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こんな施主は嫌だ。5選

こんにちは。
毎日推し建築家の設計した住まいを紹介している、一級建築士のこじこじです。

楽しくも難しい「打ち合わせ」


実は私も建築士の端くれなので、設計業務を日々行っています。
一番楽しいのはプランを作っているときです。

でもそれと同じくらい楽しいのは、お客さんと打合せを行っているとき。
お客さんとの打合せでは自分が知らないことや思いもしなかった新たな発見があったりして、プランを作っている側としてもワクワクする瞬間です。

その際、当然お客さんからすると建物のプランを考えることなんて初めてのことなので、打合せの進め方はプロである設計者がリードしていきます。

ただ、中にはリードしづらい施主がいるのも事実です。
それでも良い方向に導いていくのがプロとしての仕事なのですが・・・。

タイトルは少し過激になりましたが、普段設計業務を行っているプロ目線で、「このひと、正直ちょっと手ごわいな・・・」という施主の特徴を5つ紹介したいと思います。
なお、私個人の考えであってすべてのプロが必ずしもそうとは限りませんので、悪しからず・・・。

こんな施主は嫌だ。

第5位

要望が具体的すぎる

「LDKは最低20畳はほしい」
「対面式キッチンは譲れない」
「ランドリーとパントリーをつなげてほしい」
といった具体的すぎる要望を聞くと、「なるほど、いったん落ち着きましょう」と言いたくなります。
打合せに向けていろんな事例を見ながら予備知識を蓄えてこられるのですが、頭でっかちになってしまっていることが多いように思います。

例えば、リビングのソファの置き方。
同じ床面積でも、部屋の真ん中にドンと置くよりも、壁に寄せて配置できるように間取りを考えたほうが広く感じたりします。また、必ずキッチンと洗濯動線がつながっていないと不便かと言えば、そうではありません。

家づくりの最終目標は理想の暮らしの器を作ることです。理想の実現へのルートは何通りもあって、プロは敷地条件や構造強度、経済合理性などの様々な制約をクリアしながら正解のルートを探し出します。

要望が具体的すぎるということは、いきなりそのルートを施主側から提示してしまっていると言えば分かりやすいかと思います。

なので、「こういう暮らしがしたい」という到達目標をふわっと伝えていただけたとき、「あぁ、この人は施主力が高いな」と感じます。

決して具体的な要望をしてはいけないとは思っていません(体感ではそういう方の方がむしろ多いです)。ただし、「つまりそれは、こういう事ですか?」「○○したいから、ということですか?」というやりとりが毎回ワンクッション入るんですね。プロが知りたいのはいつでも「要望の本質」です。

分かりやすく一例を挙げてみます。

たとえば、「寝室は1階が良い」という要望。このままだと「ちょっとタンマ」となります。
それでは、この言い方だとどうでしょう。

「階段を上がれない犬と一緒に寝たいから寝室は1階が良い」
とても腑に落ちますよね。
必ずしも1階が正解とは限りませんが、住まい手の思いや理想の暮らしの解像度が一気に高まったことは確かです。
本質が伝えられれば、要望は具体的でも良いのです。

第4位

要望がないフリをする

高いお金出して家つくるのにそんな人いるの?と思う人もいるかもしれませんが、実は結構います(特に少し年配の男性に多いイメージ)。

どういうことかというと、「君の好きにしていいよ」タイプです。
奥さんにすべてを任せる!と言い切る旦那さんって結構多いんですよ。
俺は特にこれといってこだわりないから、とか、書斎だけあれば満足かな、とか言うんです。
でもプランが煮詰まってくると見えてなかったものが見え始めて、「・・・ここはもっとこうしたい」と小声で言い始めます。
1つ2つならいいんですが、往々にしてそれだけでは済みません。
奥さんもズッコケますよね。好きにしていいって言ってなかった!?って。
これは私も奥さんに同意せざるを得ません。

プランを作る方は最初から全力なので、要望する側も初めから全力で要望してほしい、というのが本音です。その方がお互いの為でもありますよね。

プランが出来上がってくると細かいところに目が行くのは仕方のないことで、最後まで黙っていられて引渡しの後に文句を言われるよりはマシなのですが、それでも初めから全力で向き合ってほしいとは思います。
(そもそもプランを見せてもらってから考え始めるという人は、自分の理想の暮らしを理解していないことが多いです)

そしてこれの難しいのは、「俺はそんなにこだわりないから」と言われても「本当ですか・・・!?実はこだわり、あるんじゃないですか??」なんて劇詰めできないところ・・・・。(できたらいいんですが、たぶん嫌われます。笑)

第3位

家相を重要視しすぎる

家相を重視するかどうかは人によるのですが、私はヒアリングの最初期段階で「家相を気にされますか?」と聞きます(ほんとは「家相の要望には対応できません」と言いたいし、実際にそうしている建築家さんは一定数います)。

家相の存在自体を否定しているわけではありません。家相も家づくりの「気持ち」面を担う要素の一つだからです。家相を重視する建築家さんもたくさんいます。

私が「嫌だ」と思うのは、「家相を最優先すること」です。
南東と北西は「鬼門」「裏鬼門」と呼ばれ玄関や水廻りを配置してはダメとか、建物の一部が出っ張ったり引っ込んだりする「張り」や「欠け」はあまり良くないとか・・・とにかく気にしはじめると収拾がつかなくなるんですね。(以前関わった物件では、「そもそも家相でいう北って真北なの?磁北なの?」という話になり、「これって何の意味があるのだろう・・・」という気持ちになったことがあります)

本気で住まい手の理想の暮らしや居心地の良さを追求してプランを作っている身からすると、
本来の家づくりの目的だった機能性や愛着、誇りなどの気持ちをないがしろにしてまで優先するものではないと私は考えています。


さて、ここまで愚痴のようにつらつらと書いてきましたが、正直5~3位は「嫌だ」なんて言ってたら仕事になりません。というか、プロ失格です。
「いやよいやよも好きの内」です。

・・・だがしかし。

ここから紹介するのは、私が「本当に嫌だ」と思っている施主です。

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