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【ショートショート】最後の一息
この作品はフィクションです。
実際の団体や人物は関係ありません。
男は、会社の環境ポリシーに従って、地球環境への貢献をうたった商品を購入した。
これにより、彼が排出する二酸化炭素の影響を別の場所で相殺できると説明されていた。
「これで一歩前進だ」と思ったが、心の奥底では何かがしっくりこない。
より本質的に、直接的に環境に役立つ方法があるのではないかと考え始めた。
その結果、彼は突拍子もない結論に達した。
「自分がいなければ、何も排出されないじゃないか」
ある晴れた日、彼は公園のベンチに座り、静かに目を閉じた。
その瞬間、彼はそのベンチが再生プラスチックでできていることには気づかなかった。
彼の最終的な行動もまた、環境に「貢献」したことになるのかもしれない。
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最後まで読んで頂きありがとうございました。
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