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【ショートショート】完璧な避難所
この作品はフィクションです。
実際の団体や人物は関係ありません。
今日は町の防災訓練の日。
地下100メートルの避難所に町中の人々が集まった。
新しい町長が掲げる「究極の災害対策」を見せつけるためだ。
町長は胸を張り、壇上に立った。
「皆さん、この避難所は最新技術の結晶です!どんな災害からも私たちを守ります!」
その言葉に、町民のヤマダが手を挙げた。
「町長、避難所がどんなに完璧でも、町が壊れたらその後の生活はどうなるんですか?」
町長はにっこり笑って答えた。
「ご心配なく。この避難所は一年分の食糧と水を完備し、どんな災害にも対応できます。ここにいれば命は保証されますし、その間に復興計画を立て直します」
その時、警報が鳴り響いた。
大地震が町を襲ったのだ。
避難所は無事だったが、町は崩壊してしまった。
避難所にいた人々は震えながら町長を見つめた。
町長は満足げな表情で言った。
「ご覧の通り、私の計画は完璧でしたね」
ヤマダは呆然とした表情で町長を見つめた。
「町がなくなってしまったのに、避難所だけで本当に大丈夫なんですか?」
町長はにっこり笑って答えた。
「避難所での生活は安全ですが、復興には時間がかかります。しかし、次の町の防災計画はさらに完璧にしますので、ご安心ください!」
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最後まで読んで頂きありがとうございました。
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