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『ライカムで待っとく』

内陸の人間が穏やかに過ごすために押しつけてきた沖縄の実情について、向き合うことなく暮らしてきた。 この演劇という方法での訴えかけは、そんな私たち観客をすっかり物語に取り込んだ。 終盤に向かうにつれて客席の空気が明らかに変わるのを感じた。戸惑いや葛藤が充満していたように思う。 「ー中立は権力につくということ」 「ー悲しんでいる顔しているときは寄り添うよ」 などといった台詞(うろ覚え)からは、諦めと軽蔑を受け取り、動揺した。 基地や発電所ほか、一部の人間が豊かになるためにつくられ

    • 五分後の世界

      主人公の小田桐は、自分の実力を知ったうえで世界の不条理さを受け入れる。それは諦めとはちがう、前進。「頑張らなくてもいい」 という時代の風潮に、縋るように息をしている身としては痛い内容だった。でも夢中になって読んだ。 生きることが不条理なのはあたりまえ 嘆いている暇なんて私にはないはずだ。と思ってみるよ

      • 挙式参列者の心得

        友達のブーケトスは本気で取りにいくこと! ブーケを落とすなんて悲劇は二度と起こしてはならない

        • 『パストライブス/再会』をみた

          パストライブスという映画をみた。 劇中でキーワードとなる「イニョン」という言葉は 韓国語で"摂理"とか"運命"とか、そんな意味合いで使われているらしい 物語が進んでいくなかで、かつて時間を共にした人たちの顔が、登場人物と重なり何度も浮かんだ ここ数年、出会いや別れについて考えを巡らせる機会がたくさんあったためか、どうしようもなく苦しい場面があった 袖が偶然かるく触れるのもイニョンであるなら この人生のほんの一瞬でも、感情や空気をわかちあえたことは、とても尊い時間だったといえる