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20新技術を習得・実践試用

機会あれば、私は種苗会社の研究農場において開催される研修に参加している。なぜなら、新しい開発品種や種苗のトレンドや、研究者達が用いる資材の有益性や利便性、新開発の栽培方法等の解説聞いて、自己農産経営に生かす事が有るかも?と、何かを期待して積極的に訪れている。滋賀県JR草津線・甲西駅から少し離れた丘陵地の上にその種苗会社の広大な研究農場が有る。
この地域には他社の研究農場が有り、どちらも私にとっては、重要な知識吸収の場所でも有る。特に興味を引くのは、緑肥。アレロパシー効果を期待してのコンパニオンプランツとして、主たる栽培品目と混植する技術であったり、そん緑肥植物が圃場を被覆するように育つ性質を利用して、雑草を抑止するカバープランツとしての利用方法の研究成果の実際を見る事は、年々、開発とその実施結果の報告を見る事が楽しみである。

《カバープランツ》
圃場地表に広がって生育するカバープランツは他の雑草の種子が地表に落ちるのを防ぎ、且つ、太陽光を遮る事によって発芽を抑制する。
下記画像はその例である。費用的には高価で繁茂までの管理に労力を必要とするが、その雑草生育抑制効果は絶対であると断言できる。実際、研究農場の各所に於いて、雑草生育抑制効果の実際を見学する事ができる。

生育状態の畔を研究農場では見る事ができるが、景観も優れている。

《ソルゴー》
障壁作物として利用すれば、隣り合った作物を分け隔てるように生育させれば、農薬散布した時に於いて、農薬のドリフトを防止する効果を発揮する。
又、その中に、害虫に対する天敵が生育する事も期待が出来よう。
生育長が高いものから、腰高くらいのものまで種が有り、栽培する作物に適切な高さを選ぶことができる。又、土中にすき込む事で速やかに土壌と同化して処理も簡単である。

京都府農林研究センター(亀岡市)研究圃場で、
ソルゴーをナス栽培圃場で障壁作物として利用されていた。

《景観作物》
私が一番興味を持つ作物が有る。赤い花を咲かせるソバ=【高嶺ルビー】である。ネパール辺りを発祥とするソバのこの品種は、信州大学と種苗会社で研究がされて、日本の土壌と気候に合致するように改良された品種である。長野県・伊那で景観作物として栽培されていて、観光資源として栽培されているとも聞いた。その実で蕎麦料理をも提供しているらしいが、一般の白い花を咲かせるソバよりも収量は対比30%程しか取れないらしい。又、白い花を咲かせる一般ソバ種の花の臭いは独特の臭いを出すが、この高嶺ルビーは臭くない。

高嶺ルビーの花

【ヒマワリ】の土壌に対する土壌改良効果は古くから知られているが、最近では、ヒマワリが人気みたいだ。又、品種も黄色を中心とした花弁であるが、その色調の種類も増えてきた。育てて土壌改良を期待しても、休耕圃場や耕作放棄地を少しの整備で雑草繁茂する季節に健やかなヒマワリを地域特色として来訪者にアピールするのもよろしいのではないかと思う。

背丈が高くないヒマワリの品種が人気のようだ。画像のヒマワリも約120cmの高さ

《開発種》
種苗会社が開発しようとする新しい野菜種は、農業者が労力減少して作り易い品種と、食味良化を中心として置いた品種と、消費者趣向の変化をリサーチする事との合算を追求するから開発が始まっているように研究農場を訪れる度に思う。下記画像は、人参の開発中の新品種で商品名は無く、まだ整理番号だけの状態で発売前の品種である。このような情報が、研究農場には溢れているので興味を持たざるを得ない。他の生産者より、少しでも品質や取引価格で優位に立つ為には、研究農場で研究者や開発ブリーダーと質疑応答できる機会を大切にする事は、利益追求を求める農業者の姿勢として必須である。

形の揃いがよく、秀品収穫率が高い品種を開発した販売前の開発中の人参である。

《新しい営農方法による省力化》
下記画像は、ネギ苗の定植方法を省力化する方法で、ペーパーポットへ播種を行い、簡単な定植器を使用する事によって実省力化を実行している。

ペーパーポットに播種し、苗を宣湯に機器で畝を引く事によって、一気に植え溝を切り、苗を置き、苗元へ土を寄せるのを可能にした省力機器である。

繰り返し述べるが、ほとんどの新しい農業技術は、その殆どが、省力化を主とした技術である。屈んで立つを繰り返す営農スクワットを軽滅する目的追求したモノが多い気がする。又、資材に関しては、地温管理を考慮したマルチの種類を現物を見て知る事もできるし、流通が少ないモノは、購入方法もアドバイスが有ったりする。農業技術の知識吸収は、月刊誌であったと思うが専門誌も出ているのであるが、年に2回(夏取り作・冬取り作)の研究農場公開日に参加できるように種錨会社とコネクションを持ち、参加目的をもって訪問するのが有意義であろうと思う。なにより、実際を見る事ができるのというのは、開発者や実際に利用している状態を判断基準を見つける事ができるので、判断基準が明確になる。結果、無駄な買い物や行動等をしなくなる。
自身にとって、必要・不必要の判断が確実になるのである。
又、研究者に質問をぶつけてみると、その回答に、【目から鱗】な事が多く、私は、その話の内容を営農に役立てさせていている事が多くある。

京都府農林業研究センターの公開日には各研究内容をガイドする圃場見学会が催されている。
毎年,盛夏の時期で、ふるまわれる圃場で作られた冷たいスイカが嬉しい。

種錨会社の研究農場だけでなく、地方自治体の農林水産業の研究機関でも公開や講座を公開開設しているはずだから、積極的に見学訪問・聴講するのも良いであろう。

今回は、ここまで。
ではまた、次回。

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