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食走眠日記~ラジオ英語講座を始める

2024年1月〇日

昨年末、近所のお好み焼屋さんでのこと。
僕が注文した1枚が焼き上がるのを鉄板前の席で眺めていたら、一人の客が入ってきた。その瞬間、店のおばぁちゃんが僕に「助けて」とアイコンタクトを送ってきた。
「えっ何?」と振り返ると、外国人が店の壁に貼られたお品書きを指さして「Which なんとか かんとか?」と言っている。
どうも察するに、「わし、お好み焼きが食べとうてこの店に来たんじゃがのぉ、どれを頼んだらええんじゃろうか。よく分からんけぇ教えてつかぁーさいや」と言っているみたい。

「広島で一番よく頼むんは肉玉ソバじゃが、あんたぁ豚肉は大丈夫かいのぉ?小麦や卵アレルギーはないかのぉ?追加でイカ天を入れたら美味いんじゃがどうする?最後にネギを乗せたらインスタ映えするで」
言いたいことは次々浮かぶが、単語が出てこない。

「えーっと・・」
とっさに鉄板の上で今まさに焼き上がった僕の1枚を指さし、思わず出た言葉が「Sameでいい?」。
おいおい、英語か日本語がハッキリしろ!と自分に突っ込みを入れたくなるが、それでも彼はニッコリ笑い「OK!」と言ってくれた。しかし、言葉が通じない哀しみが笑顔の裏に見えたのを僕は見逃さなかった。店のおばぁちゃんからは「頼りになるねぇ」と感謝されたものの、自分としては納得がいかない。

これでは「今日、外国人と国際交流した」とは到底言えないだろう。
Sameという単語が頭のどこから湧いてきたか謎だが、それにしても情けない。せめて一言二言くらいは喋れるようになりたい。よーし、一丁やるか!今流行りの「大人の学び直し」「リスキリング」だ!

とはいえ一体何から始めよう?いきなり英会話スクールに通う勇気はない。教室に入った瞬間「寡黙と静寂の人」と化し、部屋の片隅で涙を浮かべている自分が想像できる。そうだ、こんなときは原点回帰だ。中学生の頃、半ば義務的に聴いていたNHKのラジオ講座「基礎英語」だ。

そして、始めて数週間・・・この勉強が面白いのなんのって!知らない単語やフレーズが次々出てくる。特に「中高生の基礎英語 in English」に至っては、15分間英語オンリーなので、最初は何を言っているのかサッパリ分からない。そこで、分からない箇所に赤ペンを引き、ひとつひとつ辞典で調べて何度も発音しながらノートに書き写す。平日、晩御飯の後あっという間に1時間くらい過ぎてしまう。もう酒を飲みながらテレビを見ているヒマはない。休日は、みっちり2~3時間。勉強ってこんなに楽しいものだったのか!


中高生の頃、これくらい熱心にやっていたら今ごろもっと違う人生を送っていたのではないだろうか・・
海外旅行に行く当てもないのに意味があるだろうか・・
手を止めた瞬間いろいろな想いが頭をよぎるが、そんなの関係ない!
「何事も始めようと思い立ったときに、遅すぎることはない」50歳を過ぎてからピアノを始めた黒柳徹子さんもそう言っているではないか。

Okay,Let's have fun learning English today! さぁ、今日もやるぞ!

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