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【3D間取り提案】約25坪旗竿狭小地。Part3【最終回】

こんにちは。
毎日推し建築家の設計した住まいを紹介している、一級建築士のこじこじです。

この記事は前回(Part2)からの続きです。
まだPart2をご覧になっていない方はまずこちらから読んでいただくとスムーズです↓


住まい手の感想(おさらい)

改善したい点その1&改善プラン(1階)

土間収納やウォークインクローゼットなどの収納が足りないかも
 (駐輪場は1台で十分なので代わりに内部収納を増やしたい)

改善前の1階平面図。

たしかに1階の収納が少ないかも。
ということでまずは1階の収納関係を改善するところから始めました。

・衣類はファミリークローゼットにまとめて収納したほうがサニタリー動線としては合理的。
・ともすれば寝室は壁面収納を無くしてもっとコンパクトに作れそう。
・駐輪場もコンパクトにして、玄関土間を少し広げれば土間収納もとれるかも。

・・・ということで修正した間取りがこちら。

改善後の1階平面図。


1階断面パース。


玄関の土間収納。

玄関の土間収納は造作の下駄箱とカーテンで隠しつつ、前庭に向かって窓を開くことで昼間は照明をつけなくても明るい玄関になるようにしました。


サニタリー動線を合理的に。

脱衣室の向かい側にファミリークローゼットを設けることで、洗濯乾燥した衣類を最短動線で収納できるようにしました。
出入口をカーテンにしたり、坪庭に面して窓を設けることで湿気がこもらないように配慮。


WCと主寝室廻り。

WCは階段下を有効活用しつつ向かい側に洗面を配置して手洗いがスムーズになるように。(下には猫ちゃんのトイレを配置。換気扇も一緒に計画してあげるとgood)
また主寝室に近いWCは老後を見据えた配置計画です。

主寝室は必要最小限のスペースとしたため、奥には納戸もつくることができました。季節ものの寝具や扇風機など意外とかさばるものは多いのでまとまった収納室があるのは便利だと思います。


主寝室から坪庭を見る。
主寝室内観イメージ。必要十分な広さでかえって落ち着くかも。

主寝室の南窓には和障子の内窓をはめ込んでプライバシーに配慮しながら光を取り込む計画としています。
また出入口の引き戸を開放すれば坪庭の緑も見えるように


改善したい点その2&改善プラン(2階)

ダイニングキッチンはもう少し東側に抜け感のある、楽しげな雰囲気にできそう(L型とか!)

改善前の2階平面図。
修正前。キッチンからダイニングを見る。

キッチンは背面のカウンター収納のせいもあってか、少し窮屈なイメージ

隠せる収納を確保して生活感はうまく隠しながら開放感も出したいかも。

・・・ということで修正した間取りがこちら。


改善後の2階平面図。


2階断面パース。キッチン部分。

L型のキッチンと島状の作業台をつくり、オープンで動きやすいキッチンにしてみました。
奥行は550mmと少しコンパクトですが、横に長いのでこれはこれで使いやすいワークトップになっていると思います。
そして冷蔵庫含め生活感の出やすい家電類は隠せるパントリー収納の中へ。


ダイニングからキッチンを見る。

そして東側は3階につながる吹抜けとして、高い位置から午前中の光を取り入れる大きな窓を計画してみました。
この窓は高い位置に設けることで北東側隣家の視線を感じることなく青空を感じられるように調整しています。
この吹抜けのおかげで、修正前と比べてだいぶ空間的な広がりが生まれたように思います。

東側の大きな窓。外から見るとこんな感じ。


キッチンからダイニングを見る。


改善したい点その3&改善プラン(3階)

子供が思春期の男女なのでスタディコーナーは想定通りの使い方はしてくれなさそう

改善前の3階平面図。

確かに2人のお子さん共有のスタディコーナーは姉弟だと年齢を重ねるにつれ使われなくなっていきそうだし、受験勉強なども考慮するとそれぞれの個室内に学習スペースがあるほうが理想的
ウォークインクローゼットは1階のファミリークローゼットで事足りていると思うので無くすことにします。
このように個室の充実化を図りつつ、とはいえ2階LDKとのつながりも確保しておきたい。空気が繋がっていれば2階にいる親御さんとのコミュニケーションもとりやすいと思うからです。

このようなことを考えつつ、改善した間取りがこちら。


改善後の3階平面図。


3階断面パース。

2つの個室は最大限面積を取りつつ、それぞれに吹抜けを設けてみました。

西側の個室はリビングと、東側の個室はキッチンと吹き抜けを介してつながっています。
吹抜けとつながっている部分には室内窓をつけることでお子さんのプライバシーにも配慮しつつ、完全には分断されていないというある種の安心感が生まれるようにしています。


東側個室はキッチンとつながる。

種明かしをすると、東側の個室は先ほど説明したキッチンの吹抜けを介して繋がっています。
「ごはんだよ~」「はーい」って会話が生まれたりしたらいいなぁと思いつつ。

西側個室はリビングとつながる。


以上の改善プランをモニターさんにご覧いただき、感想を頂戴しました。
正直嬉しすぎる感想ばかりだったので、ほぼ原文のまま紹介させていただきます・・・(スミマセンゆるしてください。笑)

住まい手の感想

・3階と2階のつながり感が吹き抜け2ヶ所でめっちゃ素敵になってるのが感動しました!

・キッチンも理想のイメージとして挙げていた佐藤・布施建築事務所さん感満載で非常に素敵です!このまま作りたい~

・東側3階開口からいい感じの光が入ってきそうですね。逆に2階も窓にしちゃうと夏は激暑いんでしょうか?(→暑さ対策や外部からの視線等についてお答えしました)

・冷蔵庫の収まりもまさに理想的で、調理中のイライラが解消されます。

・固定概念が覆されたのが一階の間取りです。確かに、ファミクロと洗濯機、脱衣は繋がってて欲しいですが、洗面所と繋がってる必要はないんですよね。洗面がトイレの前にあって、さらに機能的になってて目から鱗です。

・玄関周りのSICも下駄箱で目線を隠すのが秀逸ですね。米とか通販で買ったものとか、とりあえず置いておこうなものの置き場にも活躍しますし、ドアがないから湿気やカビ問題も良くなりそうですし素晴らしいです。

・すごくいい間取りだなぁ…さすがだなぁ…と感心しました。

・こんな素晴らしいものがほぼ無料で提供いただいてよいのか…?と 大変心配しております。 メンバーシップお得すぎる!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あぁ、3D間取り提案。

始めて良かったあああああ!!!!

・・・と、心から思えた瞬間でした。

3回に渡って紹介してきたモニターさんとの3D間取り提案の紹介は今回で以上となります。

こんなイメージで今後はメンバーシップ向けに3D間取り提案をシェアしていきたいと考えています。

★具体な流れ

  1. メンバーシップ参加者の方から3D間取り提案を受けたい方を募集(定期的に)

  2. 依頼者を決定(先着or抽選or長期加入者を優先)

  3. 依頼者要望ヒアリング【TwitterDMなど使用】

  4. 3D敷地図の作成・公開、要望概要の掲載【全体公開記事にて】

  5. 3D間取り作成・公開、法規制や設計主旨説明【メンバー特典記事にて】

  6. 依頼者修正要望ヒアリング・質疑応答【TwitterDMなど使用】

  7. 間取り修正案公開(1~2回)【メンバー特典記事にて】

ちなみにこの記事公開時点で第2号の方まで予約が埋まっております。メンバーシップ加入者の方からのご応募は常に受け付けておりますので、是非検討中の土地情報と共にご相談いただけると嬉しいです・・・!

ご相談のご連絡はX(旧Twitter)アカウントのDMもしくはメールアドレス(cojicoji1991@gmail.com)まで!


★こんな人におすすめ

・気になる土地があるけど購入の踏ん切りがつかない人
購入前の土地で具体的な間取り提案を受けることができます。
土地が決まっていないのに3Dの間取り提案を(タダ同然の金額で)受けてくれる建築家さんや建設会社さんはなかなかいないんじゃないかと思います。
土地購入の一助になることができると思っています。

・自分以外の人の家づくりの雰囲気を味わいたい人
大抵の人にとって家づくりは初めての体験。しかも設計施工分離の建築家さんに頼むとなると、余計ハードルが上がると思います。実在の土地を題材として要望が形になっていく過程や間取り・要望の変遷などを眺めながら「こんな風に設計って進むんだ」「建築家さんってこんなこと考えてるんだ」ということが事前に分かれば、最初の一歩が踏み出しやすくなると考えています。少しでも建築家さんとの家づくりという選択肢が増えてほしいという私の希望でもあります。

★留意点

・あくまで設計の大切さや検討している土地のポテンシャルを知っていただくための参考データとなりますので、実際の設計図とは異なる点をご理解いただければと思います。
・小職にて実際の設計・工事監理や施工会社さんの選定を行うことは想定しておりません(実際に依頼する設計事務所さんや建設会社さんに参考資料として3DモデルのURL等を共有いただくのはOKです!)。この「設計契約を結ばない前提であること」がある種のメリットでもあると考えています。(気軽に依頼できる)
・(個人情報等は当然控えた上で)敷地の3Dデータやご要望の概要(世帯構成など含む)の全体公開、3D間取り提案のメンバーシップ限定公開にご理解のある方のみとさせていただきます。

★この新しい試みの革新的なところ

通常の設計業務は「特定の方から決して安くはない額を頂戴してその人だけに成果品を納める」ので、他の人が受けた提案や設計のプロセスは当然知り得ません。 一方でこの取り組みの革新的なところは、「複数の方から少額を頂戴して全員に設計手法をシェアする」というところです。タダ同然の金額で視覚的に分かりやすい提案を受けることができるのはもちろんですが、自分以外の人が受けている提案や設計プロセスを見続けることができるのが真のメリットだと考えています。

今回は以上となります。
皆様からのご連絡、是非お待ちしております!

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