ひろ

福岡出身 都内大学生  寿司学校卒業後、都内寿司屋で働きながら全国の漁港をめぐってます…

ひろ

福岡出身 都内大学生  寿司学校卒業後、都内寿司屋で働きながら全国の漁港をめぐってます。 旅しながら食べた料理と産地、漁港の紀行文、エッセイを連載していきます。

最近の記事

クエ養殖

 2022年も後二日になってしまって、街を見るとコロナが始まってまってからで一番賑やかになったなと思う。それと同時に賑やかな大晦日というのを忘れていたことにも気づいた。 対馬の漁師さんのところを訪ねた時に丁度11月はクエ漁の終わりかけの時期であったので、クエ漁に行って運よくクエを釣ることができた。 クエの養殖も日本では微々たるものではあるが行われているということは知っていたので、いずれは見学に行きたいなと考えていた。12月末に三重県の南伊勢の鯛養殖場にインターンに行くとなん

    • まねかつお? まながつお?

      「今日の焼き物はなんですか?」 「マナガツオだよ」 まながつおという名前を聞いた時は迷わずにカツオだろうと思っていたが、 私が働いていた寿司屋の大将が捌いている魚を見て思わず目を疑った。 マンボウなのだ。大将はまんぼうを捌いている。 「もしかして、それがまながつおですか?」 「そうだよ」 まながつおは私が働いていた店では、粕漬けにして提供していた。 まながつおはどうやら高級魚らしい。 まんぼうのような丸い形状をしてい口はおちょぼぐちのように小さい。 寿司屋で大

      • 対馬の魚は何故美味いのか。

        2022年11月。念願の対馬に初めて訪れた。 対馬は長崎県に属する島で、全国でも10番目の面積を誇る。  私自身、対馬は長崎県に属しているということ自体は知っていたが、島がどの辺りにあるかは把握していなかった。まあ長崎からフェリーで行けるものだと思っていて、長崎から行くつもりであったが、なんと長崎市からはかなり遠い。九州からは博多港、東唐津港からしか船は出ていないということを行く二日前に知り、慌ててスケジュールを変更した。  対馬は魚の産地として名高い。都内の寿司屋界隈で

        • なぜ全国の産地を巡るのか

          私は2022年4月から寿司学校で寿司を学びながら、都内の寿司屋で働き、寿司の勉強をしていました。 寿司学校の授業の一つで、豊洲市場を見学する授業があり、そこで連れて行かせていただきました。 豊洲では、普段食に携わる仕事をしていなければお目にかかることのできない "  せかい" というものがありました。  対馬のあなご、出水、天草の新イカ、閖上 勝浦など。それぞれの魚を見ていると、産地があり、日本中の漁港で採れた魚が運ばれてきている。豊洲市場はまるで日本の漁港の縮図であるかの

        クエ養殖

          天ぷら 天麩羅 天麩羅

          天ぷらが好きだ。 熱々ご飯と一緒におつゆにつけてたべるのも好きやし、かけうどんやかけそばのだしに浸してたべるのも大好きだ。 天ぷら屋で半熟卵天をご飯にのせて割ると中からとろとろの黄身がでてくるやつもほっぺたがなくなってしまうくらいだいすきだ。 カウンターで一つ一つ提供される天ぷら屋なんかにいくと、一つ一つ丁寧にあげられたものが出される。 1万円を越えるコース天ぷらなら車エビの天ぷらが背を上にして立てるように鮮やかにおかれている。 うどん屋や蕎麦屋の盛り合わせの天ぷらで

          天ぷら 天麩羅 天麩羅

          朝ラーメンと文化

          福島県の喜多方にやってきた。 喜多方といえば、喜多方ラーメンは主流で、部類のラーメン好きである私としては喜多方でラーメンを食べるのは大の楽しみであった。 というのは喜多方では、全国でも数少ない、朝ラーメンという文化がある。 福岡といえば、豚骨ラーメンが主流であり、福岡自体では特に朝ラーメンというのは文化としてはないが、福岡の長浜では元祖長浜屋というラーメン屋があり、そこは24時間営業でいわゆる朝ラーメンを堪能することができる。 私自身も福岡で学生をしていた頃は、朝寄っ

          朝ラーメンと文化

          鰯ぷらっとふぉーむ

          イワシの握りが好きだ。 冬になると北海道で取れるイワシは脂が乗っていて、これを酢締めしてにぎりにすると、ほっぺたが落ちるとはこうゆうことかと言うくらい美味しい。ものが良いイワシは豊洲でもキロ4千円を超えるものもあり、ここまでくると高級魚になるが、高級魚に匹敵するくらい美味しい。 イワシという魚について、今まであまり深く考えたりすることがなかったが、最近魚について勉強をしているとイワシという魚は私たちの生活、食卓、魚の食卓においても、そして日本だけでなく世界でもイワシという

          鰯ぷらっとふぉーむ

          カーヴァーの描く日常

          僕が、産地巡りをする上でとても大きな影響を与えてくれた、小説がある。 レイモンド カーヴァー の大聖堂という村上春樹さん訳の短編小説だ。 物語といえば、大抵において、主人公がおり、主人公がまぁ変わった、突出したものをもっていて、世の中をかえていくとか影響を与えるとかそのようなストーリーが多い。 レイモンド カーヴァーさんの小説に出会ったのは訳をしている村上春樹さんの影響で読みはじめたが、カーヴァーの人の何気ない日常とそれに潜む社会問題や格差、悲しい出来事やつかの間のの喜び

          カーヴァーの描く日常

          大船渡帆立アパートメント

          今回、帆立養殖に行ってきた。 岩手県の陸前高田から大船渡、岩手県や仙台の漁港では、2011年の東日本大震災で甚大な被害を受けた地帯だ。 震災以前、以後というふうに現地の方々は区切りをつけて過去を語る。 瀧澤さんの家系は戦前から養殖業を代々営われている。今回私が訪れたのは11月の中旬頃で私が伺う前に今はホタテの洗浄をしているがそれでもいいかい?と言われた。私はホタテの養殖のほの字もわからないので、問題ありませんと言い、大船渡に訪れた。仙台から高速バスで3時間。私が大船渡に

          大船渡帆立アパートメント

          豚汁とさんまの塩焼き

          秋の紅葉が散っていき、半袖のシャツから少しずつ服の袖を伸ばして遊歩道は黄色に染まっていく。 赤ちゃけた夕日を目掛けて小学生の僕は学校の放課後に友人と野球や手打ちなどして遊んでいた。 日が暮れると、自転車を漕いで暗くなった帰り道を辿っていく。  私の家庭での秋の食卓の定番といえば、豚汁とさんまの塩焼きだった。 さんまといば、豚汁、豚汁といばさんまと言うふうな関係性がいまだにイコールとして頭に浮かぶ。 お母さんの豚汁も大好きだった。 椎茸と昆布といりこでとったお出汁と、ごぼう、

          豚汁とさんまの塩焼き