11農作物生産と耕作地適正化
《耕作地の生産性と収益性を良好にする。》
生産を計画している作物に適した土壌へ改良の必要がある。これは土壌成分が各作物によって生育時に生産物が要求する養分成分が違うからである。この項では、大雑把に記す事で話を進めていくが詳細に於いては、別の機会でより緻密に作物品種別に記していきたいと思う。
さて、種子を購入すると、その種子の作物の生育要点が記されているものが多い。これは、その種子のメーカーの品種改良に携わった品種開発ブリーダーが開発段階でその種子の生育特性を購入者に伝達する重要な文言である。
私は、聖護院かぶらのある品種を栽培して漬物原料として漬物事業者向けに販売をしているが、漬物事業者の加工に適した形状に仕上げる為の技術をブリーダーから直接教えていただいた。聖護院かぶらの生育特性は、発芽後、本葉が立ち上がりその葉が大きく円周形に葉の展開を元気に育てる事が、最良であるが、実(根の部分)に関しては、種を播く前に肥料を施しておき、その肥料成分が収穫まで持続する分量を施し、効果が持続する事が望ましい。しかし、途中の気候変化で生育に影響して、形状が横に扁平に広がり、重量当たりの製品完成時に於いて完成歩合が下がる事を漬物業者は嫌う傾向が有る。扁平に広がった聖護院かぶらは、1個から3袋の製品ができるとすれば、聖護院かぶらの扁平形1個では無く、底部から上部の葉株までの高さが有る方が5袋の製品ができるのであれば、その評価はどちらが有利であるかが分かろうかと思う。千枚漬は聖護院かぶらの外皮を厚く剥いて、中心部を水平方向にスライスして漬け込むから、横に扁平で重量が有るよりも、同じ重量ならカブの高さが有る方が、多くの製品を漬け込む事ができる。で、扁平に広がる要素は根が太り果肉に変化する初期の成長期に窒素過多の状態で土壌水分量が多いと扁平形になる確率が高いのである。水分が少なく養分が適切から少ない目で初期に育ち始めた時は、聖護院かぶらの先端は横に広がらずに下へ下へ伸長する性格を持っている。ある限られた時期にそれが均等に横に広がりはじめる性質を持つのが一般的な聖護院かぶらの肥大化の順序である。従い、私は初期からの生育に於いて、水分と養分が過多の状態にならないように、潅水と施肥管理を慎重に努めるようにしている。更に追肥でしっかりと成分調整ができるような膨軟な土壌をつくる必要がある。例として、聖護院かぶらを取り上げたが、他の野菜でもその生育特性に合わせた管理ができる土壌を作る事が重要である。見出し上の画像が千枚漬の製作過程で重要なスライス工程である。見て取れると思うが高さが有る方が、品質的に優秀である。下記画像は収穫した聖護院かぶらの加工特性がベストな形態と重量の画像。
《追記》
米作にも言える事だが、常識として言われているが、養分過多で育った早生品種(こしひかり等)は穂実が育ちすぎて重たくなって倒伏するらしい。この状態では、コンバインでの刈り取り作業に支障をきたし、圃場地面へ倒れた状態で水分が加わると籾を破って芽と根を出す状態になり米粒の色形と食味が著しく劣るようになる事は常識的に知られている。
《堆肥は養分供給をするのではない事を理解する》
土壌に混ぜ込んだ堆肥の役目は、土中の微生物の餌となりその微生物が排出した物質が、スポンジ状態で土粒の隙間を埋めて土粒が結着して、団粒組織を形成し、そのスポンジ状の隙間に水分と養分を生育に適正な状態で滞留させる為に次々に団粒構造を重ねて構築して、土中で作物に適切な養分と水分の排出と吸収を繰り返す為の土壌となる事を目的とする為に散布してすき込むのだと理解する事が必要だ。即ち、堆肥=肥料の解釈であったのなら、堆肥に有する認識を変えて肥料に関しても認識を変える事が必須である。
○堆肥
私は、牛糞完熟堆肥を使用している。先に述べた団粒構造を作成するのに有効な腐植酸を含有する土壌改良資材が販売されて労力軽滅になるが、先にも述べたが、散布の手間と資材価格を考えれば、比較した事は無いのであるが、費用対効果と実績が有る安心感は、今までの経験してきた事が良い結果を生んでいるので、牛糞完熟堆肥の散布に頼りきりで腐植酸資材の使用は経験が無い。
毎年、10a当り6t程の牛糞完熟堆肥を平面均一に散布している。10年も続けていれば、圃場耕土も投入分だけ増加してより土質はトラクターで耕せばサクサクで細かく砕けて、膨軟サラサラになっている。又、圃場内で雑草を刈り取った残査もそのまま圃場内に捨て置いて、次作に繋げる作柄変更時期にトラクターですき込んでいる。有機物であるから何ら問題は無く、土中微生物で分解される牛糞完熟堆肥と圃場土壌に同化する様で消えて無くなる。
○肥料
肥料は生育に必要なサプリメントという考え方と使い方をしている。生育状態に応じて、施肥する作物も有れば、最初に圃場土壌にすき込んでしまう場合が有る。良く言う事であるが、【生育初期から元肥を十分に施して生育旺盛を生育後半まで維持する。】という文言が記載されている栽培要点の記載が有るなら、種を播く前や苗の定植前に必要養分を必要分だけ圃場土壌にすき込む必要が有る。事前にこの養分に付いては、各生産物が収穫されるまでに10a当りの必要量は調べる事ができる。その必要量をすき込んだ肥料から団粒構造へ変化して完成した圃場の耕土に成分を吸収させれば、無駄な労力や無駄な肥料を散布する必要は無い。
毎朝、圃場の作物の生育状態を観察していると、花・樹・葉の色や形態の変化状態や授粉して膨らみかけた実の状態から、どの成分が不足していて、どの肥料が適切に効果が発揮できるのか認識して即座に施肥を行う事でその生育を補助する事ができる。しかし、つい、与えすぎてしまう窒素成分の過多の状態は何一つ良い結果を後に残さないので、必要量は必ず確認すべき事柄で施肥には注意が必要である。←特に果菜類の施肥で必要以上の過多には注意が必要である。
○潅水
夏野菜栽培の潅水時刻は夕方から地中温度が早急に下がるようにイメージして充分すぎるように潅水する。ナスは特にたっぷりと。
午前中に行うと吸収すべき水分が高温になり根に悪影響を及ぼし生育の何らプラスになる事は無い事を認識する事が重要である。夏の厳しい暑さで土中の水分が高温になる事は養分と水分吸収の先端である根を傷める結果は明白である。特にトマトは気温の応じて旺勢に水分を吸収し果実に送り込む性質を持つので、果実内部の肥大生長と果実表皮の生育成長の速度に差が生まれ表皮が割れる。また割れる事が無かったとしても、表皮が硬化してコルク状のまだらが入ったりして、著しく品質が低下し市場価値が無くなる。
冬は夏の潅水時間帯の条件と、逆の時間帯に潅水作業を行うのが常套である。氷害を防ぎ、根のストレスを防止する。
当たり前に幼稚園児でもできる行為である水を遣るというのは、植物成長に必須な単純作業ではあるが、一つ一つの作業を行うにしても、農業では、「何故そうなのか?」と、意味を深く考えて結論を得てから、より最善の方法を探り実践する事が大切だ。
○排水性の向上
何より圃場内に水溜りを作らない事が大切である。
圃場耕土が湿度過多の状態が続くと、たちまち真菌系の病巣を繁殖させる環境を作ってしまう。
この真菌系の病気は、拡散するのも早くて、又、病気に侵された個体(株全体)を圃場外に持ち出して廃棄しても土中に残るものが多いし、実際に土中に真菌は生存状態で残っている。土中水分過多状態で湿度が高い状態が重なる時に病気の発生は、梅雨時の後半に発生する事が多いので、長雨が続く天候のその後の雲低くムシムシの場合は再注意が必要である。湿度が高くムシムシするのが病気り患の状態が揃ってしまい最悪である。
排水性の向上は、水分と湿度を必要として蔓延する病気予防の為と攪拌に対抗する行動としては、必須作業である。
本日はここまで。
明日は、少しだけ経営に付いて記述してみましょうか?と思います。
内容が、農業技術のHow toになってしまいました。
もっと詳しく記述もできるのですが、専門的なりすぎてしまいますから、
サラッと浅く広く記述を今後も続ける事にします。
明日も又、思うまま+思い付くままの記述になりますが、
よろしくお付き合いください。
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