令和5年7月豪雨 秋田市での水害被害報告5(中通りでのインタビュー)
2023年7月19日から20日にかけ現地にて豪雨の状況をお聞きした内容を報告します。今回は秋田市中通・南通にお住まいの方にお聞きした浸水時のエピソードです。
「わたしは(道路沿いではなく)奥の方に居住していて、トイレとか排水がうまくいかなくて水を流しても流れていかずにたまる一方でした。そのうち便器から溢れてくるんじゃかないと心配になったのでビニールに水を入れて蓋して重しにしていました。それでトイレは、家に猫がいるもんで猫の尿取りシートを袋に入れてトイレができたのでよかったです。」
インフラ整備にはお金をかけたくない
「土曜の22時頃から増水し始めてあと徐々に引いていったみたいです。水が引いたのは日曜のお昼すぎだったと思います。それでトイレもできるようになりました。朝起きると向こう側の電柱とかドアのところまで水が上がってきてたんです。夜はこの排水溝からボコボコと水が出てきていたので雨水の排水が追いつかなかったんでしょうね。」
「近くに旭川が流れてますが、あの川が氾濫したことが幼いときにあったのを覚えてます。昭和30年だったんですか、そしたらもう50年以上も前ですね、そのときわたしは7歳くらいだった計算になります。今回の浸水は川からでなく南大通りから流れてきてました。流れてきた水がこっちの路地にも入ってきたんだと思います。ここは南大通りよりも少し高くなってるので冠水も南大通りよりは深くなかったと思います。」
「ここ豪雨水害をきっかけにまたインフラの整備をするとなるとお金も時間もかかりますよね、秋田市はハコモノばっかり作るんですよ、これからも人口が減って年寄りばっかりになって若い人が少なくなります。全国どこもそうですが、そういう社会背景があるので住民としてはインフラ整備にはなるべくお金かけたくないんですよ。でも必要ないハコモノがどんどん立ってくるんだけどね、難しいですよね。これから温暖化が進んでまた豪雨が来るかもしれない備えとかないとって、市役所の方々にしてみればインフラ整備をせざるをえないのかもしれません。『やっとけばよかった』って市民の方から批判されるかもしれないとなると。」
『秋田は大丈夫』って皆さんおっしゃいます
「もしかしたら、太平山のあたりにダムがあるんだけども、あまりに雨量が多かったのでダムが決壊する前に放流したという話しも聞こえてきます。それで下流では水嵩が増して、氾濫した川もあったり氾濫していなくても内水氾濫を起こしたりして今回の冠水につながったという面もあるのかもしれないですね。まさかね、皆さんおっしゃってます『秋田は大丈夫』って。台風もほとんど直撃はなくて雪もそんなに積もらないし、だから今回は避難が遅れたり、排水許容量にも影響したのかもしれない。インフラ整備する際に決める排水許容量は過去の水害の時間雨量も参考にされてると思うんですけど、過去に水害があまりなかったがために起きたのかもしれないですね」
「くるまの浸水ですが、ここももう浸かって動かなくなったんじゃないかな、あの方もそうですし、駐車場にあった車も合わせて3台くらいそのまま置いてあって動かなくなってたし、レッカーで運ばれたくるまもあるんですがレッカー待ちも多くてなかなか移動できないって聞いてます。くるまないと困るんですよね、くるまを水没から守るための商品も必要なんでしょうね