29漬物・8(価格の定め方)
小売価格設定を製造者側で定める事は、商品の拡販を企画するとすれば、製造者側で固定してしまうと足かせになる。製造所から次の販売者(自らの直売・他の小売店・量販店・食品総合商社・卸売会社等)へ渡す流通経路別に出荷価格と1回の最低出荷可能数を各々の取引条件の合致内容になるように、製造者側と販売側の妥当点を探すように製造者側は応じて、定める事が適切な方法である。商談に付いては、商談先の思惑を探るような、価格や数量の駆け引きの提示を絶対に行わない事。又、提示した事は、製造者側の都合で販売先の了承無く変更してはならない。
《希望小売価格(定価)を定めない》
自らの直売以外で卸売りを行う場合に、商流システム知識の浅い方や経験の無い方は、必ずであるが、小売価格より・・%引きの卸売価格という商談を行う。全くこれは間違いで、拡販をしようとするなれば、成功を見る事は無いと断言しても良い。希望小売価格を定めると、商品の小売価格設定に関しての自由度が失われる。
消費者の目に留る店頭の様々な業態(小売店・量販店・ディスカウント店・ドラッグストアー等)によって、それぞれその商品から利益確保しようとする割合が違うからである。したがって、次に渡す先に対しての卸売価格だけを向かう業態に応じて定める事によって、小売価格決定主導を卸売先に任せる方が商品は売りやすいし、製造者側も販売先選択の自由度が増す。
《製造完了時に既に利益を含んでいる》
製造所で商品が完成すれば、その時点で既に、自身の利益が含まれている価格設定をする事が大切である。小売価格を設定して、・・%レスの卸売価格を設定すると、大量に売れれば売れる金額分の・・%レスの脱力感につながるダメージが、徐々に効いてくる。しかし、製造時に既に一律の利益が含まれていれば、当然、その逆である。売れれば売れるほど利益が増える。又、卸売先の業態、特に食品総合商社の量販店仕向の商談では、その量販店への卸売価格を見積もりを出す事が殆どである。支払い請求は製造者から末端店への毎月の卸売金額の請求総額から・・%の手数料を引いた請求金額を食品総合商社宛に請求するのが殆どの企業で実施されていて、総合食品商社への請求はその手数料を引いた請求となる。中間で介入して売上の上前をピン撥ネされてるように感じるが、しかし、各末端店を訪問商談し、売り場担当の意見や消費者の購買意欲トレンドを製造者に伝えてくれるし、毎度定時に末端各店からの発注数を取りまとめて製造者側に定時自動発注を行い、物流センターに到着した商品を末端各店への分配と配送を行っていて、且つ、必ず支払いを受ける事ができる売上金の支払保証も行う役割が有るので、製造者が流通センターへの一括納品で各店配送の経費が無くなる事や各末端店舗への営業活動をする頻度が著しく減少する事を考えてみたら、十分に仕事を行ってくれて有益であるので、支払っても納得の手数料である。何より、製造者が直接配送をする必要が無い。この商流構築の成功事例を示す事が出来るなら、自信を持って遠隔地の量販店でも、総合食品商社の役割を活用すれば、相手量販店企業の物流センターへの定時輸送が可能であれば販売ができる。当然、上記のような商談に臨む時には、製造者で製品完成時の利益含み済の工場引き渡し価格に、輸送費と商社手数料は、末端店への納品卸売価格に加算する事を忘れない事。
謂わば、加算した費用は製造者が負担するのではなく、流通下流で、末端販売店側でご負担いただく卸売価格提示で良い。
《末端店舗の判断に任せる》
こちらが、提示した店舗卸売価格が、末端価格を設定して消費者に買ってもらえる金額で良か否かは、量販店バイヤーの判断によるところが大きい。
私の商品の量販店舗での販売を例として記述するが、他社製同様品より卸売価格が少し高価であった商品展開であったが、約150店舗を有する東証1部上場企業でドミナント展開(一定の地域に於いて、他地域より進出した量販店より地域密着型の販売姿勢で一定地域内で多店舗展開を行う。例=滋賀県中心・平和堂、中国地方・イズミ、和歌山県中心・オオクワ、その他・・*日本流通機構に属する企業が多い)する量販店の取引に於いて、その量販店バイヤーが、顧客趣向と購買意欲を判断して、取扱店舗を選択して販売を行った。約25店舗の取り扱いで、一部製品は全店舗の取り扱いであった。
この時は、総合食品商社を経由した商流で、製品は、製造者が直接その企業の物流センターへの納品であった。
*日本流通機構
同様業態の量販店企業が集まって、加盟企業で取り扱う商品(ブランド名=くらしモア)の共同開発や共同仕入れを行い、バイイングパワー(大量一括購入で利益と価格に反映)を発揮して、商品提案や取りまとめる企業。
《ロス返品は受け付けない》
売れ残りロスを引き受けると、金銭処理が複雑になるばかりでなく、売り場の発注ミスをも製造者側の負担になる事が多い。売り場に於いては賞味期限内に売り切るように見切り販売する事が常識である。
その為には、的確な数量を発注する売り場担当者の判断技術を必要とする。
製造者側の製造不良製品以外は返品は受け付けない事が肝心である。
《要》
売上と利益を拡大させようとすると、販売力のある量販店納品を目指すべきだ。量販店納品する方法では、流通センター利用ができるように、
その量販店と商取引のパイプの太い総合食品商社との取引が必要で、
取引は、同時開始の必要がある。
販売先のよって、臨機応変に販売価格を変える事が重要である。
総合食品商社を通じた商流では、流通先が一社だけでなく数社に及ぶ事もある。実際、私はそうであった。売れれば売れるほど利益が加算されていく仕組みを作る事が肝心である。
・・%レスが毎回出荷伝票から売上金額を記帳する度に、積み重なっていく小計を見ると面白くなく、毎月の〆日等にその数字が目に触れるのは、精神的に苦痛である(笑)。
上記でも記述したが、製造者が希望小売価格を定めない事。
また、固定された卸売価格を提示しない事が大切だ。
価格は、流通最下流に位置する末端店のお客様側に判断が、主導すべきなのかもしれない。と、思う時が多くある。
要らない商品は、安くても要らないし、欲しい商品は、高くても欲しい。
そこに商売の楽しさとやりがいを見て、商売の不思議を感じる事も多い。
拡販しようとする時には、担当者が個性的で、販売現場の意見反映を第一主義で頭脳明晰であり、組織行動力と卸売機能を持つフットワークの軽い企業との取引をお勧めしたい。
その取引を始めようとするなら、量販店向け営業のスペシャリストで有る総合食品商社に自製品の優位性を認知してもらう必要が有る。その為には、安心安全で同様他社製品より優れた製品を製造し、真摯に販売努力を継続する事が最重要である。私が行った拡販の為の取り組みと手順と方法は、
次回に、別項で記述する事にします。
簡潔ではあるが、価格の定め方を説明記述をしました。
今回はここまで。
ではまた。次回。
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