水の侵入によって発生する「くるま」の水害被害
前回は豪雨水害に伴い「内水氾濫」が発生した2つの事例で「くるま」にも影響を与えた事例をご紹介いたしました。今回は「くるま」への具体的な影響について考えていきたいと思います。
くるまが冠水することで発生する水害被害
内水氾濫などである一定の水位まで冠水すると、くるまは水没してしまいます。一般的には水位が50センチメートル以上になると動かなくなることが多いといわれています。まずエンジンや電気系統に浸水することでくるまは動かなくなりますが、さらに水位が増すとカビや異臭の発生・電装系の故障・床やシートの腐食などが起こる可能性もあるため、水没させないよう注意が必要です。また万が一水没した際にはエンジンを起動せず、すぐに専門業者に連絡をとる必要があります。
冠水することでくるまに被害を与える具体的な事例
くるまが冠水することで発生する具体的な事例を挙げました。
1、エンジンの水没:水がエンジンに入り込むと、エンジンが壊れる可能性があります。
2、ブレーキの損傷:ブレーキが水に浸かると、摩擦係数が下がり、制動力が低下する可能性があります。
3、電子システムの故障:電子部品が水に浸かると、システムの故障が起こる可能性があります。
4、燃料システムの損傷:水が燃料タンクに入り込むと、燃料の汚染や、燃料ポンプやフィルターの損傷が起こる可能性があります。
5、エアフィルターの汚染:エンジンに入る空気をフィルターで清浄化するエアフィルターが水に浸かると、エンジンが過熱する可能性があります。
6、内装の損傷:シートやカーペットが水に浸かると、シミや臭いの発生、カビや腐食の原因になる可能性があります。
7、タイヤの損傷:タイヤが水に浸かると、摩擦係数が下がり、グリップ力が低下し、スリップ事故の原因になる可能性があります。
8、オイルの汚染:水がエンジンオイルやトランスミッションオイルに入り込むと、潤滑性能が低下し、エンジンの摩耗や損傷が起こる可能性があります。
9、車体の錆び:水に浸かった場合、車体の下部やボディパネルに錆が発生する可能性があります。
10、車の価値の低下:水没事故が発生すると、修理費用がかかるため、車の市場価値が大幅に低下する可能性があります。
そのため冠水のリスクが想定される場合には、近くの高台やショッピングセンターなどの立体駐車場にくるまを避難させておくことで、冠水などの水害からくるまを守ることができるといわれます。しかしその避難の途中で渋滞(避難渋滞)に巻き込まれる危険性もあることから、くるま全体を包むカバーを使う方法を選択肢として考えておき、状況に応じて使い分けるよう想定しておきたいものです。その際には必要な耐水機能を備えているカバーかどうかはしっかりと確認しておく必要があります。いずれにしてもいくつかの選択肢を備えておくと、いざという時に余裕が生まれ、適切な判断や安心につながるのではないでしょうか。
まとめ
・くるまは50センチメートル以上冠水すると動かなくなることが多いとされています。
・エンジンや電気系統への浸水によりエンジンがかからなくなり、さらに深くまで水没するとカビや異臭の発生・電装系の故障・床やシートの腐食などが発生します。
・冠水のリスクが想定される場合には、くるまでの避難渋滞を避けるため耐水性などを十分に備えているカバーを備蓄しておくことでいざというときの安心につながります。
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