見出し画像

強がりは本当は弱いから

昔の会社に、とても負けず嫌いな人がいました。
弱い自分を知られたくないから、
目一杯強がって、キツイ人になっていました。
強がっていないと、いつ弱い自分が出てしまうか分からないからです。

本当はとても脆い心の持ち主なのに。

その人は、社内の他の人には、弱い自分を見せませんでした。
でも、私には、弱い自分を見せてくれました。
ご主人のこと、お母さんのこと、仕事のこと、
色々なことを話してくれました。
時に、私の発する言葉を、
そっかぁ、そうだよねぇと素直に聞いてくれる人でした。

私はずっとその人より年下でしたが、
〇〇(私のあだ名です)は強いねって言ってくれる人でした。

その人は、生まれつき、顔に濃くて大きな痣がありました。
けれど、女性なので、お化粧で隠していました。

そんな生い立ちもあってか、
弱い自分を他者に見せない人でした。

でも、私にだけは、弱くて脆い自分をみせてくれました。
社内では、ギスギスした雰囲気を醸し出す人でしたが、
私の前では、可愛らしい一面も見せてくれる人でした。

お子さんはいなくて、ご主人とお二人で暮らされていました。
ご主人のことをとても愛おしそうにお話しになったあの日のお顔が目に浮かびます。
私が退社をして、一年後くらいに、耳にしました。
ご主人と離婚されたということを。

ここで、何が原因だったかは明かせませんが、
私はその理由を知っています。

私達は、お互いに、一人っ子でした。
もしかしたら、私のことを妹のように思ってくださっていたのかもしれません。
私のことをとても大事にしてくださいました。

もうずっとお会いしていませんが、
お元気だといいなと思います。
幸せに暮らされているといいなと思います。

強がってばかりいたのは、
本当は弱いからですよね。
弱い自分を知られたくなかったんですよね。
あなたの優しさは私にはいつも届いていました。
私は今でも、あなたのことが大好きです。


いいなと思ったら応援しよう!