人類史上最大の資産家 マンサ=ムーサ
オヤジブログ怪気炎 vol.241
世界史気になるシリーズ 51
高齢者を襲って縛り上げ、現金を奪っていく強盗事件が関東地方で多発している。非常に凶悪な犯罪行為であるが、今時そんなに多額の現金を自宅に置いている人も少ないわけで、全く割に合わないと思う。すぐにやめなさい。
お金さえあれば、いろいろなことができると信じている人は多い。確かにまるっきりないよりはあった方がマシでありますが、そんなに持っていても使い方がわからなければ、しょうがない。
本日紹介するマリ帝国の王、マンサ=ムーサは、総資産約40兆円! 彼がメッカに巡礼した際にカイロで使った金の量は半端なく、金の相場が大幅に下落してしまったという。
当時のマリ帝国は、金の産出量が世界の半分を占めており、ガーナとの塩と金の交易によっても国が潤っていたという。
それだけの資産があれば、どんな夢を描くのか。彼の前の王は大西洋の果てを求めて旅立ち、戻らなかったという。前王の夢は冒険だったのです。そこで摂政であったマンサ=ムーサが王位に就く。
ムーサはメッカへの巡礼に旅立ち、とてつもない金持ちの存在が、知れ渡ったわけです。
ムーサの一行は家臣6万人、奴隷1万2千人以上からなっていたと報告されている。奴隷はそれぞれが4ポンドの重さの金の延べ棒を持っていた。家臣たちは絹の服を着て黄金の杖を持ち、旅荷を持たせた馬の隊商を連れていた。ムーサはこの巡礼の旅に必要な一切の費用を出し、お供や家畜らの食料を賄ったとされている。ラクダは10tの金を積んでいたとされる。
現在も世界に金持ちはたくさんいるが、このような大名旅行は今後も不可能でありましょう。その世界で最も富める者の向かった先が聖地メッカであったことは、象徴的です。
どんなに物質的に満たされていても、精神的に充足を得ることは難しい。ムーサは巡礼を通して何を考えていたのでしょう?