【一千文字評】犬王 - 美と凡庸、醜とユニーク
実在したとされる猿楽師、犬王。
湯浅政明を中心に松本大洋、野木亜紀子ら現行のドリームチームが結集し、彼の物語をアニメーションで描く。
「物語を拾い、語り継ぐこと」について、その表裏一体として「語られなくなれば、忘却される」ことをテーマに据え、それが「犬王」という今や忘れ去られた人物の生涯を描くこの作品そのものと一致する。その意味で非常にコンセプチュアルな作品だ。
そしてなにより、この話をロックミュージカルにしてしまう大胆不敵さ、奇想天外さこそが最大の魅力。とんだ飛躍でありな