから大丈夫やと思うけど…」
「学校にも携帯トイレの備蓄があると思うからそれ使ってトイレしてな、トイレは我慢したらあかんよ」
「オッケー、そのこともお母さんから聞いたこと思い出してる。阪神淡路大震災のときは断水と停電で避難所のトイレが使えへんのに、トイレ我慢できひんし大変やってんな、避難してる人たちは流れへんトイレ使いつづけてて、臭いひどいし不衛生やし…そのうちにトイレ行かんでいいように水飲まんようにしたりごはん食べんようになったりで、亡くなる人も増えてきたって」
「そうやけどな、それからもう20年以上も経ってるけど、まだ災害用トイレを備蓄してるところはほんまに少ないと思うねん。今震災が起きたらきっと断水、停電になってまた「災害トイレ問題」がおきると思う」
第26話に続く
(このストーリーは実話を下にしたフィクションです。一部実在する名称を使用しています)
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