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Marcin Wasilewski Trio with Joe Lovano マルチン・ボシレフスキ Arctic Riff
マルチン・ボシレフスキ・トリオで聴くジョー・ロバーノという贅沢
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「マルチン・ボシレフスキ・トリオで聴きたい、ワン・ホーンは誰か?」
と聞かれたら、誰をリクエストするであろうか。
このアルバム発売の情報を知った時に、
ジョー・ロバーノとの共演に「そうか!」と
心が浮き立ったのを覚えている。
ただでさえ、大好きなマルチンのトリオに、
ジョー・ロバーノの意味深くも奔放なテナーの音色が折り重なるのを、
想像するだけで、もうなんとなく、
音像が目の前に立ち現れてくるような気がした。
まだ、全曲聴けていないのであるが、
1曲目の「Glimmer Of Hope」と
2曲目の「Vashkar」を聴いただけで、
予想以上に、ロバーノとこのトリオの相性の良さを強く感じた。
あくまで、トリオがメインとして位置づけられたアルバムでありながら、
客演ロバーノではなく、ロバーノカルテットと
いっても良い必然性を感じる。
つまり、よくあるセッション的な、「withロバーノ」といった
軽いノリではないのである。
ロバーノという最高のインプロバイザーを得て、
マルチン自身の高揚感、没入感が伝わってくるだけでなく、
ロバーノ自身も、明らかにこのリズムセクションによって、
鼓舞され、トリップする最高のパフォーマンスを生み出している。
偶然の産物というより、以前からこうあるべきと確信していたかのような、尊敬と信頼から生まれる至高のサウンドがここにある。
ロバーノは、日本では、何故かその実力の程には、人気がない。
しかし、真に実力のあるミュージシャンにとって、彼と共演することは、
憧れであり、挑戦であり、試練でもあるわけで、
マルチンの高揚が伝わってくるようだ。
ロバーノは、どちらかというと、セッション的な立場で客演するという
スタンスも多いミュージシャンであるが、
これほど相性がいいリズムセクションとの創作が、
今回限りとなるのは、あまりに寂しく、
ぜひ、しばらく、何作かこのメンバーでの作品を聴きたいものだ。
Marcin Wasilewski (p)、
Slawomir Kurkiewicz (double-b)、
Michal Miskiewicz (ds)、
Joe Lovano (ts)
01. Glimmer Of Hope
02. Vashkar
03. Cadenza
04. Fading Sorrow
05. Arco
06. Stray Cat Walk
07. L'Amour Fou
08. A Glimpse
09. Vashkar (var.)
10. On The Other Side
11. Old Hat
Joe Lovano, Marcin Wasilewski Trio - Glimmer Of Hope (Teaser)